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それは、延命治療?①

 前回、体に酸素を届ける方法を説明してきました
 今回は、それらが、どうなったら延命的治療(延命治療)になるのか?
 考えてみたいと思います。

 まず、大前提として、
 どんな医療でも、その人の生命を伸ばすことによって、その人または周りの人が幸せになれるかどうかが重要で、そこを考えず、ただ、命を伸ばす事だけの医療行為は、例え点滴一本でも、延命治療となり得ます。

 次に、考える事は
①その治療が、本人にとっての辛さがどれほどのものか(侵襲的かどうか)
②その治療が、どれくらい大掛かりか?
 今いる施設でできるのか?移動しなければいけないのか?
③その治療が、中断できるかどうか?
かと思います。

 それでは、体に酸素を届ける治療について考えましょう。

 まず①の侵襲的かどうかについて考えます。
①鼻カヌラ
②リザーバー付き鼻カヌラ
③普通の酸素マスク
④ベンチュリーマスク

 この辺までは、顔に当てるだけなので、邪魔な事以外はそれ程でもないでしょう。
⑤マスク型の人工呼吸器(非侵襲的陽圧換気)
 これも、その名の通り非侵襲的なので、短期間であれば、それほど辛そうでは有りません。
 鼻だけのは、イビキ治療で家の中でも使うものです。
 ただ、長くなると、マスクの当たる部分に潰瘍ができたりして痛そうです。
⑥気管挿管をしての人工呼吸
 これは、辛いと思います。
 実際、この治療をする時には、薬で寝かせることがほとんどです。
⑦体外式膜型人工肺(エクモ)
 これは、侵襲が非常に高いです。
 まずは、血管に太い管を刺して脱血・送血しなければいけません。
 血管に刺す管は太さ6〜9mm位です。ちなみに採血とかでよく使う針は大体1mm以下です。
 さらに、血液を一分間に4リットルくらい体から抜いて返す必要があります。

 これら「本人の辛さ度合い」と、命を延ばす事による「本人および周りの人達の幸せ度合い」を比べながら、みんなで治療方針を考える必要があると思います。

 次は、大掛かり度合いを説明したいと思います。

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