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ダウ理論を制するものは相場を制する!|みつまる式ダウ理論の手引き

ダウ理論とは、チャールズ・ダウが提唱したテクニカル分析の基礎理論です。本来のダウ理論は株式相場に対応して提唱されていますが、FXや先物取引などでも基礎理論として使われています。

またトレンド方向を把握するためには必須の基礎理論です。
ダウ理論を理解することによってトレンドの方向を掴み相場がどのように動いていくかを分析できるようになります。

【ダウ理論を制するものは相場を制する】という言葉も生まれています。

トレードで稼げるようになるためには、トレンドの方向を分析する力を身につけることは必須条件だと考えています。

「株式取引の現物保有だけだから関係ないや!」
っと思っている方!ちょっとまってちょっとまてお兄さん!!

株式を買うときはどんなタイミングで買いますか?高値掴みとかしたことはありませんか?

ダウ理論を学ぶことで買うタイミングを見極めて上昇トレンドになるポイントで購入することで利益は積み重なり、高値掴みをする可能性も非常に低くなります。

ダウ理論を理解するだけでトレードの勝率はグンっと上がります。

トレードで稼げるようになりたい!
っという方はぜひ最後まで読んでください。


ダウ理論6つの基本法則


ダウ理論はアメリカの証券アナリストの”チャールズ・ヘンリー・ダウ”(1851年~1902年)が考えた相場理論で100年以上経った今でもなお、多くの市場参加者がダウ理論の考えを基に株式やFX、仮想通貨のトレードが行われています。

そのダウ理論を【6つの基本法則】で構成されています。

これらすべてを覚えることも必要ですが、私たちはトレードで稼ぎたいのでこの基本法則を市場でどう活用していけるかをしっかりと捉えて見ていこうと思います。

チャート(価格)はすべての事象を織り込む


各種市場は、「経済指標」「要人発言」と言ったファンダメンタルズ分析の対象となる事象や、「自然災害」や「世界情勢」など予測が困難な事象もすべて価格に反映されるという考え方です。

チャート上の価格がすべてであり、ファンダメンタルズ分析を確認しなくてもあらゆる事象は織り込まれているチャートを値動きを正確に追うことで未来の価格も分析可能という解釈をしています。

だだし注意も必要です。
ダウ理論が提唱された時代では1分間でトレードをするスキャルピングなどは不可能だった時代なので短期でのトレードを軸にしている場合は、「経済指標」や「要人発言」で瞬間的に価格が変動することがあるのでファンダメンタルズ分析を無碍にすることはできません。

トレンドは3種類に分類される


ダウ理論が提唱するトレンドは、「長期トレンド(プライマリーサイクル)」「中期トレンド(セカンダリーサイクル)」「短期トレンド(マイナーサイクル)」の3つです。

☆長期トレンド(プライマリーサイクル):1年以上
中期トレンド(セカンダリーサイクル):数週間から数カ月
短期トレンド(マイナーサイクル)  :数分から数日

相場には大きな波(長期トレンド)の中に、中くらいの波(中期トレンド)があり、その中にも小さい波(短期トレンド)が存在していると言われています。
イメージとしては画像の通りです。

長期トレンドの中の中期トレンド
中期トレンドの中の短期トレンド

それでは実際のチャートを見ながら確認していきましょう。

GOLD 日足

上記のチャートはGOLDの日足チャートです。赤色の線でジグザグを描いていますが、水色のゾーンは右肩上がりの上昇トレンドと判断することができますよね。
この上昇トレンドの中の赤色の四角の位置を4時間足チャートに落としてみてみましょう。

GOLD 4時間足

上記チャートがGOLDの4時間足チャートで日足の赤色四角の位置に注目してみましょう。赤色四角の前は上昇トレンドできていますが、赤色四角の部分は、最高値をつけた起点の安値(押し安値)を割り込んで下降トレンドになっています。日足では上昇トレンドだが、4時間足では下降トレンドにいることもあるということです。
では次に4時間足チャートの緑四角の部分を1時間足に落としてみていきましょう。

