coverが覆うとか隠すではなく、扱うの意味があるのはなぜ?

英語の「cover」という単語が「覆う」「隠す」といった意味だけでなく、「扱う」という意味も持つのは、この言葉の使われ方が時間とともに拡張された結果です。元々「cover」は何かを物理的に覆ったり保護したりすることを意味していましたが、この概念が転じて情報や話題を「網羅する」や「扱う」という意味で使用されるようになりました。

語源と意味の発展

  1. 語源: 「cover」はラテン語の「cooperire」に由来し、「完全に覆う」という意味です。この語から派生して、中世英語で「coveren」という形になり、物理的なカバーまたは保護を意味するようになりました。

  2. 物理的な保護からの拡張: 「cover」が「覆う」「隠す」といった直接的な物理的行為を指すと同時に、その行為を比喩的に使うことで、「扱う」や「報道する」という意味でも使われるようになりました。例えば、ジャーナリズムの文脈で「a topic is covered by the media」という場合、「メディアがその話題を扱う」という意味になります。これは、メディアが情報を「覆う」ように全てを包括して伝えるという比喩的な用法です。

  3. 情報の「網羅」: 特にジャーナリズムや報道の分野では、「cover a story」という表現が一般的で、これは特定のニュースやイベントについて詳しく報じることを意味します。この用法は、情報を「覆い隠す」ことなく、「全てを覆う」ように詳細に扱うという意味で使用されています。

意味の多様性

「cover」という単語が多様な意味を持つようになったのは、その比喩的な使用が拡がったためです。物理的なものを覆うことから発展して、より抽象的な概念や情報を「覆う」ことで、その全体を扱うという意味にも拡がりました。言語の進化はしばしばこのように、具体的な意味から比喩的な、さらには抽象的な意味へと広がっていくものです。

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