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退職したら、道草パラダイスだった

もともと、超 道草気質の息子

園勤務のときは、
毎朝7時過ぎには家を出て
テンポよく歩いて保育園を目指す

途中には畑があって、そこは虫くんの宝庫

「あ、だんごむしー」
「なめくじだ!きゃ~」

目を輝かせる息子

5秒だけ立ち止まって…


「今日も見れたね~」
なんて話しながら息子の手を引き、歩き出す



「ごめんね~。朝は時間ないから、帰るときゆっくり帰ろうね~」
が、決まりのセリフだった

5秒道草 もパターン化してたから、
息子も流れに乗らされ
道草やめさせるのに苦労したりは
ほとんどなかった



でも心はいつも、

「ごめんね」と
「満足いくまで道草させてあげたいなぁ」

の気持ちで曇ってた



約束通り、帰り道は
「朝はごめんね」の気持ちを込めて、
道草解禁


それでもお迎え時間が18時過ぎだから
空は暗くなってくる時間帯

冬なんか、真っ暗すぎて、遊ぶ気持ちも薄れていってるようだった


塀に登り、

落ちている実やら葉っぱを拾い、

虫を探す
(夕方は虫、もうほとんどいない涙)


一応、やりたいことは一通りやって
帰宅

こんな毎日を繰り返し過ごしていた
(帰りの道草のおかげで帰宅後寝るまでは
ノンストップのジェットコースター)



そうそう、
退職を決断するまでに
たくさん自分と対話した


そこで出てきたことのひとつに、



『息子に好きなだけ道草させてあげたい』

(時間に余裕のある送り迎えをしたい)


があった



子どもの、
興味を抱く瞬間や発見の瞬間って
宝物のような瞬間だと思ってて


その、“この瞬間”に

「これ、なんだろう」
「やってみたい」

と思ったことを、


“また今度”じゃなく、

“今” 叶えてあげたいって思う



そして私自身もそういう、
なんの意味もなさそうなことを(ごめん失礼)
ただただやる…みたいなの、嫌いじゃなくて…


明らかに虫じゃなくて落ち葉が丸まっただけの物体を
慎重に枝でつついて観察したり、


この塀に登れるか選手権(またはこの高さから飛び降りれるか選手権)を開催したり、
そういうのに夢中になってると


しあわせ感じるんだよなぁ


だから私は
息子とそれがしたかった




4月からは

“完全に別のパラレルへ行った”
そんな感じがした

もう、別世界…


朝は、1時間も遅く起きちゃったり

息子を起こすときも必死の形相ではなく、
しばらく寝顔を眺めてほっぺツンツンする時間があったり(最高!)


雇われ
通勤
勤務時間

というものを手放した先には
こんな時間の流れが待っていたなんて


で、そうやってゆるりと朝の支度をし、
いざ出発


いつもの畑…
最近の息子は、

“虫を見つけて立ち止まる”のではなく

“虫がいそうな場所を予測して立ち止まり”、
じっとそこで虫が出てくるのを待っている

そんで出てこないと
場所を移動してみたりしてる



“5秒”じゃなくて、
“満足する”と、

「さ、いこっか」とか言って自ら歩き出す


あ、もちろん、立ち止まり過ぎて

「もうそろそろいこう」
「また帰りに続きしよう」
「ほら、はやく行こ~」

みたいな、以前と同じような声かけするときも
全然全然あるけど
母、めっちゃ嫌そうな顔しながら…(ごめんねw)



で、
帰り道はもっとエグい。笑

時間帯が変わり、ちょうど犬の散歩をする時間帯なのかな?
何人もお散歩中の人とすれ違う


それでいちいち立ち止まって
「何してるの?」だの「触っていい?」だのと絡み


畑のおばちゃんがやってるお店に立ち寄って(これも日課)
野菜の名前を教えてもらったり、飼い猫にちょっかいを出し


散々そうして寄り道したあげく
(まだまだ続きますよー)

塀という塀に登り、

塀の上を走り、

「絶景~」なんつって眺めを楽しみ、

ヒーローのように飛び降り、


やっとお家に到着する



片道15分のところ、

朝は30分
夕方は1時間弱


道草を堪能しております




待ちくたびれすぎてイライラしちゃうことも、
うんざりすることもあるんだけど


でもやっぱり
うれしいんだよなー。


\そうそう、これがやりたかったの/



塀がだいすきで
いろんなものに興味津々(人にも虫にも動物にも)の息子は


“今しか居ない”




もっと貯金が貯まったら
副業から始めて軌道にのったら
              ¨


そんな風に考えて
退職を先伸ばしにしてたら


“今のこの息子” との、“この時間” は
なかったんだなぁ




思いきって決めてくれた自分
心からありがとう




だから手にできた幸せがあったと思う





よかった




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