18/9/25-26 「おてら終活祭」を終えて
應典院にて「おてら終活祭」を開催、延べ570名もの方にご来山いただきました。本当にありがとうございました。(こちらにレポートもありますので、ぜひご一読ください。https://www.outenin.com/article/article-12380/)
再建から20年以上が経ち、ある意味でははじめて、應典院なりの仏教との関わり方を見つけた瞬間だったのではないかと思いました。これまでも個別のプログラムごとに仏教を扱うことは多々ありましたが、一回性のものであったり、あるいは住職の問題意識を発信する機会としての要素が強いものがほとんどでした。今回大きく違うのは、盛大に開催した「おてら終活祭」は終活プロジェクトのキックオフにすぎず、むしろここから徐々に本格的なスタートラインに差し掛かっていくということ。そして、それは住職の問題意識をきっかけにはしながらも、(僧侶であるか否かにも宗派にも関わらず)多くの仏教者の方々、企業やNPOや施設で生と死に関わる仕事をされている方々、あるいはこれまで表に出ることの少なかった應典院職員一人ひとりの力を得ながら、仏教の外部ともつながって継時的に発展していくものであること。仏教やお寺の伝えてきた価値に、多様な人々がアクセスするための枠組みとして、これまで見たことのないような〈終活〉を展開できればと思っています。
また別の意味では、應典院はすでに20年前から、幅広いテーマやイベントを通して「生と死をどう見つめるか」、一貫してそのことだけをやってきたとも言えます。そもそも、生と死は人間の関わるあらゆる領域を横断するのですから、そこに「特定のジャンル」というものは存在しえません。ということは、終活ということばが広まるはるか以前から、應典院は〈終活〉への取り組みをすでに行なっていたのかもしれませんし、この度の終活プロジェクトは新たな挑戦であると同時に、いわば原点回帰にもあたるわけです。今回その活動にはっきりと名前をつけたことで、これまで大切にしてきたものをさらに深化できるよう励みたいと思います。
✴︎次回は10月23日(火)14時〜、「お寺で考える『しまい』の作法」と題して、遺品整理をテーマとした終活カフェを行います。