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「天翔ける風に」芸術劇場プレイハウス

2023年9月29日〜10月9日。

以下場面思い出しストーリー。
(エピ前後してるとこもありそうだけど)

幕開き。
体を強張らせ荷物を抱え橋を渡って質屋の扉を叩く英。
いい味に憎たらしい金貸しババの剣さん。
こんな人からお金を借りること恥じてる感ある英。
質草には短刀や細々としたもの色々。
5000円の質草、前回の滞納1200円ほどと、今回の利子800円ほどで
結局3000円にしかならない。
3万円欲しかったのに。
短刀は流しませんから。父の形見なので。
銀の懐中持ってまたすぐ来ます。
本当にお金なさそう。
「…ところで妹さんは今の時間いないのですか?」
「なんでそんなこと聞くんだ?」
なぜだろう。

才谷はほっかむりをして橋の上で草履を売る。
いい草履はあるかと刑事の都司之介が近付く。
才谷は情報屋である。金と引き換えに情報を得る。

才谷とすれ違う溜水。
「坂本龍馬さん?」「違います」

英は才谷とばったり会い、お金ないのに飲みに行く。
升酒くいっ。店主は徳利置いてく。二人結構飲みそう^^
店内には話している志士たち。
彼らはババを殺すことの正義を語る。でも語るだけ。できもしない。
それを聞き何か思う英。

橋で薪を割る町人。うっかり斧を置き忘れる。
それを見つけ拾う英。これは機が熟したと天啓と取る!!!

質屋に行く。約束もなくいきなりの訪問に嫌な顔をするババ。
急ぎなのです。これが先だって言った懐中です。
箱は厳重に紐でくくってある。どうしてこんなに厳重に…。
中を確認しようとモタモタするババ。風呂敷から斧を取り出す英。
ババに斧を振り下ろす。
赤ライトに染まるババ。金庫に倒れこむ。
金庫からババを押しのけ中から何か奪う。質草で預けていたものと金銭?
そこにババの妹が帰ってくる。見てしまう。ババ妹まで殺めてしまう英。

外に人がやってくる気配。戸が開かないよう中から抑える。
この時間にババと約束した二人が開かない戸におかしいなと
大家を呼びに行くのが聞こえる。
その隙を縫って家を抜けだす。
誰にも見られないよう、左官屋が通り過ぎるのを待つ。
橋の向こうの人々もやり過ごす。
誰にも見られない完全犯罪。
しかし抱えた荷物の中からかんざしを落としたことに気づかなかった。
かんざしは左官屋が拾い懐に入れるのであった。

英は良心の呵責に苛まれる。
そもそも女だてらに家を継いで江戸で江戸開成所に通う塾生。
理想を抱いている人だから、飲みの上の志士の戯言を聞くような人物ではなかった。でも正しいことをしたのだ、そう自分に言い聞かせる。
-耳が聞こえない。頭が痛い。

翌朝か。郵便が届く。出頭しろと。
ビクビクしつつ遅刻し行くと都がイラつきつつ待ち構えている。
書面にサインが必要なだけだという。
しかし明らかに動揺を隠せていない英。
その後もずっと英は都に疑われていると思い気鬱。
英は家に帰ると熱を出し、3日ほど寝込んだ。
気づくと才谷が看病してくれている。
寝込んでる間、茶を飲ませてくれたらしい。

そこにまた郵便が届く。母から送金ありと。
金で人を殺めた英は、金に関わりたくないのか受け取り拒否しようとする。
が、才谷が受け取れという。一緒に飲もうと。俺にくれと。笑
結構重みのありそうな巾着だ。
その受け取ったお金を取り合う遊びをする英と才谷の仲よさ。
そこに英の母と妹が来る。知らせもなく突然の訪問はビックリさせたくて。と。

そもそもこんなお金あるはずないのにどうしたのかと問えば、
妹の嫁入りが決まった結納金からちょっと送ったという。
誰と?あの溜水と?!
前の奥さんも二人気を病んで死んだのに、そこに?
それを許した母親のことを英はあまり好きじゃなさそう。
この人は家の名前を売って生きてきた。三度も。
だから私はもう三条英じゃなくただの英。
この人はンフフフンフフ(苗字も名前もない)。
才谷への紹介時にそんなさわりがあったけど、
妹もまた家族のために自分の気持ちも売ってしまったのだ。
断固反対するけれど、家族のためになるなら愛せると妹。
そういう愛もあると。
(この場面、母と才谷は楽しげに酒盛りしてる。他人事なのだ)

