ぼくの名前はズッキーニ 感想
私はよみうり大手町ホールへ向かいます。乗り換え1回アクセス良好!初めての劇場でしたが頭の中ではもう10回くらい足を運んでいたので(我ながら妄想力凄すぎ)迷わずに到着しました。よみうり大手町ホールはとても綺麗なホールで感染予防対策がものすごくしっかりしていたのでとても安心することができました。パンフレットを購入して席へ着きます。11列目、真ん中よりちょい左側でした。急遽チケット購入したわりには良席でした。
緊張がピークに達しトイレへ2回行きました。(余計な情報) ベアちゃんの可愛い会場アナウンスも聞こえてはいたけど、なんだかふわふわとした気持ちでした。
客席の灯りが暗くなっていく。いよいよ「ぼくの名前はズッキーニ」がはじまる…と思うや否か、いきなり真ん中にスポットライトがバン!!
そこに後ろ向きで立っていました、私がずっとずっと会いたかった人。(と言っても知ってから3か月弱…) 夢じゃないよね。やっとやっと会えたね😭ともう胸がいっぱいでした。そして辰巳くんは後ろ向きのまま舞台セットの黒板にチョークで一心不乱に絵を書きはじめました。この舞台はこの黒板にチョークで描いてセットを作りあげていくというとても面白い演出でした。黒板に描かれた絵や文字が、時に自己紹介、時に感情を表し、時に場面を表し、時にその動作を表す。誰かが演技している時も、他の誰かが絵を描いてたりして、一瞬たりとも目が離せない。どんどん展開していく。実は観劇が初めてだった私は「これが舞台というものかー」と驚きました。
ずっと会いたかった辰巳くんを見たい!✨って気持ちがすごくあったのですが、舞台の上で辰巳くんはもう6歳のズッキーニで、あっという間に物語にひきこまれていってしまい、ふとした瞬間に「辰巳くんが!目の前にいる!!」と思ってドキドキ震えて…
「辰巳くん!」 「ズッキーニ!」
と自分のなかで気持ちのせめぎあいが凄かったです。でも結果的には物語にひきこまれて、舞台「ぼくの名前はズッキーニ」の世界にどっぷり浸かった私でした。
ズッキーニは恵まれない家庭環境のなかで育ち不運な事故で母親を亡くしてしまうのだけど、驚くほど素直で純粋。お母さんが大好き。人を疑ったりそういうことはしない。
この真っ直ぐなズッキーニって役が辰巳くんにぴったりだな。って思いました。私が印象的だったのはズッキーニの夢のシーン。ズッキーニは大人になってママと一緒にビールを飲んでいる。これは、「みんなのいえ」のみんなと出会っていないもうひとつの人生。一見冴えない人生に見えるけど、ズッキーニにとってこれはこれで幸せな人生だったんじゃないかな?と私は思った。だって大好きなママとずっと一緒にいられるんだもん。これは誰にも比べようのないことだと思いました。
それと、映画の「ぼくの名前はズッキーニ」で私がモヤモヤしていた点が舞台ではかなり変わっていました。
ひとつは、警察官のレイモンが最後にズッキーニとカミーユを引き取るんだけど、映画ではレイモンの過去に何があったかはっきりわからなかったので(奥さんに逃げられた?!) 単純に、ふたりを引き取って果たして幸せになれるのか?っていうのがすごく疑問だったんだけど、舞台ではちゃんとレイモンの過去が明らかにされていて、妻と死別し悲しみにくれていたが、親友のデゴーの助けてもらいつつひとり息子のヴィクトルを育てているという背景わかり、すごく安心しました。
もうひとつは、シモンのこと。映画では「みんなのいえ」に取り残されるシモンに感情移入してしまいハッピーエンドには感じられなかった。でもこの子はきっといい大人に育つ!って私はその時思った。舞台では最後にシモンが大人になって養子を迎えにいくってシーンがあり、やっぱり私が思っていた通りシモンはいい大人になったんだ!とめちゃくちゃ感動してしまいました。後ろ姿のシモンはめちゃくちゃかっこよかったです✨
あと、ロージー先生について。映画ではあんなに愛のある感じではありませんでした。舞台のロージー先生は本当に素敵でした。たとえ本当の親じゃなくてもいい大人が近くにいればなんとかなる!いい大人になんかならなくてもいい、生きてさえいれば…とか全身全霊で愛情を伝える姿がとてもかっこよかったし感動的でした。ズッキーニとカミーユが「みんなのいえ」を出ていく日に、黒板に描いた絵をロージー先生が四角で囲っていって、それがみんなが今まで描いた絵になり、ロージー先生の部屋中に子ども達の絵が貼ってあるというのがわかった時、こみ上げるものがありました。
全ては書けないけど、出演されていた役者さんも皆さん本当に素晴らしかったです。一気にファンになってしまいました。
観に行く前の日かな?辰巳くんの「匂い」にupされていた言葉。
幸せとか楽しい事って遠くなくて
身近な人と共有することだと思う
これを読んだ時は全然ピンとこなかったんだけど、「ぼくの名前はズッキーニ」を見て、あ、これだ!って思いました。
身近な人と共有した時間、それがどんなつまらないことであってもかけがえの無いもので、それが家族であってもそうじゃなくても一緒に共有できたら、それが幸せ、楽しいってことなのかな?って思いました。それを感じとった瞬間に「今すぐ家族に会いたい、ギュッとしたい」って気持ちになりました。
1度で全然見きれないし、黒板の絵もちょっとした仕掛けも、もっと細かいところまで見たいし、音楽とかも落ち着いて聴きたかったし、その時々の自分の感情も知りたいし、、
すぐにあーーーーーーもう1回見たい!!って気持ちになったけど、1回でも観れたことが本当に幸せでした。観に行かせてくれた家族に感謝です。
カーテンコールの辰巳くんは本当に晴れ晴れとした表情をしていました。私はめいいっぱい拍手を送りました。あっという間の2時間が終わりました。あたたかい感情がしっかりと心のなかに残った舞台でした。
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