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2021年10月発表、最新版、世界銀行経済報告ジョージア

ジョージアは南コーカサス地域をリードしていると、本日発表された世界銀行の「経済報告アップデート最新版」は述べています。

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【2020年基礎データ】
人口(百万人) 3.7
GDP(現在の米ドル) 10億ドル 15.9
一人当たりGDP(現在の米ドル) 4297.3
国際貧困率(1.9ドル)a 4.2
低中所得者層の貧困率(3.2ドル)a 17.0
上位中所得者層の貧困率(5.5ドル)a 46.6
ジニ係数a 34.5
初等教育機関への就学率(総計)b 99.3
出生時平均寿命(歳)b 73.8
GHG総排出量(百万トンCO2e)15.9

出典 WDI、Macro Poverty Outlook、および公式データ。
(a) 直近の値(2020年)、2011年PPPs
(b) 直近のWDIの値(2019年)

【主な状況と課題】


COVID前の期間、ジョージアの経済は、急速に拡大しました。
2005年から2019年までに年平均5%で成長し、この成長は、2007年から2019年の間に国民の貧困率を半減させることに貢献しました。

また、政府のマクロ政策が功を奏し、グローバルな統合の強化、健全な公共投資、魅力的なビジネス環境、ガバナンスの改善、公共支出の増加を後押ししました。

しかし、長年にわたる持続的な成長は、質の高い雇用の創出には僅かな影響しか与えませんでした。多くのジョージア人は、未だ低生産性の雇用、特に農業やインフォーマルセクターに依存しています。
輸出量は増加しましたが、依然として洗練されておらず、企業は低い成長率に直面しています。

これらの結果は、構造転換が不完全で、地域間の経済格差があることを示しています。教育の成果は依然として低く、労働者は概して雇用主が求めるスキルを身につけていません。
国内の政治的緊張は、民間企業にとっても懸念材料となっています。

COVID-19のパンデミックは、ジョージアが獲得したいくつかの成果を覆しました。
ジョージアは、2020年後半には感染者が急増し2021年の夏には、ジョージアは世界でも有数の一人当たりの感染率は世界最高レベルになりました。移動手段が制限されたため観光客の数も減少し経済生産高は、2020年には6.2%減少となりました。

【最近のジョージア経済動向】


ジョージア経済は予想を上回る成長を遂げ、パンデミック関連の規制が徐々に緩和された2021年上半期の生産高は前年同期比12.7%増となりました。

経済の加速は、移動の向上、貿易量の増加、徴税額の増加、クレジットの増加、観光収入などに見られ、GDPをCOVID以前の水準に戻しました。
しかし、労働市場の回復は遅れており、2021年上半期の失業率は22.0%と、依然として高い水準にあります(2020年上半期は18.3%、2019年は17.3%)

また、ジョージアでは、世界的な食糧・石油価格の上昇と、先のラリ安によるパススルーにより、インフレ率が急上昇 しています。

2021年8月のインフレ率は前年同月比12.8%となり、10年以上ぶりの高水準となりました。これを受けて、中央銀行は政策金利を2021年3月から引き上げました。

経常収支の赤字は高止まりしており
2021年第1四半期の経常収支赤字はGDPの11%となりしました。
これは、観光業を中心としたサービス輸出の低迷が、好調な送金や物品貿易の改善によって一部相殺されたためです。

経常収支赤字の23%をFDIとポートフォリオ投資がカバーし、残りを公的な借入がカバー、このことで国際準備金の蓄積を可能にしました。

外貨準備高は、2021年8月末時点で41億米ドルと十分な水準にあり、商品・サービス輸入の4カ月分以上をカバーしています。

銀行部門の収益性は引き続き良好で、不良債権の割合は2.4%と低い水準でした。

2021年1-7月期の財政赤字は前年同期比27%拡大しました。
これは、COVID-19への対応策を含む公的支出の増加が、収入の増加(前年同期比15%増)を上回ったためです。
7月末時点で、財政赤字は年間GDP比7.6%の予定のうち約4%に達し、公的債務は2020年末時点で62%だったものが53%に低下しました。

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【OUT LOOK】

ジョージアの2021年のGDP成長率は、4月時点の6%から8%に上昇すると予測しています。ベースラインシナリオでは、2021年に生産高が2019年の水準を上回り、中期的には、財政刺激策が終了し、金融政策が正常化し、観光業が回復することで、GDP成長率は潜在的な5.0〜5.5%程度に戻ると予想されます。

成長が回復し、実質賃金と移転が増加するにつれて、貧困率は低下し、2022年には危機以前のレベルに達すると予想されており、また、財政赤字は、金融政策によりインフレ期待が固定化されるため、2023年末までには中期的に目標値に収束すると予想しています。

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