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活版TOKYO2018レビュー

友人に誘われ、初参加。

活版TOKYO2018
http://kappan.tokyo

一つ一つがボリュームがあり、濃厚なイベントだった。
前半ではしゃぎすぎたので全部見きれなかった。

研究社印刷ー紙型を使用した辞書

こちらは英語辞書の紙形(シケイ)。
鉛版と紙型を使用した印刷方法。
寿印刷株式会社
http://www.kotobuki-print.co.jp/20120117/typeplate/

日本では明治~始まっている。
けやきのブログⅡ
http://keyakinokaze.cocolog-nifty.com/rekishibooks/2016/03/post-51cf.html

部数の多い辞書など、活字のすり減りを防ぐ・保存が簡単など同じ鉛を使用した活字印刷と比べたくさんのメリットがある。

紙型はふんわりとした感触で、クッション性のある厚紙。
紙型ができたら、鉛は溶かしてまた別の版に応用。

活字を組む → 鉛で型を取る → 厚紙で型を取る → 印刷紙に刷る
写真は細かいので、鉛にフィルムの原理で焼き付け、別で版をつくる。

印刷とはこんなにも大変な工程を経て作られていたので、
本の価値は高く貴重なものであっただろう。と思ったが、調べるとそうでもないようだったのが不思議だった。

日本著書販促センター
http://www.1book.co.jp/004014.html

大人の科学ー小さな活版印刷機

簡易的な活版が自宅でできるキッドを体験できるコーナー。
文字をひとつずつ選び、ピンのように刺して並べてゆく。

並び、文字自体も反対になるので、少し戸惑った。

ガタガタしたほうが可愛いと思って並べると、振り幅が大きくなり過ぎてしまったので、真っ直ぐ並べたほうが少しの傾きが積み重なり、より活字の味わいが深くなりそう。

小さな活版印刷機
http://otonanokagaku.net/magazine/vol45/

世界の活版展

世界13カ国の活版技術が集結している様は見ごたえがあった。
あまり国柄が大きく違っていなかったのと、

タイの印刷がきれいで印象的だったので正直驚いた。
このイベントに呼ばれるくらいなのだから、国関係なく相当イケてるところに違いない。
やっぱりイケていた。
Press A Card(タイ)
http://www.pressacard.com/
世界の活版展
https://birddesignletterpress.com/event/letterpress-around-the-world/

Kino.Q ー紙神経衰弱

白い紙の名前を当てる神経衰弱トランプ。
普通に使えるのでどちらも買ってしまった。つい。

通常版:印刷屋さんで取扱のあるメジャーな紙26選
拡張版:特徴のある紙13選。初心者向け

COFEE PAPER PRESS

珈琲・福祉(デザイン)・活版、各分野に精通している三人によるプロジェクト。売り上げを資金に、全国の福祉作業施設で作り手にコーヒーを振る舞う活動を行なっている。
福祉を全面に出すのではなく、商品デザインそのものの魅力で伝えているのが印象的だった。

珈琲を練りこんだ紙(写真左)に、活版印刷を試し刷り。
色は、珈琲をイメージして作ったオリジナルの色だそう。
紙は全て手漉きで、南三陸の福祉作業所のスタッフたちが一つずつ作っている。

おめでとうカード。
こちらも作業所のスタッフがデザインしたもの。
体に衝撃が走り、嫉妬する。
手漉きなので、「ミミ」(ふちの部分)が残っているのがかわいい。

COFEE PAPER PRESS
https://www.facebook.com/coffeepaperpress/
NOZOMI PAPER Factory
http://www.nozomipaperfactory.com/

九ポ堂

主に活版印刷による「少し不思議な紙モノ」を作っている。

私は一瞬で恋に落ちた。
おわかりいただけるだろうか。
何に使うかなどの煩悩を一掃するコンセプトが最高なのだ。

幼少のころ、文房具が好きだったことを思い出した。
女は小さくて細かく、役に立たないものが好きだ。

九ポ堂
http://kyupodo.thebase.in/categories/797997

活版印刷に触れ、文字と印刷の可能性を感じた。
本は手で触った質感と紙のインクのにおいもセットで記憶するという話も納得できる。
別の展示イベントでも、かすれや凝った印刷が多く目だっていた。
少し前から活版女子なども出現しており、
カセットテープがレトロ可愛いと同じ原理でノスタルジーがおしゃれなのだ。

活版は、機能と速度の役目を果たし終えて、アート要素が強くなっている。

少し高めの価格もアートと結びつけば納得なので、生き残る間口が広がって良かったと思う。

美しいものは、息が詰まって苦しくなる。

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