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10年前の液タブはWindows11で使えるの?

趣旨

PCや液晶ペンタブレットを買い替えるにあたって色々と検索している際、自分と同じような(買い替えの参考になるような)ケースが見つからず困りました。サンプルのひとつになればいいなということでこの記事を書いています。特に液晶ペンタブレットについて。
先に書いておきますが、Cintiq12WXはWindows11でも使えます。
気になる方は目次から本題をご覧ください。それ以外はおまけです。

経緯

私がこれまで使っていたPCは、hpのPavilion g6というノートPC。
液晶ペンタブレットはWacomのCintiq12WX(DTZ-1200W/G0)。
いずれも2012~2013年に購入したもの。当時関わっていた某ゲームのギャラのおかげで、それなりのものを揃えられました。
結果的にもこれまで故障や不具合も一切無く元気に頑張ってくれた良い製品です。
今回とて特にハードウェア上の問題があって買い替えたわけではありません。
サイズの大きなイラストやアニメーション、動画の作成においてはどうしても各ソフトウェアの動作が重く処理しきれないケースがあり、いま進めている作業に支障が出てきたためやむを得ずといったところです。主にメモリ不足だったのでしょうが詳しいことは知りません。よって、以下にそのあたりの具体的な、専門的な解説は一切ありません。

PC買い替え

今回購入したPCはドスパラのraytrek MV。(ドスパラの商品ページ)
CPUはCore i7-13700F、グラフィックボードはGeForce RTX 3060 12GB、メモリはデフォルト16GBのところをせっかくなので32GBに増設。
買い替え前は10年前のCore i7にメモリ4GBだったので大幅なパワーアップです。
CLIP STUDIO PAINTでイラストを描く際、水彩風やぼかし、エアブラシなどはB4サイズにもなるとかなり動作が重くなっていたのがすっかりスムーズになりました。
Aviutlでの動画編集やLive2D Cubism Editorも、編集やプレビューの動作が重すぎてカックカクだったのがリアルタイムで操作が反映されるようになり、素早く作業ができるようになりました。感動。
3Dグラフィックのゲームもかなり高画質の設定で動きます。これなら、ずっと気になっていたBlenderも十分動かせそうです。

液タブ買い替え

そして液晶ペンタブレット。
購入したのはHUIONのKamvas13。(HUIONの製品ページ)
製品自体は概ね問題なく、筆圧感知やレスポンスなどに違和感を感じることもありません。
描画スペースの寸法は大体同じくらいで、Cintiq12WXの解像度が1280×800なのに対してKamvas13はフルHDの1920×1080なので見た目は断然良くなりました。
発色も良くなり、Cintiq12WXでは別途用意したメインディスプレイに表示したプレビューを都度確認していたのが不要になりそうです。

・・・しかし、のっぴきならない問題が2つありました。

問題点1:ペンの挙動の違い

ペンタブのペンにはボタンがついています。これらは設定によって役割を変えることができ、私は塗りつぶしと手のひらツール(キャンバスの移動)を割り当てています。
このボタンを押しながらタブレット上でペンをドラッグすることで、手のひらツールによって描きたいエリアを画面の中央に移動させます。
しかし、このボタンの反応の速度の問題かあるいはペンを認識するためのタブレットとの距離の違いなのか、素早くペンを動かしているとこのツールの切り替えが機能せず、キャンバスの移動ではなくペンで描く動作になってしまい、不意に引かれた線をアンドゥでいちいち消す必要があったり、場合によってはその線に気づかず残ってしまうことがありました。
設定でどうにかできるものかもしれないので、これについては検証が必要です。もし情報をお持ちの方がいればtwitter(@MIROKU_T_5000)へのメンションかメールで教えてください。

問題点2:左手の違和感

ペンを持たないほうの手。右利きの私にとっては左手です。
ペンタブや液タブを使わない人にはイメージしづらいことと思いますが、左手はタブレットのハードキーで"元に戻す"とか"回転"などの操作を行うのに使用します。これは人それぞれ割り当てるキーやポジションが異なります。

Cintiq12WXにおける左手のポジション

私の場合は上のイラストのように、中指をトラックパッドに置いてキャンバス表示の拡大縮小を行いつつ、人差し指と中指でその他のキーを操作しています。
しかし、今回購入したKamvas13にはトラックパッドは無く、ハードキーの配置も異なります。(もちろん、それはわかった上で購入しています)
そもそも液タブを買い替える前、ハードキーが足りないと感じ左手デバイス(TAB MATE)を導入していました。
この時点で既に、左手のポジションが変わることで凄まじい違和感が生じることがわかっていました。特に下書きや線画を描くとき。アナログで言えば、左手で紙を押さえず手放しで描いているような感覚です。
紙とペンの頃から、線を引きやすい角度に紙を回しながら描いており、デジタル作業でもそのような動作をシミュレートしているのですが、Cintiq12WXのハードキーとトラックパッドを使う分には違和感がありませんでした。恐らく、慣れによるところも大きいでしょう。
これがTAB MATEやKamvas13のハードキーでは使える指が基本的には親指と人差し指の2本に変わってしまうのもあり、なかなか感覚に慣れることができません。
そのことがわかっていながらも液タブを買い替えた理由。これが本題です。

本題:10年前の液タブはWindows11で使えるの?

結論としては、Cintiq12WXはWindows11でも使えます。何の問題もなく。
WacomのサイトでダウンロードしたWindow7用のドライバがインストールできました。ただし、正式な対応OSではなくWacomでサポートされているわけではないので、動作保証はありません。今後のWindows側の更新によって使えなくなる可能性もあるでしょう。
・・・そう、この情報が欲しかったのですが見つからなかったのです。
色々と検索していると、Cintiq12WXを今でも使っているという声自体は多く見られました。私のCintiq12WXも元気に動いていますからそれはそうでしょう。良い製品です。
ただ、Windows11での動作についての情報は見つからず、Windows10で動作しないとかドライバがインストールできないという情報がチラホラあるくらいでした。そりゃあ10年前の古い製品と最新OSのイレギュラーな組み合わせですから無理もありません。
Windows10で動作しないんだったらWindows11でも動作しないだろう・・・そう思って、左手デバイスの操作に慣れなければいけないことを覚悟し買い替えたわけです。
しかしながらKamvas13での問題に我慢できず、下書きと線画はCintiq12WXでしばらくやっていきたいと思い「一応試してみるか」とドライバをインストールしたところ動作したんです。Windows11で。

おわりに

PCと液タブを同時に買わず、PCを先に買って一度動作を確認してから液タブを買い替えれば確実だったのでしょう。
しかし、もしCintiq12WXがWindows11で動作しなかった場合、後から注文した液タブが届くまでの数日作業が滞るのが嫌だったのと、どうせならきれいな液晶のものに替えたかったので、「意外と違和感なく使えるじゃん、となってくれ!頼む!」という祈りをこめて、さっさと同時に買ってしまいました。
余裕のあるときにWacomの上位機種に更に買い替えることを視野に入れ、安価なものを選んだのは不幸中の幸いでした。
左手のポジションがあまり気にならない、仕上げ作業や動画編集などの際にはKamvas13が使えるでしょうから、まあ・・・無駄にはならない・・・はず。それらの作業で慣れて完全に移行したい(統一したい)ところではありますが。
ただ、もしもCintiq12WXのトラックパッドやハードキーと同じような感覚で使えるような液タブがあればそれに越したことはありません。そんな機種をご存じのかたは是非twitter(@MIROKU_T_5000)へのメンションかメールで情報をお寄せください。

MIROKU

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