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16:言葉、散歩道、アクションシーン。どれもこれも、こだわりのつくり(6話)

『愛の不時着』にハマって、あらゆる関連情報を調査しまくった韓国在住ブロガーが、ドラマを2倍、3倍、いや100倍楽しむための情報を提供します。
この記事では「愛の不時着」6話にまつわるディープな話を紹介。視聴中の方は話数表記を見て、ネタバレに気を付けながらご覧ください。

ピョ・ピスの口ぐせ「エミナイ」「フライカジマ」北朝鮮独特の言葉が韓国でも流行(6話)

   『愛の不時着』の中で、ジョンヒョクをはじめとする北朝鮮の人たちが話す北朝鮮の言葉。基本的な文法や大半の言葉は、韓国語と共通なのですが、中には北朝鮮でしか使わない独特な言葉がいくつか含まれています(日本語で言うと、標準語とある地域の言葉のような違いです)。

 そのため、韓国からやってきたセリにとっても、韓国の視聴者にとっても、北朝鮮の人たちが話す言葉の中には、初めて聞く言葉も多く含まれており、日本語字幕のように注釈を付けられるわけではないため、言葉の違いをどう解説したらいいかについて、制作陣は頭を悩ませたのではないかと思います。
 
 結果的に、劇中では、普段から韓国ドラマを観ていて、韓国の言葉に詳しい第五中隊のジュモクが、セリがわからない言葉を韓国語に置き換えて解説するというかたちにし、それによって視聴者もスムーズに北朝鮮の言葉を理解できるような上手な仕掛けが施されました。

 韓国ではヤン・ギョンウォンが演じたピョ・チス役が大人気となり、その口癖だった「エミナイ」「フライカジマ」という言葉が流行しました。
 「エミナイ」というのは、ピョ・チスがセリを呼ぶ時に使っていた言葉で、「女の子」を少し蔑んで言う言い方です。かなり長い間セリを警戒していて、口も悪いピョ・チスらしい言葉遣いといえます。
 
 一方、「フライカジマ」というのは、「嘘をつくな」という意味。実は「〜するな」という部分の文法は韓国語と同じなのですが、「フライ」の部分が韓国語にはない言い方です。
 興味深いのは、このピョ・チスの口癖をだんだんセリも使うようになったこと。


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