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嘘と、孤独だらけの世界と、嘘のない、寄り添うひとの歌 ~弾き語り武道館 黒橋優と白橋優~
最初に発表を聞いた時、本当に嬉しかったです。
『高橋優 10th anniversary Special 2days 弾き語り武道館 ~黒橋優と白橋優~』
「ギター一本で武道館に立つの、ずっと夢だったんですよね」
優さんは少し照れ臭そうに言っていました。
だけど今は、その夢が、直前で壊れることが当たり前のように起こりうる世界。
あの2日間にたどり着くまで、一体どれだけ苦しかっただろう。
想像もつきません。
すべてを越えて、武道館に来てくれた優さんが届けてくれたもの。
一生忘れたくないので、ここに個人的すぎる覚書ですが残しておきます。
初日のテーマは、
所謂『ダークサイド』黒橋優。
『こどものうた』から始まり、『風前の灯』『スペアキー 』『CANDY』。
寂しさも怒りも悔しさも、痛いくらい突き刺さりました。
一方で、
『陽はまた昇る』
『雑踏の片隅で』
『ほんとのきもち』
えっ?これって黒?と個人的に思った曲です。
これらに対しては、希望の光という印象を持っていたので。
ただ、思い返せば、どの曲の中でも、絶望の中で戦い抜く優さんの姿が何度も浮かんできました。
顔で笑い 心で泣いて
目に見えぬ血を流しながら
戦っている 戦っている
言い知れぬとても大きな存在に
汚されても 奪われても
触れられる愛を求めて
これを地で行くひとなんですね。
黒橋優は、戦うひと。
絶望からも孤独からも、逃げずに向かい合って、その先に光を見出す人。
ああ。
それに比べて、私はなんて弱くて勝手なんだろう。
高橋優というひとに強烈に憧れて、同時に一瞬たりとも届かないんだろうな、ということに気づいて、どうしようもなく悲しくなったある日のことを思い出しました。
少しでも、ほんの少しでも、あのひとのように強くなりたい。
そう思い直した初日でした。
そして2日目、希望と光の『白橋優』。
これは初日のMCですが、
「誰もがそれぞれの人生の主役で、
脇役なんて、必要のない人なんて、
一人もいないとぼくは思っています」
こんな言葉をくれるひとだから、
『ありがとう』『現実という名の怪物と戦う者たち』『友へ』
上辺じゃない、偽りのない想いとして、心の奥の奥で受け取ることができるんですよね。
まるで背中をさするような、隣でただ笑ってくれているような声と言葉。
清濁併せ呑んで、全てをひっくるめて、人の存在を肯定してくれる。
白橋優は、寄り添うひと。
どんな時も、歌を聴く人の心に寄り添ってくれます。
そんな優さんが、
『ありがとう 今ここに居てくれて』
そう歌い切ったあと、堰を切ったように流れた大粒の涙。
「武道館で歌うことができて幸せです」
何度も繰り返していた想いそのものなのか、
空いている席に座るはずだった人達に、向かい合って想いを届けられなかった悔しさなのか、
ここに至るまで、武道館ライブに対する本当に様々な人達の想いを受け止めたからこその、孤独や葛藤を思い出したのか。
全て想像にすぎません。
それでも、歌に全てを懸ける、高橋優というひとの『ありがとう』を、
流れる涙に込められた想いを受け取らせてもらったことを、
一生忘れません。
時には誰かの傷を庇うように、時には己を引き裂くような痛みに耐えながら、歌うひと。
だから、絶対に幸せになって欲しい。
なにも持っていない、ただのオーディエンスですが、
死ぬまで歌うと言ったひとの歌を、これからも全身全霊で受け取ることで、少しでも恩返しをしていけたらいいな。
受け取った勇気を抱えて、これからも生きて行きたいな。
この上ない幸せをありがとうございます。
これからも、あなたの歌が強く強く鳴り響きますように。
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