非実在青少年マンガ/4P/投げ銭
2010年2月、都条例でマンガの表現に対して規制をしよう、という法律が出来そうだ。ということで、反対する漫画家たちが声を上げました。
いわゆる「非実在青少年問題」です。
名前がキャッチーだったので、そこは記憶している人が多いと思います。
児童虐待を防ぐ法律と、現実には存在していないマンガのキャラを、「児童ポルノ」というカテゴリーでまとめて、ほらこんなにひどいマンガがあるんですよ。と政治的に利用されました。
これは2010年8月、徳間書店から出た「非実在青少年読本」に描いた、山口弁護士インタビューマンガです。
大御所の漫画家の先生や出版社も立ち上がり、反対の声が大きくなって、2月に出された改正案は6月に否決されました。
この漫画もその否決直前に書かれているので、なんだ、大騒ぎした割にはすぐに収束したじゃないか。という印象を持たれた人も多いと思います。
この4pマンガのオチでも、なんだ都知事は話わかるじゃん。やっぱり表現者だよな。みたいな空気がありますが(実際あの時はそういう感じがありました)
ところがそれから5ヶ月後の11月、再び改正案が提出され、12月に可決しました。
そうなんです、この非実在少年は、この時【俺達の戦いはまだ始まったばかりだ】といっているように、全然おわっちゃいなかったんですよ。
簡単にさくっと通されました。(自民が選挙で大勝したことが大きかったんですが)
じゃあ、都条例が改正されたことで、それからマンガ表現はキビシイ制限を受けているのか? と言えば、ぼくはそういう印象はありません。(エロを描いてないので、正直なところよくわかりませんが、おそらくそういうことは周りを見ている限りないのではないかと思います)
とりあえず法律は作っておいて、運用は後から。なのか、 マンガは法律を通すために使った印象的な小道具であって、それで実際にしょっぴくことはないが、いつでもできるぞ。という脅しをかけられた。ということでおかみは満足しているのか。その辺りはわかりません。
今「児童ポルノ」という呼び方をしないで「児童性虐待記録物」と呼ぶべき。という署名を集めている人がいます。ぼくも署名しました。
(この名前、長くて覚えられないのでもっと短くならないかなー) 実際に性的虐待をしている外道を擁護するつもりは毛頭ありません。児童の権利は守られなければならないのは当然です。 ただ、頭の中で考えた「いかがわしい」ことで、警察に捕まるようなこともあってはならないことです。(それを誰もが目の届く場所に開示しない前提であれば)自由に表現してよいのです。
この漫画でも描いたとおり、気に入らないマンガを規制することで、世の中を浄化したい。と思いたい人たちがいるようなのです。まったくなげかわしい。
と、ここまで書いて、あまりの政治くささに嫌になってしまいました。ああ、めんどくさい(笑)
基本的に漫画家は守備です。自分から何か訴えかける人はまれです。よそから攻撃されたから反応しているにすぎません。おかしな動きがあれば戦わざるをえません。しんどいことに。
投げ銭です。政治活動には使用しません。
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