彩色された夏

日傘の影は女をまるく潰す 世界をもうひとつ知っている

指の影は太く、何も及ぼさない(夏だったら日陰になれた?)

卵を孵す為か中を固める為か夏は我々をあやす

瞼をもつものとして振りかざす錯覚「花は私を見ている」

あの子を人魚にする為に持ち寄るきらきらしたあしを削ぐもの

ほら、砂糖じゃなくてコーラの香りだ きみの骨なら溶けてもいい

「一瞬だけいい?」「一瞬じゃなかったらいい」きみは涼しいまま去る

わたくしのなかに炭酸水はあり開栓前によく振らないで

失楽園という場所があると思っていた居場所があっても罪

ドーナッツひまわりみたいで可愛いねはやくこわさなきゃまだ夏だ

宜しければ投げ銭頂けるとありがたいです。割と生活費に直結すると思います。