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ひかりこ日記98 ご飯戦争(ぱー4歳、たつ1歳)

たつは、この頃、好き嫌いが多い。
少し前まで、出されたものはなんでも、ガツガツと食べた。
特に、バナナは大好きで、機嫌の悪い時でも、見せるとすぐに笑顔になった。

それなのに……
ある日の保育園からのお便りに、
「バナナを見せると、手で振り払って、食べませんでした」
と、書いてあった。

まさかそんなはずは、と、早速買ってきたバナナを見せると、顔の前で手を振る。
口に近づけると、手を振りながら後ずさって、尻餅をついた。
バナナだけではなかった。

これまで朝ごはんの主流だった、鮭ご飯も、しらすご飯も、納豆ご飯も、食べない。

これはまずいと、頭を悩ませていたある朝。

寝起きの悪いぱーは、ママに鮭ご飯を食べさせてもらっていた。
そこへ、たつがやってきて、うらやましそうに、お椀の中を覗き込んだ。
「ねぇねの、ご飯、食べる?」
ぱーのスプーンに乗せた鮭ご飯を、そのまま口に持って行くと…
「あー」
大きな口を開けて、パクリ。
そのまま、もぐもぐと味わって、ごくんと飲み込んだ。
「もっといる?」
たつは、おとなしく、口を開けて、嫌いなはずの鮭ご飯を、もう一口食べた。

ママが、ご飯戦争の勝利を確信した瞬間だった。

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