インターネットと友達

デジタルネイティブ世代なのと、今でいうガジェット好きな父親の影響もあって
物心ついた頃から割とインターネットと仲が良かった。
加えて「バンギャ」「ロリータ」で「サブカルオタク」の三重苦も疾患していたので
インターネットとの親和性バツグンな学生時代を過ごしてそのまま社会人になった。

当時はブログ文化の創成期であり、BBSと言われる誰でも書き込める掲示板しかり、今は亡きmixiなどのSNSのハシリたるコミュニティがいくつもあって
情報に飢えてた思春期の私は狂ったようにWorld wide webの世界で遊んでた。
主な遊び方としては

・好きなバンドやブランドについて書いている人のブログを読んでコメントをして次第に仲良くなる。
・ライブ等でオフ会があれば顔を出す。
・オフラインで出会った人と更に仲良くなる為にオンラインでも交流をする。

といった非常に社交的な使い方をしていた。

こう書くと、さも私がネアカで社交性に富んだリア充かのように見えるかもしれないけと
実際は友人の少ない少女時代を過ごしていた事は明記しておきたい。
詳細は割愛するけど、バンギャやロリータがまたおおっぴらに迫害して良いとされていた時代の古の民だったので
学生生活はあまり楽しいものでは無かった。
幼稚園から受験戦争の場に放り込まれていたので近所に幼馴染みと呼べる人も居ない。

そんな私が初めて心から趣味や好きな事を共有できる人と出会えたのがネットの世界だったので
それはもう楽しかった。
それまではzipperやcutieなどの雑誌を買って、MILKの新作の可愛さやvivianwestwoodのオーブのネックレスが欲しくて一人でうちふるえてるだけだったのが
夜中まで好きなバンドや洋服のブランドの話が出来る人間がこの世に居るって知ったあの興奮と快感は今でもたまに思い出す。
文化服装学院の生徒にならないと自分の好きなファッションの話を出来る人となんて出会えないと思って絶望していたJCの私にはもはや救済でしかなかった。
当時の中学生の世界なんて本当に狭い。
30分も電車に乗れば原宿にも行けたしラフォーレで買い物も出来た。
でもその楽しさとかを誰かと一緒に共有するなんて自分には無いと思って本当に寂しかった。
友達もいなくて家族からも理解されない中学生がする事なんて不良グループに入るかインターネットの世界に行くしか心が生き延びる道はなかった。
ついでにリス化もしてみたけど、特に何の感情もなく傷だけ残った。

今では「ネットマナー」「ネットリテラシー」みたいな文化があるけど
当時はむしろネット上で変な人というのを見たことがなかった。
今のTwitterみたいに短文のカルチャーではなくて
ブログや個人サイトなど、わりと長文をしたためる人が携わる文化だったので
言語能力の高い人が多くて大変勉強になった思い出しかない。

ネットを通じて人と会うと言うと「危ない」「騙される」なんて言われるけど
リアルでストリートナンパとかされる方がよっぽど危ない。
その点、ネットではまず文面が顔になるので
句読点の打ち方、使う言葉の選び方、改行のバランスなんかでだいたいどんな人間か人柄がでるのでなかなか安全だと思う。

そんな少女時代を経て、遠くに住む友人、歳の違う友人、宗教や、ジェンダー感の異なる様々な人と交流をする事で得られた感情とか社交性は大人になってからとても生かされていると改めて気づけた最近。

このところTwitterにかまけて文章を書く行為をしてこなかったので久しぶりに殴り書き。

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