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彩り

お仕事の事

最近、人生の最後の時を住み慣れた自宅で過ごす方が増えてきました。

先日も、そのお手伝いをさせて頂く機会があり

認知症、末期がんのご主人を、最期まで自宅で過ごさせてあげたいという奥様。願いは、苦しまないよう痛みだけはないようにして欲しいという事だけでした。

当初、1ヶ月持たないかもとドクターから宣告されたご主人ですが、4ヶ月頑張られ
同じだけ、奥様も頑張られました。

最期の2日間、ご主人は奥様の手を握って離さず、奥様は、トイレに行く以外ずっとご主人の傍で手を握り、声をかけられたそうです。

今日、新盆のお参りをさせて頂いた時の事
奥様「家で看てあげられて良かった。」
「我が家らしい、こじんまりとしたいい お葬式が出来たよ。」
「いい先生、いい看護師さんに看てもらえて良かった。私も出来たらお願いしたいよ。」
「優しいお父さんだった。贅沢は出来なかったけど、食べる事に困った事はないし、一緒に旅行も沢山した。その分お金は残ってないけど。幸せな結婚生活だったよ。」
「僅かだけど、がん保険が入ったら、小さな仏壇を買うよ。お墓はね、今から貯めないとね。」

50年連れ添ったご夫婦でした。まだまだ死後の色々な手続きが大変だそうで、忙しくされている分、哀しみも少しは紛れるのだとか。

沢山の人々が暮らす、大きな集合住宅のとある一室で紡がれるとあるご夫婦の歴史に、ほんの一部ではあるけれど触れ、学ばせて頂きました。私の心にも人生にも、少なからず温もりと彩りを与えて下さいました。

合掌🙏

夕方帰宅した息子が、
「今日公園で、たまたま出会った子ども相手にキャッチボールしたよ。もう2度と会う事は無いかもしれんね。こういうのを一期一会って言うんかね?」と。

彼の人生にも、日々彩りを与えてくれる何かがあるようです。