海のくらがり

癒やされなくても海を見つめる どうせ宝箱は沈んでいない

骨も薔薇もくずれる 真っ直ぐに育ったものだけが行く地獄にてて

くくりつける僕の運命の輪はいきものの脚に似ている ぷつり

毒を分け合うように囁くきみ「夜でもないのに海が黒いね」

鈍いハサミで切りとってあげる君のわたしに似てるとこぶちぶち

花を捨てた朝に泣くべきだった君がいてもいなくても平熱

海から来たと詐称するから歯形は耳のうらに捺してください

たくさんの白い花を見つめながら猥談をする 電車で帰る

丸い血を潰すまでのためらい 後は王子様来ないでと祈る

くっついて月蝕をしよう弦楽器は喘鳴を教えてくれる

宜しければ投げ銭頂けるとありがたいです。割と生活費に直結すると思います。