被災地の衛生問題等について考える

 大規模災害の被災地にまず必要なもの、水、食料、衣類、寝具はもちろんだ。誰もが優先しようとするので比較的わかりやすい。現地のライフラインが止まっているケースを考えなくてはいけない。まさか、電気が止まって蛍光灯が点かなくなるだけで済むと思っている人はいないだろう。

 東日本大震災の時は、しばらく大きな災害もなかったせいか、このタイプが行政側の担当者にいた時はまいった。指導できる人もいなかったのだろうか。緊急時だからこそ働かねばならない人がいるのは重々承知している。だが、ここも被災地であった場合、事態は簡単ではない。ライフラインが止まるという緊急事態がどういうものかよく理解できていなかったのだ。水も出ない、トイレも使えない。冷蔵庫も使えない、道路の信号も消えている。流通が止まっている。スーパーにもコンビニにも食料も水もない。この状態で通常の業務ができる筈もない。

 問題になるのはまずトイレだ。食料は2、3日なら最低限で賄う事も可能だがトイレのような生理現象とは性質が違う。我慢ではどうにもならない。しかも日に日に環境が悪くなっていく。工事現場などで使うリース用のトイレが最も早く用意できそうだが、容量的な限界があるし、衛生面からもあまり使いたくない。上下水道の復旧が望ましい。携帯用のトイレも一度使ってしまえばそこまでだ。ここばかりは、正直、周辺からの援助ですぐにどうにかなるとは思えない。比較的被害の小さい近隣地域への一時的避難が望ましいが、行方のわからない家族や家財がそのままになっている家を置いての避難は簡単には納得できないだろう。だが、この先もある事も考えれば可能な人は近くのライフラインの無事な地域に避難してほしい。もし、移転が可能なら、それが一番早い解決策だ。

 前の震災の時も、政府や自治体が宿泊施設を借り上げて避難場所にするというのは適切な対策だったと考えている。宿泊施設は全てが揃っている上に、プライベートと安全を確保して、相当の人数を収容できる。衛生環境もQOLも被災地では確保が困難なものが一気に解決できるからだ。営業のできない間の補償が付くなら、宿泊施設にとっても悪い話ではない。

 学校の体育館は少しだが避難用の備品が確保されているので、すぐに避難場所に転用できるが、やはりプライベート面の問題はある。特に女性やハンディを抱えた人にはこの点は重要だ。寒い体育館の床に転がっているのは、もう少しなんとかできないものだろうか。せめてカーペットを敷いた床に‥あった。地方にもなぜか結構ある大型施設のパチンコ屋さんだ。あれ、緊急時には使えそうな気がする。まず、雨風が凌げて、面積がある。電気が通っていれば適温な空調も確保できる。簡易なイスもたくさんある。あの通路の狭さ、狭いイスの間隔が、プライベートの確保に転用しやすいのだ。どうせ被災地付近では営業も成り立たないだろうから、ある程度のお金で一時的に借上げるか、予め、緊急時の避難場所に転用を条件に何か優遇措置を考えておくというのもありか。

 現在、次々と支援物資が届く頃だと思うが、必要な支援物資の判断は簡単ではない。少ないとも、邪魔になる他の効果がない千羽鶴はやめてほしい。どこかのお金持ちが、千羽鶴を高額で買い取って、支援に回すという仕組みでもあればいいだろうか?千羽鶴美術館か千羽鶴博物館のような可能性は、まだ誰も思い付いてないようだ。(誘うな)

 例えば、他県からの支援物資(弾性ストッキング1,000セット、マスク6,800枚)を提供の報道は、衛生環境の保全の点から適切なものを支援している事がわかる。弾性ストッキングは歩行や脚部の保全を目的とした医療用具だ。マスクは医療用のものもあるが、そこまで高性能でなくても、避難先の感染症予防には役にたつ。案の定、こうした報道に真っ先に噛みついたのが反コロナ、反マスク勢だ。自分達だけで完結していればいいものを、災害避難者をダシに自分達の妄想の正当性を広げようとする行為には腹が立つ。自分たちだけでやってろ、緊急時に余計な邪魔するな!が全てだ。

 以前、マスクについて書いたメモのような文章がある。全く、誰にも読まれていないような文章だ。これが震災直後に拾われて、TwitterでRTされた。なぜ今?拡散先を確認するとNOTE、twitterとも自分の記事の一つすらない捨て垢か観察用のアカウントで、反ワクチン、反米親ロ、陰謀論で有名なきな臭いアカウンばかりをフォロー、RTしている。こっちの記事を拡散する意味に、あまりいい要素がある筈がない。インプレ稼ぎではないが、仲間内にRTしている。ありもしない人工地震の説明の強化のために使わるような事になるなら、記事や アカウントの消去も辞さない。下衆な事しかしない陰謀論者の協力者になるつもりはない。

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