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メルスト 常夏1st 感想

国別ストの感想第5回、常夏1stです!

意思を貫く

初めて読んだ時は正義の話をしている印象が強かったのですが、再読したら常夏1stは「自分の意思を持ち、それを貫くこと」がメインテーマなのかなと感じました。

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ここでの「本物」は「自分の意思」と読み替えていいのかな。「それが良いとされてることだから」という「まやかし」に縛られることはなく、本当に自分のしたいと思うことをしろよという感じでしょうか。

この船長の発言に始まり、登場人物それぞれが自分のしたいことを真っ直ぐ貫いている姿が印象的な物語でした。

まずセオドア。彼は最初は、そもそも貫きたい意思を持たない子でした。

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けれどヨー達と触れるうちに、父親の言うことをそのまま受け取るのではなく、自分の頭で考えることが増えていきます。ここの台詞が実感がこもっていて良かった。

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そして冒険を通じて彼が見つけた本物は「リベルディが捕まりたいと思えるような、自分の正義を貫ける立派な男になる」こと。そのために使えるモノは全て使う決意をしました。

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(ここは少し機械3rdのシャーリーを連想しますね。空想小説への逃避からの脱出という点でも似ています。ライターさんの癖なのかな?)

個人的に最後は海賊についていくのではなく、海軍を選ぶのが読者の期待を裏切る良い結末だな~と感じました。セオドア君は海賊の事情を知っても、それはやり方が違うと考える賢さがあるのですよね。それがよく分かったのがここの場面。

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船長の浪費が一時しのぎの救済でしかないと考える所が、やっぱり大局的な目線でものを見る統治機構側の人間だなあと。父親の敷いたレールを歩まなくても良いと知ってもなお、海軍を選ぶのも納得でした。

にしてもセオドアのプロポーズ100点満点だなあ!冒頭に船長を捕まえるのは船長が捕まりたいと思わない限り無理、ってのがあるからこそ、「じゃあ捕まりたいと思ってくれるような人になる」ってラストにグッときます。

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もうひとつズルいと思ったのは、セオドア君はずっと船長呼びだったのに

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ここではリベルディさんになる所!憧れるだけではなく本気で対等になりたいと思っている感がして大変良かったです。

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自由な海賊

そのリベルディさんが貫きたいものは自由。

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何にも縛られたくないから、自分のしたいことだけをする。そのためならどんな手段でも使うし、お尋ね者の海賊になることも厭わない…というものすごく強い人でした。

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どんなバックグラウンドがあってこんな強い人になれるんだ。ウィルベルといい海賊の女は強すぎる。

そんな風に一人でも自分の意思を貫ける強い人だけど、でも「死ぬまで」メティエさんが傍にいてくれるから孤独ではないんだろうなあ。

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ここの腐れ縁的な関係性も素敵でした。でもメティエさんが船長に抱く思いは「恩返し」ではなく「復讐」なのですよね。

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これあまりピンときていないんですが、要は自分の人生を狂わせた復讐ってことでしょうか?ゼアとノーフィール的な関係なのかなあと解釈しました。

正義の海軍

一方でエストレシアが通したいものが正義でした。昔リベルディに助けられてから、自分も弱きを助け悪をくじく正義の味方になりたいと思うようになったようです。

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けれど、リベルディが海賊になっているのを見て大ショック。そして法律を絶対の正義だと見なして、それに固執するようになってしまったのですね。

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船長がいっていたように、自分の意思ではなく「まやかし」に動かされるようになってしまった。

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セオドアにそれを指摘され、心が折れかけた…その時にニールが心から、エストレシアの正義への信頼の言葉をかける所が良かった!

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一人だけ可哀そうな人になることなく、上手くバランスが取れていたと思います。エストレシアさん一度折れたら立ち直りにくい性格みたいだし、ここでニールの言葉がなければ海軍辞めてたかもしれませんね。

最後に光の海を眺めるのは、美しい物を美しいと思える、心の余裕を取り戻したということでしょうね。

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また、課金が絡むのでスクショは伏せますが衣装ストでもエストレシアの成長が伺えました!

以前より柔軟に物事を考えられるようになったり、周囲の人々が支えてくれるからこそ自分の正義を貫けると自覚していました。

けれど正義を貫く悪は許さん!の考えは変わっていなくて、ライターさんのこの変化を描きつつもキャラの軸がブレないようにする手腕すごいな…と惚れ惚れしちゃいました。

雑多

◯今回の主人公ズ

主人公たちも船長と同じく、大義名分ではなく自分の心に従って動くことが出来る人という所が描かれていました。

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毎回そう特別な活躍はしないのに、主人公の株が上がり続けるのすごい。

◯赤い顔のセオドア

直接には言及されていませんが、これはリベルディさんに額キスされたと解釈していいやつなのでしょうか!!

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行間読ませますねえ…おねショタご馳走様です…

◯遺跡の謎

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いつ使われたか分からない金貨が隠されていた遺跡の詳細は、結局謎のままでした。やっぱりレヴィアヴィさんと同じく旧時代の物なのかなあ。

遺跡に描かれていた鳥の絵も、今回はセオドアが自由を意識するトリガーだったけど、実際のところはフェニシャルル現象などと関係あるのかもしれませんね。

◯現在・過去・未来

常夏1stは現在進行中の今を生きる人々の話だったのかなとも感じました。

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2ndは過去の思い出を抱えつつ前に進む人々で、3rdは未来をつくる人々って感じなのでしょうか。縦に見ても構成が綺麗ですね。

◯激アツ戦闘シーン

今回は戦闘シーンがアツかった!それだけに、スチルがないの惜しまれます…レイシーが船長を撃とうとする所とか、セオドアが銃を撃って船長を助ける所とか、今だったら絶対にスチル案件ですよ!

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せめて戦闘音が入るだけでも臨場感が違うと思うんだよな。メイン1部も編集されたことだし、いつかは初期イベにも手を加えてくれたら最高だなーと思います。

好きな台詞

「もし僕が逃げ出さず、君たちと出会わず、この船に乗らなかったら。たった1枚の紙切れの向こう側さえ知らずに、数年後の僕はきっとつまらなさそうに判子を押していたんだろう。」

「自分の意思を通すには、なりふり構える場合なんて、ほとんどないのさ。」

「自分でも説明できないものはまやかしだ。まやかしは真理がないくせに、私たちを縛る。」

「私はね、テディ。こういう美しいものを、美しく思えないようになりたくはないんだよ。自由を失って、自分のやりたいこともできず…、いや、そもそも自分のやりたいことがなんだったかも忘れてしまうようになると、素朴な美しさがわからなくなってしまうんだ。」

「自由ってのは私の本物だ。私を活かすただひとつの燃料だ。……だから、私はしたいことしかしない。そうして自分の気持ちをしっかり捕まえておくのさ。まやかしに縛られないようにな。」

「恩返しでもなんでもねえ。あんたに復讐するために、あの船に乗ってんだ。あたしが最期を看取るまで勝手に死なれちゃ困るんだよ。」「……ちなみに死因は?」「老衰だ。」

「僕、僕は父の後を継ぎます!剣も知識も、権力も全部使って、僕の正義を貫ける男になります!そしたら……、そしたら……ッ!僕に捕まってくださいっ!あなたが捕まりたくなるような男に、絶対なってみせますから……!」

やっぱり船長が名言メーカーでした!また再登場して欲しいです。レア度かえて過去編とか!

以上


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