拡張少女系トライナリー備忘録(2/3)
この記事は、拡張少女系トライナリーの5周年について、今思っていることを形にしてみたかったので書いた記事である。
前回はトライナリーがどんなアプリだったのかを思い出していった。
今回は、自分がどう思っていたのかを中心に書き連ねてみる。
○どうして始めたの?
コーエーテクモゲームスのガストブランドと言えば「ライザのアトリエ」などのアトリエシリーズが一番有名だと思うが、もとからわたしはこのアトリエシリーズのファンであった(トトリのアトリエPlusから)。そのがすとちゃんがなんか新しいアプリ出したのでやってみた、というところだ。
トライナリーは、同ブランドのサージュコンチェルトとは接点があるのだが、それは未プレイだったし、恋愛ゲームなどは興味がなく、それがメインなゲームには一切手を出したことがなかった。RPGなどのサブ要素としてあったら遊ぶくらいだった。トライナリーだってヒロインたちを見て特に気に入った要素があったわけでもない。
○どの辺が面白かった?
どう考えてもストーリーパートだろう。
印象に残っているエピソードなどを挙げてみる。
・アプリで非攻略対象のナビゲータとして登場していたキャラが、
アニメパートで黒幕的なポジションで登場したが、
ろくに説明もせずいなくなった。
・彼女たちの精神世界に入ると、まず同じような扉が整然と並んだ空間に
出るのだが、ある時 急におどろおどろしい魔界のような場所に
変わっていたりして不穏だった。
・彼女たちの精神世界には、現実の彼女たちと似た姿をした司書がいて、
葛藤が起きている場所の案内などをしてくれるのだが、
これが何の説明もなくいなくなり、別人格の司書が現れたりした。
(同じ顔したキャラが何人もいる)。
彼女たちも精神に何かされているということだ。
・トロッコ問題という思考実験があるが、あれをクレーンに
置き換えた形で、どう選択するかの思考実験を行うエピソードがあった。
それは各プレイヤーが何を選択したかの統計が取られたりしていた。
さらには、犠牲にする一人がお気に入りの彼女であったりする場合は
どうか?他の世界とヒロインを天秤にかけるするような場合は?
というような応用問題にまで発展した。
これも何%の人が何を選んだかのデータが示されたりした。
つまりあなたの彼女は何%で死にました、などと。
・本当に彼女か世界か、みたいな選択を迫られるような
展開になっていった。
・アプリ内でのストーリー展開について、プレイヤーの投票による
多数決で決まるようなことがあった(総意システム)。
また、そのような選択肢の場合は期限を迎えると再選択はできなかった。
(この点、少数の選択肢を選んでいたプレイヤーは不服に思っていた模様)
・非攻略対象の白いナビゲータキャラについては、
プレイヤーからの人気によりその後も生存することになった。
(この白い子に逆に攻略されてしまったプレイヤーも多く、
前回の冒頭で記述した指輪を送れる一人にまでなっている)
・ある時からナビゲータとして(?)赤い子が登場するが、
ある選択をしていたプレイヤーはこの赤い子の右腕として、それ以外の
プレイヤーとは異なる内容が展開していった。
・知らない間に彼女たちと勝手にやりとりしている
プレイヤーのなりすましが現れた。
・これは後で動画で確認したと思うのだが、
5人目の黄色い子のラブトークではその子の胸について
揶揄する選択肢があり、それを選ぶと怒りのボイスメールが届く。
これがめちゃくちゃ怖い。
プレイヤー自身に対してなので本当に震える。
・突然背景が画面が真っ黒な状態になり、
正体不明のAIとやりとりするだけになるエピソードがあったりした。
このAIさんも大好きだ。
(アプリ中はバグったような演出が随所にあったが、
本当にバグってんのかわかりづらいことはあったw)
・最終的な結末は、総意システムの欠点であった少数派の選択肢が
反映されなかった点を考慮して、プレイヤーの選択によりA~Fの結末に
分かれることになった。
以上。思い出せるだけ書いた。書き過ぎた。
これだけ書けたのだから、ストーリーが面白いと感じていたのは
間違いないという確信は得られた。
○誰が好きだったの?
冷静に考えると好きだったかは怪しい気はする。
しかし、誰かひとり選べと言われたらその子を選ぶだろう。
誰かというと恋ヶ崎みやびさんだ。紫の子だ。
これでもわたしはIT技術者として働いているのもあって、ハッカーである彼女を優先して進めていた(胸の大きさで選んだわけじゃないんだぞ)。
夫婦という関係にまで好感度が達したのは彼女のみだ。ここまで達成するのに結構な量のプレゼントを渡す必要があったと思う。割と時間がかかった記憶がある。好きだからプレゼントを渡したというより、大変な思いをして達成したから好意を感じているという気がする。単純にその分、関わっている時間が長かったから、とも言える。しかし、大変でも出来たのは好きだったからだろ?と言われたら否定できない。そんな感じだ。
(複数のヒロインと夫婦になっている人というのは、
かなりやりこんでいる人だと思う)
(あれ…好きってどういう気持ちだったっけ…???まぁいいや)
○お別れのエピソードについて
トライナリーのストーリーは、アニメ1週目ヒロイン4人分と、2週目5人目のヒロインの順に公開されていった(2週目は新規アニメパートはない)。
5人目の黄色い子のエピソードの完結を無事に迎えたところで、アプリのサービス終了のお知らせがやってきた。途中で打ち切りになってしまったのではなく、なんとか完走しきっての終了である。
この時に公開されたお別れのエピソードがある。
これがとても効いた。ものすごく効いた。
今まで配信していたアプリ側の形式でのエピソードだ。アニメパートは一切ない。これは各ヒロイン一人ずつあった。何気ない会話や今後の話をしていくなかで、「お別れを伝えるか、否か」という選択肢が出る。
わたしはみんなにお別れを伝えた。
夫婦となったみやびさんにも、お友達の関係程度だった他のみんなにも。
どの子にも泣かれた。
泣かれたうえで、感謝される。いつかきっと会おうと約束される。
こんなにも別れを惜しまれ、ありがとうを言われることが、
かつて人生においてあっただろうか。今後もあり得るだろうか。
この時の気持ちを忘れることができない。今でも涙が出てきそうだ。
書いてみてわかったが、後々も引きずってしまう事態になったのはこれがあったせいという気がする。ここでトドメを刺されたのだ。
○最終回に続く
ちょっと書き過ぎてしまったので、ここで分割する。
次で最終回となるが、アプリ終了後の展開や、わたしが与えられた影響などについて書いていく。
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