CHAiroiRLIN 「BALLO〜ロミオとジュリエット〜」
LINE CUBE SHIBUYA(旧・渋谷公会堂)
2023年8月30日
散らかす散らかす散らかり放題
上からも下からも投げ上げる降り落ちる
この天衣無縫に見えるキラキラした作品も切ったり貼ったりパッチワークしたりしてるのだろうなあ。でも取り散らかし魔(小道具/物質のみならず、言葉/文字、色等々)スズキ拓朗の作演出はそんな苦労を微塵も見せず針の穴を通るような獣道をダンサーと共に観客を道連れる。
ベンヴォーリオ役のジントクさん。
ベンヴォーリオの現場リポートをベンボーリポートと称してコンドルズの黒須育美さんと、香取直澄さんがバックダンサーよろしく繰り返しの連続スクワットトラップミュージックを歌いながら踊る。(繰り返すのはトラップミュージックだからなのね、言葉がけ遊びが湯水!)
この同じ動作で肉体を酷使し笑いを誘うベンボーリポート、コント55号のジローさんを思い出した。ヘロヘロになりつつあるベンヴォーリオを観て隣席男性が笑いだすのを耳で聞き、コント55号は鉄板なんだなあ、と感慨深い。
シェイクスピアの時代と今の時代では価値観が違うので箱入り娘ジュリエット役のダンサーのフラストレーションは如何なものだろう、、、と観てたらソロパートでキレッキレの強いダンスを踊ってて、そうよね。素の貴女はそうよね。と思いながら観ていました。
マキューシオ役のよし乃さん。
小賢しくって生意気で、まあキュート。赤白市松や縦じま模様のどっちつかずを象徴した道化衣裳。「貴方は赤組の味方なの?!白組の味方なの?!」と問われても「ボクはどちらの味方でもないよ」と、すり抜ける。
早熟な少年/少女が大人をやり込めるような役で踊りも独特の世界があった。
CHAiroiRLINファンクラブ会員の知人家族は前から3列目
ニワコヤ店主夫妻は中央よりやや前列寄り
私は一階席とはいえ後ろから5列目
それぞれの位置から見えるビジュアルを脳内集結して観たいやんけー!な席の散り具合
1幕目終盤の照明が凄かった
ロミオとジュリエットが別々の二つの櫓で演じる時に2人に当てられた照明が壁に零れ弾
会場両側面真ん中から上部に緑が当たり、壁の凹部が影になって緑と黒のストライプと櫓と人のシルエット
会場両側面下部に黄色の丸い集合体がマリメッコの小花模様にみえた。
あと、花道そでにスズキさんが佇んでいるから注意して回りを観たら2階右テラス席にジュリエットが居るがな。有名なシーンやがな。これ、1階席テラス席下のお客さんにはジュリエット見えないよな。なにげにスズキはん、自分が観たいシーンはお客さん放置もやむなしな剛胆さ。
あと何故、わざわざ休憩を入れて2幕にしたのだろう?って思ったけど、正調ロミジュリは5幕モノ?1、2幕の間だけでも休憩は入れたかったのかも?細かい!ニクい!
パンフレットを買うとブロマイドを1枚選ぶことが出来て、もう1枚のブロマイドは盲牌で選ばせてもらえて2枚のブロマイドがオマケとなる。私はスズキ拓朗さんとちょっと迷ってよし乃さんを選び、盲牌ではジントクさんが当たり気持ちが爆上がりになった。
パンフレットは2000円でやっす!と思って帰り道開いたら、このカンパニーに対しての考察テキストがなく超ガッカリでした。あと1000円高くてもいいから選ばれた執筆者のテキストが読みたかったなあ。
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