オラ!エスパーニャ(行くだ)2|バルデスって誰?
2018年8月6日のフェイスブックにこんな書き込みをした。
ーー
今夜、息子がスペインに出発します。
つっても1ヶ月向こうに住みながら、入団試験をいくつか受けるというチャレンジで、どこか受け入れてくれるところがあるのか、ものになるのかならないのかわからないんだけれど、とりあえず行ってみて様子を見る。つうことです。(そういうエージェントの会社に申し込んでみた)
翻訳機も実戦で使えるか見たかったので持たせた。(注・取材で借りた翻訳マシン「ポケトーク」のこと)
いやー、俺も行きたいなースペイン。
ーーフェイスブックここまでーー
安くないお値段を支払って、向かったヨーロッパチャレンジ。
空港に降り立った瞬間に、いきなり見知らぬおっさんに「スペインはワイファイ通じないからこのシムを使いなよ。安くしておくから」と持っていた現金を全部吐き出してどうでもいいシムを買わされて、文無しになってしまったのも今ではいい思い出…、のわきゃないわ。
ボール蹴るのはうまいけど、中身は人生経験の少ない高校生。それが一人で飛行機乗って海を渡っただけで良しとすべきかもしれない(親視点)
どこに泊まって、どんなチームを見学に行って、どこでプレイを見せるのか。細かいことはエージェントが決めてくれる。という話になっていたが、時々来る連絡(高額なシムは一応使えてラインがつながっている)の情報はなんとも心もとない。
たくさんのプレイヤーがヨーロッパに行っている。
Jリーグでプレイしたプロから、大学生、高校生、中学生までたくさんのプレイヤーが海を渡る。
最初にエージェント会社に行った嫁と息子は、彼の体と経歴をみてこう言われたらしい
「君はディズニーランドを見て帰るんじゃないよね?」
ぶっちゃけ、海外にあこがれてちょっとプレイするなら、有名チームの見学のような練習に参加することはできる。
でもそれはディズニーランドに行くような話です。とエージェントは言う。
それは「ツアー」です。もちろん全力で私達はサポートしますが、本気でプレイヤーを目指すならイギリスやフランスはおすすめしません。
本気でプロを目指すなら、名前をあまり知られていないチームの下部で頑張る手がある。モンテネグロはUEFAチャンピオンズリーグに出るチャンスがある。日本人プレイヤーにとって狙い目はまずモンテネグロ。
スペインはプロからアマまで幅広くて、5部や6部のチームなら入ることもできる。そこから上がっていくこともできる。
ではまあ、とりあえずスペインのプロの下部チームの練習に参加させてもらう、という話になった。
着いた。エージェントはいない。シムは高かった。くらいの連絡しかこないまま数日が経った。
どんな部屋にいるのか、どこで何をしているのか。本人は滅多にラインもしないので情報がさっぱりない。
「1日3行でいいから日記を書いて送れ」と指令したら、戻ってきたのが
「監督がバルデス」だった。
バルデスって誰?
元スペイン代表のゴールキーパー。あのバルセロナのビクトール・バルデスがなんとこのチームの監督に就任したばかりだと言う。
というのはググって知った。
そしてそのバルデスが蓮を気にいって試合に使ってくれたことで、運命が変わったのだった。
【続く】
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