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非日常


「健康で、元気でね」
という文章を最後に。

もう2度と会えない会いたくない、好きで嫌いだった人に。取り止めのない彼女の別れ話を横で聞き、どうしようもない相槌を打ち。

3年ぶりに会ったにも関わらず出会った時と変わらない温度で彼女はゆっくりと話を進める。ここで聞いている自分にはどうすることもできないその人の日常を想像するだけ。
僕はそこに介入出来ないキャラクターとして後日談を聞く。

僕に対しては辛口で、綺麗な丸い瞳は僕をみているようでずっと遠くを見ているようなそんな眼が好きだったことを思い出した。

人の日常はリアルで僕とは全く違う生活をして色んな考えを持って悩みがあって
そしてそれは僕には全くもって関係がない。

人生が何回もあって毎度この人と会ったら何回でも振り回されていたと思う。
少しの間だけ、この3時間だけこの人に再会できたことが心から嬉しかった。
きっとまた忘れてしまうから。
3時間で飲んだジントニックもシャルドネもマッカランも美味しかったという記憶があっても味は忘れてしまう。
それでも、思い出した時に悲しくならない記憶を作っていきたいね。

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