GOLD 1時間足

日足は上昇トレンド、4時間足は下降トレンド、1時間足を見てみると最安値をつけた起点の高値(戻り高値)をうわ抜けたので下降トレンドは終了し、今は上昇トレンドに転換するのか、再び下降トレンドになるのか分からない状態です。

このようにトレンドは「長期」「中期」「短期」でそれぞれのトレンドが発生しチャートを構成していることを知っておくことは重要なことになります。

主要トレンドは3段階からなる


ダウ理論では主要トレンドを下記3つの段階に分類しています。

先行期:トレンドが発生する前の段階で大口投資家が大きな注文を仕掛けている段階。
追随期:大口投資家が仕掛けた注文により相場にトレンドが発生したことを察知したトレーダーはその波に乗ろうと大口に続いて注文を入れてくる段階。
利確期:一般投資家が資金を投入してくる段階。先行期、追随期で作られたトレンドを察知し一般投資家が波に乗ろうと注文を入れてきますが、大口投資家や追随期に注文を入れたトレーダーが利益確定の売買をしていく段階。

価格(平均)は相互に確認されなければならない


ダウ理論が提唱されたころは、工業株価平均と鉄道株価平均で構成されており、この両者には相関関係があり2つのトレンドが同じ方向性を示すことで本格的な上昇トレンド/下降トレンドと言える。と考えられています。
現在の市場でも、相関関係を確認する必要があるということです。

この考え方を為替市場に置き換えてみると、「米ドル」軸で考えた場合でトレンドを把握するパターンと通貨の強弱を見るパターンがあります。
通貨強弱は、トレードでをする上で非常に重要な考え方でもあるのでそれはまた私の手法解説のnoteで説明していこうと思います。
今回は基本的な「米ドル」を軸で考えた場合をこちらで説明していこうと思います。

USDJPY15分足

FXでは、通貨ぺアでの取引なので上記チャートでドル円が下降トレンドということは、
「ドルが売られ円が買われている」
という状況になります。

この状況下で、別のドルストレートを見てみましょう。

EURUSD15分足

ユーロドルは上昇トレンド。
つまり…
「ユーロが買われてドルが売られている」

GBPUSD15分足

ポンドドルでも上昇トレンドが発生しているので、
「ポンドが買われてドルが売られている」
ということで市場全体として「ドル」が売られているということになります。
このようにドル円だけトレードをしている方も他通貨の相関関係を理解しておくことでより勝率を上げることが可能になります。

トレンドは出来高でも確認されなければならない


この法則については、「株式市場」で大変重要な項目になります。

ダウ理論はトレンドの判断として重要視しているのは、「出来高」と謳っており、
上昇/下降トレンドが発生したら動く価格に比例して出来高も増減していかなければならないという理論です。

「出来高」とは、取引の総量を指します。

この「出来高」が多ければそれだけ売買が活発に行われてトレンドを作っていくので強いトレンド相場となります。
逆にチャート上ではトレンドが発生しているように見えても出来高が少ない場合は、反転してくる可能性があります。

FX市場においては、出来高を正確に見ることは困難なのでFXの場合はあまり気にしなくてもいいのかなと思っています。

トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する


この法則はダウ理論を学んでいく中で、最重要な法則です。

まずは基本的なところを抑えていきましょう。
ダウ理論におけるトレンドは3種類に分けられます。

上昇トレンド:高値を切り上げ、安値も切り上げている状態
下降トレンド:安値を切り下げ、高値も切り下げている状態
レンジ相場 :ある一定の値幅の中で動いている状態

今見ている相場が上昇トレンド、下降トレンド、レンジ相場のどれにいるかを見極めるのが裁量トレードで稼ぐために必要で最も重要なスキルです。
そしてそのトレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続すると謳っています。

では、明確な転換シグナルについて説明していきます。
転換シグナルは、上昇トレンドの場合は最高値をつけた起点の安値(押し安値)を下抜けたタイミング、下降トレンドの場合は最安値をつけた起点の高値(戻り高値)を上抜けたタイミングになります。

