bts

2019年3月19日に発表された実績データによると、2018会計年度にビッグヒットは、売上高2,142億、営業利益641億、当期純利益502億を記録し、創業以来最高の業績だと述べた。これは前年同期比売上高132%、営業利益97%、当期純利益105%増の数値である。

韓国初の大衆音楽チャートによるBTSのアルバム予約数の変化を図にした。

2013/6/12に発売された「2COOL4SCHOOL」の一ヶ月間の売り上げが4,986枚だったのに対し、約6年後の2019/04/12に発売された
「MAP OF THE SOUL;PERSONA」は約648倍もの売り上げを記録している。表を見ると、花樣年華:YoungForeverからWingsにかけて2倍以上売り上げが伸びていることがわかる。これは、彼らがデビュー当初からコンセプトを大きく変更したことが大きな要因であると考えられる。韓国のアーティストは新曲ごとにコンセプトが緻密に計算されていることが多い。Dark&Wildまでは男らしいオラオラしたコンセプトだったのに対し、花樣年華からはガラリと雰囲気を変え、思春期特有の不安定さや儚さを前面に押し出したビジュアルとなっている。(画像参照)

また、各アーティストの2019年K-POPアルバム売り上げを比較すると、国内ではBTSが規格外の強さを誇っている事がわかる。韓国のアイドルでは男性グループが音盤、女性グループは音源と性別によって売り上げる媒体が異なるがBTSは音盤も音源も強い、いわゆる"レベルの違う"アーティストである。


BTSがヒットした理由

①個性溢れるキャラクター

BTSは一人一人のキャラクターが本当に個性的で、それは彼らの紡ぐ歌声やラップにも現れている。仲の良さはファン以外にも有名で彼らは自分らの絆を歌詞にすることもある。
また彼らは、舞台に立ち脚光を浴びる自身だけでなく、一人の若者としての自身を見せることを重視している。TwitterやBigHit独自のSNS媒体であるWeverseを使用したセルカ(自撮り)等で休日の様子や日常を切り取った写真を載せたり、バックステージで意見を出し合い、喧嘩しぶつかり合う様子を一つのドキュメンタリーとしてまとめて配信したりしている。彼らは世界的スーパースターという一面もありながら二十代としての人間味にも溢れている。その姿に世界中の多くの若者が親近感を覚え共感し、自分を重ねていくのだ。

②高いパフォーマンス力

BTSを語る上で欠かせないものがパフォーマンス力である。キャッチーな音楽に合わせて七人全員の息の揃った一糸乱れぬダンスは圧巻である。彼らそれを曲毎にYoutubeにアップロードし、その再生回数は大変なものである。

③計算され尽くしたMV

前述した通り、彼らは2015年あたりに大きくコンセプトを変更した。以前は7人でのパフォーマンスがメインであったが、思春期の不安定さを表現したアルバム「花樣年華」からメンバー全員にドラマ設定のあるショートMVになった。これらのMVは発表される度に大きな反響を呼び謎解きのように考察されファンの間で大きな盛り上がりを見せている。

④強いメッセージ性のある音楽

彼らの楽曲のほとんどがセルフプロデュースである。彼らが所属する事務所BigHitは社長のパン・シヒョクを筆頭にメインプロデューサーのPdoggやスローラビットのサポートを受けつつ、作詞から作曲、編曲まで全てにメンバーが携わる。事務所には一人一人に制作部屋が用意されているので自分好みの快適な環境下で楽曲制作をすることが出来ているのだ。またそれを彼らは生配信を通して制作過程をファンに見せることもある。


これまで4つの理由を挙げてきたが、これら全てにおいて共通しているのが"SNSを使用している"ということである。
彼らは、ツイッターやFacebook、YouTube、V LIVE(韓国のライブ配信アプリ)など、様々な媒体を活用して、世界中のファンとコミュニケーションを取ってきた。昨年はツイッターで最もリツイートされたセレブリティとして1位に輝き、今年も2年連続で受賞。そのリツイート数はギネス記録をも更新した。2400万人ものフォロワーを抱えるツイッターはほぼ毎日メンバーによって投稿されている。さらにYouTubeでは「BigHit」としてのチャンネルだけでなく「BANGTAN TV」というチャンネルもあり、ここではリハーサル風景や撮影裏などのオフショットが数日毎に投稿されている。またV LIVEでは2位のEXOに約1100万人もの差をつけ登録者一位として多くの生配信を行っている。