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オシャレで裕福なサッカークラブ、PSGのグッズ展開

今をときめくムバッペやネイマール、カバーニなどスター選手が多数所属しているパリ・サンジェルマン(PSG)。ホームスタジアム向かいにあるPSGのオフィシャルショップを6月に訪れたので、ここで展開されているグッズについてまとめます。

ショップ入口付近はまずナイキショップのような、ユニフォーム等の公式ウェア・スパイクのコーナー。

38試合で得失点差+79と今季も圧倒的な強さで国内リーグを独走したPSG。優勝記念グッズ等はほとんど見当たらず、淡々といつものグッズを販売している印象です。このラインナップは非常にパリ的というか、おみやげ感覚で手に取れるライトなグッズが沢山ありました。

サッカークラブのグッズというと、やっぱりまずこういうのをイメージしやすいと思います。クラブ色が前面に出てて、大ファンであることが一瞬でアピールできるような。ただ、PSGのグッズはだいぶ趣が異なります。

■「日常使い」できるグッズ

PSGのグッズは基本的にすべて日常使いを意識した開発がされているように感じました。

まず、PSGのグッズであることがほとんど分からないシャツ・ジャケット類が非常に充実しています。店の中央にあるのはダニエル・エシュテルというパリ発ファッションブランドのマネキン。シャツ表側にはダニエル・エシュテルの刻印があり、背中側に小さくPSGロゴが入れられています。ブランドを立ち上げたデザイナー、ダニエル・エシュテル自身も1970年代のPSG会長を務めていたそうです。

その他のシャツ・ジャケットもPSGグッズであることを巧妙に隠していることがわかります。左胸にロゴを入れたシャツもロゴ内にクラブ名を入れることを避け、端のタグに入れる徹底ぶりです。

また、可愛いぬいぐるみやキャラクターコラボグッズが多いことも特徴に感じました。モンチッチとテディベアとハローキティが確認できましたし、

数選手の人形もありました。ネイマールとユース出身のラビオがメインで、なぜかムバッペの人形はありませんでしたが、ネイマールの微妙さに惹かれて1体購入。転がして遊ぼうと思います。


■多様な「ロゴのシンプル化」手法

PSGはモノトーンのロゴを多くのグッズで展開しています。

バッグは他のクラブにはあまりない充実ぶりでした。ボストンバッグ、リュックサック、PCケース等がありましたが、誰にでも使いやすいグッズになっていると思います。

大きなロゴTシャツにしても、疾走感のあるスピード線(?)を入れるなどロゴを崩すバリエーションを多く持っています。

また、もっとシンプルにしたロゴも存在しました。ネクタイは赤と青の2種類ありましたが、赤が通常のロゴを入れているのに比べ、青いほうは白地に反転させたエッフェル塔のみ。

パリの象徴を使用する気概(もともとロゴにあるものの権利的にOKなのかは未確認)に加えて、ここまで大胆に要素を切り落とせるのはとても面白いです。クラブ名やカラーをそのまま使わずとも町やクラブに誇りを持ってもらえるメソッドが存在する、という点を考えていける題材ですね。


■一般のファンに「スポーツ性」は推していない

ショップ内のマネキンはかなりアスリートな身体つきでスポーツウェアを身に着けており、一般のファンに着てほしいというメッセージはなさそうです。

ナイキ公式のグッズ類を除き、PSGのグッズからはスポーツの持つ健康なイメージをあまり感じませんでした。このように「PARIS」しか書いていないシャツなどオシャレさにとても気を使っていて、お土産コーナーに置かれるような万人向けを志向しているように思われます。


■観光客を向いたグッズ


PSGはパリと聞いたときに我々が持つオシャレ感をうまく引き継ぎ、パリのおみやげ、ひいては日常にも使用できるグッズを開発しているように思いました。

これはパリのファンたちの審美眼に堪えるデザインが求められることも理由にあるとは思いますが、彼らのメイン顧客がコアなファンというよりは、PSGにポジティブな認知を持つパリ観光客だからなのではないでしょうか。パリには年間3000万人を超える観光客が訪れており、PSGはこのホームスタジアム隣接だけでなく、シャンゼリゼ大通りやデパート、空港など観光客が多く訪れる6箇所にオフィシャルショップを構えています。

↑Here is Paris(ここがパリだ)というシャツ

このショップを訪れていた数十分にも僕のような観光客はいても、コアファンと思しき来店は見かけませんでした。

大量の観光客がショップを通りがかって一定のライトなサッカーファンが購入することを意識するならば、クラブ自体の素晴らしさというよりは、パリの街の持つ素晴らしさを先に推すほうがよいという判断。その後にPSGだからこその良さ(たとえば世界的なスター選手を抱えていること、青と赤が映えること、強いこと等)をデザインに反映していくという順なのかなと思われます。

PSGのように「コアファンよりもライトファン」志向が強く出ているグッズショップは新鮮な面白さがあります。パリ観光の際は一度訪れてみることをオススメします。

また、グッズショップでの選手の並びは、選手のクラブでの人気のバロメーターでもあります。このときのネイマールとムバッペを比べると、ネイマールグッズのほうが前面に出され、また品数も多い状況でした。W杯が終わったいま、シーズン前にこの配置やラインナップがどう変わるかに注目するのも1つの楽しみ方ですね。


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