その婚約者の溜水は世が面白くないから何か起こそうとしている。
政府転覆目論む。…というか引っ掻き回そうとしている。
金で人を使ってええじゃないかの騒動起こしたりする。
若い志士たちもそれに乗っかる。
なんでそうなったか忘れたけど一悶着あって
最後に残った男の顔を見る英。
それは昔死んだと聞かされていた父親だった。

再会を喜ぶ家族。今仕事はお上の直の仕事をしていると家族に嘯く父親。
江戸に登って帰らなかった夫に、さすが信じてたわと喜ぶ母。
妹の結婚が決まったのよと紹介するそれはテロの先導者で雇い主の溜水。
息を飲む父親。
小声で「婚約者の父親だと知ったからには危ない仕事はさせられない」と取引を切ろうとする溜水。
「父はお上の仕事が決まったのよ!あなたの世話にはならない」と婚約を破談にしようとする母妹。ただ金銭援助が目当ての結婚だったから。
口酷く溜水に言うが、溜水の仕事がなくなれば金はないので、どちらの側にも立てず、父はうやむやな態度。何もうまく回らない。

英と才谷の魚釣りデートかわいい。
束の間の癒し。
「橋から見える風景、前は緑が目にしみた。今何も感じない。」
人を殺めたことが世界の色を失わせている。
「以前は風には抱かれているようだった。」
英を抱ける風を羨ましがる才谷。
笑える空気にしてくれる才谷にまた癒される。

ええじゃないかに紛れて要人を襲う計画をする溜水と志士たち。
印象挽回すべく我もと父も参加する。
ではお前は先頭で旗をあげろと担ぎ上げられる父。
志士の一人として、この計画を知る才谷。

国を変えるために上と話をするためにとにかく金を貯める才谷。
「坂本龍馬さん?」「違います」
溜水は金を出すから仲間になれという。
金色のトランクを開けると黄金の輝き…
受け取り、橋の床下に隠す。

都とばったり会う英。
犯人捕まったんですよ。左官屋が質草の一つのかんざしを隠し持っていたから。左官屋は拾ったと言っていますが。
ところであなたが質屋に行った時、彼とすれ違いませんでした?
沈黙し考える英。
「いいえ」。
私が質屋に行った日は犯行のあった日ではないので。
この話題は都の引っ掛けだった。
英の罪をずっと疑っている都。
質草を取りに来ない人はあなただけだ。
もう次に詰められる時には言ってしまおうか、
罪を認めようか…。
詰められる中、左官屋が自白したと一報が入る。
形成の逆転に高笑いをする英。
罪を隠蔽できることへの喜び。悪い笑顔。

+++

都からあのババ殺しは犯人まだ捕まっていないと聞いた才谷。
客リストに三条英の名前もあったのだと意味深に言われた。
英に会って才谷は一冊の本を英に見せる。
この本はババの妹さんに借りた本なのだと才谷。
信頼する才谷が心を通わせていた人間を殺めたことが辛い英。
誰が犯人なのか、言うかどうするか葛藤する。
悩む英の姿に困惑する才谷。何か知っているのか…?

草履売りが情報を流した都は警官を率いて計画を潰そうとしている。
情報料を稼ぐため両者の話を聞き場を潰すこと数度。
その門は張られていると情報を聞いて計画中止をする志士たち。
坂本龍馬なんじゃないか?もしかしてお前が?仲間内に疑いが走る。
都は才谷の「あの門に賊が集まる」の言葉を信じたが空振り続きだった。
何かおかしい。都と溜水が顔を合わせる。もしかして両者から金を稼いでいるのではと思い至る。才谷は両者から睨まれることになる。
「今日は〇〇門ではなく××門です!」という才谷の言葉の裏をかいて
〇〇門に警官を集める都。とうとう両者が対立し、暴動はおこる。
先頭に立つ父は踏みつけられ倒れる。

父が死んだということで、被害者であることを看板にしてやろうという空気が志士内で起こる。英を持ち上げたりするか?断る英。
そして死んだと思われていた父は死んでいなかった。
溜水に匿われていた。
死んだことにしてる方が上手いこと回るぞという溜水に
それは嫌だと拒否をして志士らの前に現れる父。
志士らは士気に関わるからと父を殺そうとする。命乞いをする父。
生きたいならば坂本龍馬を殺せ。
父は短刀を持って駆け去る。

