お芝居と共に生きちゃってたんだな〜あたし

えー、大変申し訳ない事に公演中止となってしまいました。なんだかショックが隠し切れないのです。お芝居に出ることがいつの間にか当たり前になっていました。ずっと自分の体のそばにあって日常で憧れで、尊くい続けてくれた存在。私が生きる為に輝いてくれていたし、私はこの環境を使って自分を信じて生きてきました。舞台という土壌があったおかげです。自分の事だけではありません。ガラガラと演劇界が崩れていく様を目の当たりにし、言葉にならない喪失感が体の底でうごめいていて心が晴れません。こうやって書いてる間にも、いや希望はあるぞ、とかこれからを考えよう、とか様々な思いで気分がブレブレなのも常に今動揺しきっているからなんだと思います。「仕方ない」と考えながら小さく動揺し続けているこの気持ちは世界中と共有しているようで自分だけのものです。悲しい。悲しいけれど考えがいも感じがいもあります。

例えば私は、大学を中退しています。心おきなく稽古に行ければ良かった。服は全然買ってないのに稽古で着るTシャツばかり家にあって、今稽古場で見せびらかす予定だった可愛いTシャツが部屋には堂々飾られています。自転車で稽古に行くのが好きだから汚れても良い漕ぎやすいズボン、ぺたんこの靴、汗をかくと崩れるからあまり濃いお化粧はしないで、稽古が長引くたびに(連続半年とか)そんなに休めないなあとアルバイト先を辞めまた探し、劇団に入ってから人と話しながらお酒を飲むのが好きになり、舞台に出るからあまり太らないように(太るけど)調整し、筋トレも体力づくりも(実は全然好きじゃなかった)、仕込み、バラシ、そもそも苦手な作業も覚え、コミュニケーション能力も急激にあがり、バイトしながら稽古しないですむように全力で貯金して稽古期間で使い切りまた貯金。ちょっとずつ舞台のギャラが貰えるようになって嬉しくて調子に乗りまくり、悔しくて泣き、嬉しくて泣き、一歩一歩好きなお芝居を追いかけて、出来なくてもねばり、怒られて死にたくなっても稽古場に行きまた怒鳴られ、怖くて辛いのになかなか辞めないし、応援してくれている人の笑顔がすごく嬉しくてたまらないのでついついやっぱり辞められない。さまざまな役たち、さまざまなシーン、役を通して得た感情、経験した事はないのに私の大切な感情で宝物です。なるべく沢山の経験をしておこうと思う前向きな気持ちも、大好きなたくさんの先輩や後輩?(後輩と思っていないけれど)や友達も、お芝居が作ってくれたんだもん。この人生にはすごく納得いっていて、全く後悔していなくて、けれどこんなにお芝居を中心に自分の生活が回っていただなんて知らなかった。そう、知らなかったんです。19歳からの7年間だけれど、人生の設計というか生き方や未来に関する考え方も私はお芝居を中心に生きていた。だから、すぐには使えない稽古着が、Tシャツが愛おしく悲しい。なんだこれ。なんなんだこれは。そんなことに気付きました。もう少しクールに生きていたつもりだったのに、こんな時に溢れ出てくる言葉は「もうちょっと一緒にいさせてよー尽くしたじゃんーお願い行かないで」くらいの、振られて泣きつくみたいな、泥臭くダサめの思い出話ばっかり。全然、ダサい文章しか書けないや。

うーん、胸にぽっかりと穴が。お願いだからどこかへ行かないでね。もうちょっとあたしのそばにいてね、頑張らせてね、一緒に良い景色が見たいんだ。

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