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胃もたれと社会学部

 この夏、久しぶりに帰省した大学生の娘が、毎食、胃にもたれるものばかり食べたがるので、「ホットドッグを1個食べると、寿命が36分縮むって週刊誌に書いてあったよ」と遠回しにあっさりしたものが食べたいことを伝えた。
 ところが娘は「えっ、それってどうやって実証したの。ほんとかな。生涯でいくつ食べて、寿命が何歳でって、どうやって確認して比較するの。嘘っぽいね。」と真顔で返された。

 母は、もたれる胃を押さえながら思い出した。受験の前に社会学部で何を勉強するのか調べたら「批判的能力を養う」と書いてあったっけ。浪人までして入学させるんじゃなかった。

 娘が小学生だったころ、当時、流行っていた「こびとづかん」のこびとを探しに、真冬に半日裏山で、居もせぬ「こびと」を一緒に探し回ったではないか。
 あぁ、あの頃に戻りたい。戻したい!

今後の娘との会話のあり方を思案しながら、胃薬を飲む盛夏となった。

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