自殺報道はルール違反だらけ !  ~『自殺報道ガイドライン』~

日本の自殺者現状

2017年時点で自殺者人数世界TOP10に入ってる日本。自殺者人数はここ何年かは減少してはいるものの、令和元年では20,000人を超えてる。そして、自殺する人が増えている中で今問題になっているのがメディアによる自殺報道の方法だ。



メディアによる自殺報道で起きる問題 

近年有名人の自殺も増え、最近では、Netflixの人気レアリティ番組「テラスハウス」の出演者で女子プロレスラーの木村花さんと俳優、歌手の三浦春馬さんがお亡くなりになった。有名人の自殺ニュースを報道する際は、WHOによって作成された「自殺報道のガイドライン」に沿って報道する必要がある。「自殺報道のガイドライン」とは、メディアが自殺報道をする際に「するべきこと」「してはいけないこと」などがまとめられている資料で、厚生労働省のHPに日本語訳が記載されている。

先月、三浦春馬さんの死去を伝えている報道の中で、「自殺報道」の表現の仕方として、「自殺報道のガイドライン」に沿っていなかったと問題になった。某テレビ局では、「自殺か 三浦春馬さん(30)自宅で首つり死亡」と字幕を出し、報道していた。本来三浦春馬さんの死を伝えるものであるにも関わらず、「どのように亡くなったか」「部屋のどこで亡くなったか」について字幕やアナウンサーによって伝えられており、自殺の方法が目に浮かぶぐらい詳細に伝えられていた。

その後、自殺防止に取り組む団体が18日の夜に全国紙やNHK,、キー局などの報道各社に「自殺ガイドライン」を尊重するように文書を送った事により、一部の報道番組では抑制的に伝える姿勢に徹して「自殺」を強調しなくなった。

では、今回のことで起きる問題について見ていきたい

○「模倣自殺」する可能性             自殺のニュースを聞いた人が自分を重ね合わせ「模倣自殺」する危険性があるからだ。いはゆる、「ウェルテル効果」と言われている。ウェルテル効果とは、「メディアなどによる自殺報道を受け、一般人の自殺が増えてる現象」。社会学者のディヴィッド・フィリップスがその存在を広めた。今回のように自殺方法、自殺場所について報道してしまうと、国民的俳優である三浦春馬さんの死去を聞いた人達が自分と重ね合わせ「模倣自殺」する危険性が高まってしまう。

「いのち支える自殺対策推進センター」の代表理事で、NPO法人ライフリンク代表の清水康之さんはBuzzFeed Newsの取材に、自殺報道で起きるリスクについてこのように話している。

「自殺に関する『手段』を報じているメディアが一部あること、また、自殺という亡くなり方を強調した報道があることが、非常に大きな問題だと思っています」 
「こうした報道があると、亡くなられた故人に共感を覚えていた人、あるいは同じような状況や立場に置かれているほど、自分自身と重ねてしまいます」
「その結末が自殺で、さらに手段についても詳細に書かれていれば、故人と同じようにそちらに引っ張られてしまいかねません」


また今のご時世、新型コロナウイルスにより生活面や仕事面だけではなく、精神的に不安を抱えている人が多く自殺報道の影響が大きくなることが懸念される。気持ちが不安定な状態で自殺報道に触れると追い討ちをかける情報になり、国民の中には精神的に追い込まれた人が少なからず存在しているだろう。



まとめ

メディアによる自殺報道の仕方一つで二次災難となる危険性が出てきている。だからこそ、何を伝えるのかどのように伝えるのか。これが、重要になっている。


参考資料

引用





                            

                              


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