ただ私はこのダウ理論の
「明確な転換シグナルが発生するまで継続する。」
という考え方は2通りの捉え方がありますが、今回は一般的なものを説明して行きたいと思います。

一般的なものは上記にも書きましたが、
・上昇トレンドの場合は最高値をつけた起点の安値(押し安値)を下抜けたタイミング
・下降トレンドの場合は最安値をつけた起点の高値(戻り高値)を上抜けたタイミング
このタイミングのことを指します。

分かりやすく図解で表すとこのようなイメージです。
(画像)

この転換シグナルが発生することでトレンドは終了し、反転するもしくはレンジ相場になるということになります。

実際のチャートで見てみましょう。
(画像)

みるまるダウ理論手法


ここまでで、ダウ理論の6つの基本法則について説明しました。
この6つの法則すべてが大切ですが、テクニカル分析で一番重要視しているのは「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する」です。
この「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する」を理解できるようになれば相場の流れを読み取り目線付けができるようになってきます。

私の手法については別途noteで書いていきますが、少しだけ実践編ということでダウ理論をどのように使っているかを説明したいと思います。

みつまる的ダウ理論の使い方


みつまる的ダウ理論の使い方は、「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する」という基本法則を使って各時間足で上昇トレンドなのか下降トレンドなのか、レンジ相場なのかを見極めていきます。

この「今の相場がどのような状況にいるのか検討すること。」を環境認識と呼び、さらに各時間足でこの環境認識を行うことを「マルチタイムフレーム(MTF)」と言います。

それでは実際のチャートを見ながらダウ理論を使って環境認識をしていきましょう。

USDJPY 日足

上のチャートはドル円の日足チャートです。
赤い矢印の部分は上昇トレンドだとはっきり分かるようなチャートですが、
日足の最高値をつけた起点の安値(押し安値)を下方向にブレイクしたことが「明確な転換シグナル」となり、
日足レベルの上昇トレンドが終了し下降トレンドに転換することを示唆しています。

そして押し安値の価格をブレイクしたあとは急激に下降し安値を更新し続けていく流れになっているためこのチャート上では、現在は日足レベルでは下降トレンドといえます。

USDJPY 4時間足

続いてドル円4時間足のチャートをみていきましょう。
日足では下降トレンドでしたが4時間足では、最安値の起点となった高値(戻り高値)を上にブレイクしてきたので4時間足レベルでは下降トレンドは終了し、上昇トレンドに移り変わっていくところとなります。

USDJPY 1時間足

最後に1時間足をみていきましょう。
直近の動きみると1時間足ベースでは上昇トレンドで見ることができると思います。
1時間足の最高値をつけた起点の安値(押し安値)を若干ブレイクしていますが4時間足の戻り高値の位置で跳ね返されているので1・4時間足ともに上昇の勢いがあるという認識になります。

この環境認識をまとめると…

☆日足レベル→下降トレンド
☆1時間/4時間足レベル→上昇トレンド
☆短期的には買い優勢だが、長期では下降トレンドが続いているので注意
→デイトレレベルでは買い優勢だが長期の方向では下降トレンドが続いているので細かくトレードした方が安全

こんな感じになります。
そしてこの環境認識を基にトレードのシナリオを構築し、エントリーポイントを決めていく手順となります。

ダウ理論|まとめ


ここまででダウ理論についてたくさんのことを書いてきました。
納得できるところ、腑に落ちないところあったかと思いますが、
【ダウ理論を制するものは相場を制する】という言葉もあるくらい非常に重要なものになっています。

ダウ理論を実際のチャートを見ながら理解することで、相場の見え方が非常にシンプルになりトレードが上達していくはずです。

さらには、自分自身の得意なテクニカルを組み合わせたら勝率アップはほぼ間違いないと思います。

今までダウ理論を知らなかった人、聞いたことはあったけど理解していなかった人はぜひ理解してチャートを見てみて下さい。

次号、みつまる式ダウ理論を使ったトレード手法を公開していきます。

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