熱中症の報道を見てつらくなった話

私のよく知る道で、中学生が熱中症に倒れ、帰らぬ人になってしまったという。

まさにその道ではないのだが、私も同じような田舎道が通学路だった。
真夏の陽が登りきった時間に移動していた記憶はあまりないが、それでも汗を流しながら、短いときで10分程度、長いときで40分以上の自転車通学をしていた。

報道されていたその道も、日陰のない緩やかな上り坂だという。
あの辺りは涼めるようなコンビニなんかも無いはずだ。車通りも多くなくて、そのせいで発見されるのが遅れてしまった可能性もあったんじゃないだろうか。

どういう場所なのか、どれくらいしんどいかを身をもって知っているだけに、
さぞやつらく苦しい思いをしたのだろう、ということがありありと想像され、たいへん胸が痛む。

中学校では暑さに応じて部活動の時間が変更されたり、生徒の健康観察や給水指示を適時行ったりしていたということだ。
報道の内容が本当なら、部活に参加したことそのものが原因というよりは、
他のさまざまな要因が重なってこうなってしまったのではないかという気がした。

ある記事では医師の方が、やはり部活だけで重症化したのではなくいろいろ重なってしまったのでは、とコメントされていた。

いっぽうでワイドショーでは、「意識改革が必要」「昼間の屋外で運動させるべきではない」「部活動は原則禁止にしては」と語られた場面があったそうだ。

いささか見当違いというか、違和感のある話の流れだと感じた。
人の死といった悲しいニュースが、世論の強化に「利用される」というのはこういうことかと、
不意に合点がいってしまい、無力さやるせなさ腹立たしさが押し寄せた。
(だからワイドショーって嫌いで、極力見ないことにしているんだけど。。。)

8月末になっても収まる気配のないこの暑さは、私が中高生のときに体験したそれとはやはり異質なものだろうと思う。

いつもより少しだけ寝不足だとか、朝食がいつも通りに食べられなかったとか、
そういうちょっとした変化からくる不調はものともしない子も多かろうと思うが、
暑さを避ける・水分を摂ることと同じくらい、こういった部分のケアが重要性を増すのではないのだろうか。

どうか誰もが遠慮せずに申告できる認識づくりが、コミュニケーションが行われていてほしい。
若い方の熱中症のニュースが絶えなかった夏、そんなことを考えてはもやもやした気持ちになった。

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