坂本龍馬が狙われていることを知る溜水に声をかけられ
ここが一番安全だからと質屋に匿われる才谷。
戸に鍵をかける溜水。その鍵を都に渡す。
ババ殺しを確信している都は英を呼び出し、
その罪の隠蔽を取引材料に殺しを持ちかける。
ことを起こせる人と起こせない人がいる。あなたは起こせる人だ。
「あなたの仲良しの人にはもう一つ名前があります。」
「…?…! 阪本龍馬か…!」
自白した左官屋について
人の罪も自分のこととして信じるような人間がいるのだと話す都。
始末してくれたら私の頭の中でも
あのババ殺しの犯人は左官屋だと信じ込みますの言葉に、
意を決し鍵を受け取る英。

鍵を開ける。才谷に襲いかかる英。
私があのババを殺したのだ、妹も殺したのだ。
その告白にショックを受ける才谷。泣き崩れる英。
今すぐここを出て自首しろ。
「牢が開く時を待て。俺がその牢を開けてやる。新しい時代と共に」
捕らえられても時代が変われば恩赦がある。
「お前が牢の中で俺を待つんじゃない。俺が牢の外でお前を待つんだ」
救われる英。自首を決める。
「ありがとう。私ちょっと行ってくるわ」
「俺もちょっと行ってくる」
「龍馬、生きてろよ。私のかなたで。」
「かなた?」
「彼の方と書いてかなたと読むの。だから、お前のいるところは、これからはいつも、私の遥か彼方よ」
英は笑顔で外に出て、地面に口づけする。
英は自分のした罪から逃れようとし見失っていた自分を取り戻した。

部屋に溜水と二人きりの妹。
才谷がスポンサー溜水の持っている部屋に転がり込んでいたのだが
そうと知らず才谷の部屋だと思っていたので才谷の不在に困惑する妹。
婚約を本当に破談にするのか。渡してある結納金はどうするのか。
詰める溜水。
拳銃を構え「私を返して」と訴える妹。
家族の元に?それとも妹自身の元に?
溜水はならば殺せというも未遂。
拳銃を奪い、感情なく冷たくここから消えろと妹を追い出す。
妹もまた、姉と同じく自分を取り戻した。

そして溜水は一人外に出て、拳銃で自殺する。
もう面白いことはない、と。
溜水は本当に妹のことが好きだった。

その拳銃音が合図になり、ええじゃないかが始まる。
俺が上と話をするからと必死に止める才谷。
どうやってだ?金の力ぜよ!
橋に隠した金を取り出し、上からばらまく。キラキラ綺麗。
志士らがそれらに気を奪われている間に才谷は談判に行き、
江戸城は無血開城がなされた。
志士たちは旗を振り風が起こる。

新しい国のために動き続ける才谷。
京都は近江屋で志士ナカオカと鍋をつつく。
奇襲を受ける。
刺客は、英の父。

牢の中、手紙をかく英。穏やかな笑顔。
”時代が変わるということでもうすぐ私も釈放されることになりました。
もうすぐ会えます。私の彼方。三条英。”


すごい面白かった。これは書き遺さねばと思った。
ので流れを必死に思い出しました笑
一回にか見てないのに割と思い出せたので、
やはり印象的な舞台だったんだと思う。
もし映像が残されていてまた見ることができたならもっと流れがすっきりわかりそう。すんごく見たい…!

英の感情の変化が見て取れて、本当素晴らしかった。
切羽詰まった顔、決意の顔、苦悶の顔、悪い顔、辛い顔、笑顔、
穏やかな笑顔。
やはり珠城りょうさんの演技は良い。
殺陣も迫力ある。
才谷含め志士たちの運動能力高くてすごい飛ぶ。
あと溜水のキャラ作りがすごく好き。重さのある動き好き。
ってかキャスト全員好き…!
三味線も太鼓もただのBGMでなく、空気感づくりの大きな後押しになってる。
この同じキャストで再演して欲しい。

気になった点として、幕開きに父が歌う声が大きく、同時に歌うたまきさんの声が私には聞きとれない感じだった。
たまきさんの声は女性しかいない芝居だと特徴ある声でしっかりと聞こえるのだけど、大きく低い声の男性と交わるとやや消えちゃう声質だなあ…。
(席位置の問題かもしれない。父が目の前だったから)
ストプレでは気づかなかったことだな。
しかしソロ歌はすごく良かった。すんごく良かった。
やはり情感。芝居歌。もっと見たい。

橋のセット半分に分かれ動く。動的でいい。
セットは橋と変形壁のみだけど、上手に使われてた。
セットこんな感じだった。↓
三味線ほんと好きだった…。😁
https://x.com/kamesyamereon/status/1716047762352201784?

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