オプション売りは怖い!?

ツイッターのフォローワーさんから、オプション売りについて質問をいただきました。聞く相手を間違っていると思うのですが、自分のお勉強のために考察してみようと思います。
※質問は「仮に」こういう場合、どうするのが良いと思いますか?という形式で、実際にポジションを組んでいて困ったということではないです。
※人様に教えるなどというレベルのトレーダーではありません。あくまで、私ならこうするかなという話です、明らかにおかしい、それは危なすぎる、というご指摘があれば有り難いです。

1限P250を50円でショートしていたところ、日銀政策決定会合で急落して235円くらいに急騰してしまった場合、どの様に対応するのが良いか?

質問をして下さった方は、①ロスカットする、②先物売りでヘッジする、③P245を買う、という対処方法を挙げておられました。
良い悪いは別にすると、その他で取り得る選択肢は、④放置する、⑤ナンピンする、があるでしょうか・・・
難しいですね。どう対処するか考える前に前提を整理してみます。
P250ショートの意味合い、目的は年越しして2週間後の1SQまでに25000を割ることはないだろうという十分安全マージンを見込んだ位置ということかなと想像できます。確かにチャート上、1SQ内で25000割れはないだろうとは思います。但し、それはあくまでも通常の出来事の範囲内での話で、災害発生などのリスクを考えると当てはまりません。これはオプション売りだけではなく先物買いも同様です。
それを言い出したらキリがない。そもそも買いを持ち越すこと全てに同じことが言えるわけです。では、それでも買い側を持ち越すポジションを取る場合の判断基準は何なのでしょうか。
それはリスクとリターンではないかと考えます。ちなみに今回の日銀政策決定会合での出来事は確かサプライズではありましたが、自然災害のような予期不能なものではなく、あくまでも通常の相場の出来事の範疇です。
さて、遠く4週間離れた1SQの株価位置に対して5万円というリターンのために晒されるリスクを考えるとP250をショートするというトレードはそもそも適当と言えるでしょうか?
私はリスクに対してリターンが見合わないなと思いました(個人差があると思います)。私自身、FAR PUTは売るものではなく、買う以外に使うものではないという感覚を持っています。

この前提をとりあえず申し上げた上で、実際に日銀前にP250を50円でショートしていたら逆サプライズで235円まで吹き上がってしまった場合、私ならどうするかと言われれば、ほぼ100%放置すると思います。最初にこのポジションを取る意味合いで述べた通り、1SQでは十分マージンを見込んだ上で25000割れはないとの判断で入ったのであれば、逆サプライズで大暴落した時点ですら26000を割れない位置でしかありません。マージンをたくさん取っておいて良かったなと思うでしょう。咄嗟にどうしてもヘッジをと考えるなら、デルタの半分の先物を売ります。ただ、よくよく考えておいた方が良いのは、オプションショートという利益限定のポジションと逆方向の無限リスクを負う先物ヘッジというのはそもそも割に合いませんので、ヘッジを外す基準をしっかりと持っておく必要があるかと思います。それと何かあった時にヘッジをしようと考えるポジションで、最大利益が5万円ということもやはりポジションを取る前によく考えておくべきかも知れません。

質問とは直接関係ないですが、比較的安全に手堅く利益を上げようと思った場合、やはりCALショート、もしくはPUTブルスプレッド(例えばP255ショート+P252ロング(またはP250ロング)、になるかと思います。
もう少しリスクを取るのであれば、先にPUTロングを入れて時間差をもって、後からPUTショートを入れてスプレッドを組む方法です。この場合、先に入れたPUTロングはそもそもリスクは限定されているので、想定と異なり剥げてしまった(相場が上昇した)場合は、PUTをそのまま微損で決済しても良いですし、当初入ろうと思っていたPUTショートが確定損になる前にショートを入る(もくろんでいた利益が少なくなるだけ)など、バリエーションはいろいろとあると思います。

最後に、ちょうど私自身がこの日銀前に裸でPUTショートを持っていたので、どう処理したかを記しておきます。
前回のnoteで書いた通り、12SQの後もまだ揉み合いが続くだろうとみていたのでPUT277をショートしていました。日銀の前に既に27000に近い水準まで下げており、所謂、インしてしまっている状態でしたが、27000を底に一度戻りが入るだろうと思っていたので、戻りが入ってから処理しようと考えていましたが、、、
PUTショートは無限に損失が膨らむよ、というイメージがあるかも知れませんが、現実には無限に損失が膨らむのはCALショートで、PUTショートは日経平均が0円になるのが最大損失ですから、実は無限ではありません(とはいえ、SQで日経平均が0円だったら2775万損ですが、1SQで3万円を超えるよりもあり得ないでしょう)。DEEP INしてしまっているPUTショートは単純に先物を1枚買っているのと本質的には同じです(SQまで277を超えることがなければ)。
確かに想定外の下げではありましたが、先週時点で27000を割り込んだ場合、26100付近は覚悟する必要があると想定していたため、一気に26000飛び台まで突っ込んだのを見て、戻りを待って先物を10枚ショート

同時にCAL277を2枚ショート(1枚はおまけです)

DEEP INしているオプションは流動性がないため、理論上の価格で決済することは出来ませんので、上の様な方法を使って損失を固定します(パリティ)。

この損失は27750(行使価格)-26590(先物を売った価格)ですので116万円、CAL277が11.5万、PUT277の売値が38万ですので、66.5万円の確定損です。私にとっては小さくはない額ですが、とは言え、そもそもその前から27000付近へ急落してP277は700円~800円(30万から40万程度の含み損)を付けていましたので、日銀の急落で被ったこのポジションの被害は25万程度でしかありません。1200円ほど急落していたわけですから、ラージ1枚買っていることと比較すれば、軽微と言えるのではないかと思います。
そして、更に加えると、オプションが面白いのはここからです。
現在26000を一時的に割り込んで、強いベアトレンドとなっていますが、もっと時間の調整、価格の流れをみつつ、CAL267、C265などを安く買った場合、1SQに向けてリバウンドが入れば、先物ショート分とCAL買いは購入したCALLの行使価格以上で相殺されるため、損失は最終的にもっと小さくなる可能性は残っています(SQまで全く26590を超えないのであれば、更に損失がCALロング分上乗せされますが)。

私からすれば、オプション取引は一切しません、先物の売り買いのみですという方が、よっぽどリスクフリーで恐ろしいと感じてしまいますが。。。
全く説明も下手で、いつも通り、まとまりの無い文章で申し訳ないですが、頂いた質問に絡めて、オプション売りに対しての考え、実践などを記してみました。参考に・・・ならないかな(笑


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