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第三回スプラトゥーンで考えるシリーズは、選択肢のこと

 サモラン初心者、ステージと編成が変わるたんびに、ブキ別攻略&ステージ別攻略の動画をせっせと観る。若い人たちが、丁寧に分かりやすく解説してくれていて本当にありがたい。こんなふうに、自分が望むタイミングで、自分の欲しい情報にアクセスできるんだから、よい時代じゃ・・・

 勉強に関する動画も、今本当にたくさん素晴らしいものが公開されていて、学びの環境としては恵まれているなぁと感じる。ただ学年が低ければ、子どもたちが自力でそうした情報にアクセスすることは難しいし、学年があがっていっても「学びたい」という気持ちがなければアクションにつながらない。さらに「今自分に必要な情報は何か」を把握して、「その情報を得るための方法を考えて、持てる力を駆使する」必要もあり、現状なかなかハードルが高い。

 だから現環境を(自分にとって)効果的に活用するためのスキルをこそ育んでいけるといいな、と思う。知りたい、と思って調べる(検索する)ことができたり、たくさんある情報の中から自分に合うものを選ぶことができるというのは、とっても大事なことだと思う。だけど子どもたちにはそもそも、自分が受動的に教わっていることに対して「もっといい情報があるかもしれない」とか、「ほかの方法があるかもしれない」なんて物事を相対化してみる機会が与えられていない。この構え(現環境を効果的に活用しようとする志向)を実装していくには、「ほかに選択肢がある」ことを知っている、が前提となるわけだけれども、多くの子どもたちは「自分に選択肢がある」ことを知らない、正確に言うならば「知らされていない」ように思う。

 なのでまずは「選択肢があるんだよ!」「選んでいいんだよ!」ということを伝えていきたいし、できれば具体的な選択肢も提示していけるといいなと思って、「スプラトゥーンで考える」シリーズ第三回目では「字を覚えたり書いたりする」ための方法をいくつかご紹介した。「くり返し書く」が主流だけれども、くり返し書くにしても道具や補助具を選べるし、くり返し書く以外にも漢字パーツを組み立てていったり、成り立ちや意味から覚えたりする方法もあるよ、というお話をさせてもらった。

左から、粘土・モール・シール

 ただまぁこうして例にあげてしまうと「書けないといけない」みたいになっちゃいそうなんだけど、自分なりに攻略しつつもそれはラスボスではない、ということも動画後半で強調した。結局字を覚えたり書いたりすることって、「言葉で伝え合う」営みに参画していくためのものであって、それ自体がゴールになるわけではない。そして「言葉で伝え合う」営みに「紙とえんぴつ」も、「正確に漢字が表記できる」も必須じゃない。なんならもはや動画文化が根付いた現環境において、「書く」よりも「話す」ほうがいいかもしれないし、生成AIなどの新しいテクノロジーが「言葉で伝え合う」営みをどう変容させていくかも未知である。だからって「字なんて書けなくていい」と私は思わないが、こういった状況を鑑みるならば、今まで子どもたちに課していた「書く」ことの能力(精度)をそのまま求め続けることに一体どんな意味があるのか?ということは問われるべきなんじゃないかと思う。試し打ち場で、ひたすらキャラコンの練習をするだけで試合には出ない、みたいなことにならないように。


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