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イトーレンズ「トライガード」を試してみた

眼鏡レンズにはメーカーがいくつかあって、各社さまざまなレンズをリリースしています。レンズを選ぶときは「薄型」か「超薄型」かを選択するだけ、という人もいるかもしれませんが、じつは選ぶレンズの種類によってその視界は結構変わってくるんです(感じ方に個人差はありますが)。

3つの波長をコントロールする欲張りなレンズ

仕事柄眼鏡は何本も持っていますが、同じレンズを入れることはなるべく避け、さまざまな製品を試すようにしています。信頼するお店で勧められたものに決めることも多いなか、Twitterで概要を見た瞬間「これは試してみたい!」と、思わずつぶやいてしまったのが、イトーレンズの「トライガード」でした。

ロゴマーク(公式サイトより)

トライガードは、‟トライ”と付くその名の通り大きく3つの波長をコントロールしています。詳細は、商品サイトを見ていただいたほうがわかりやすいのですが、簡単に抜粋させてもらうと・・・

イエローライトカット
人間がもっとも眩しいと感じる黄色い光(585nm付近の波長)をピンポイントでカット。それにより色覚が改善され、コントラストがアップし、文字や色がくっきり見えます。

ブルーライトカット
LEDを使用したPCやスマートフォン、室内照明から放射される光のなかでも波長の短いブルーライト(450~480nm)をカット。商品の説明動画を見ると、「青色LED光をカット」と説明されています。
※サイトに掲載のブルーライトカット率46.30%は、380nm~500nm領域における1nmごとの透過率を平均した数値。

HEV420カット
太陽光からの紫外線UV400をほぼ100%カットするのに加え、目への影響が明らかになったHEV420(UV420)領域も大幅にカット。HEV420をカットすることで、光による酸化ストレスを抑える効果があると言われています。

・・・と、このうち1つを備えていても商品として成立するような機能を、3つも搭載しているんです! しかも、こんなに盛りだくさんなのに、可視光線透過率86.27%と、レンズカラーがとっても自然ときた!

なぜこれを試したいと思ったのか

なぜこの3つの機能に、私がときめいたのか。理由は以下の通りです。
・もともと①のイエローライトカット機能を備えた「ネオコントラスト」の 
 視界が好きだった。
・室内照明の眩しさを不快に感じる私にとって、②の450~480nmの波長を 
 カットするのが魅力的に感じられた。
・日常的に③のHEV420をカットしているレンズを使っているので、そこも 
 同時に網羅できるのは良いなと思った。

ざっと、こんな感じです。というわけで、早速手持ちのフレームに入れてみることにしました!

フレームはVioRou×FACTORY900に

VioRou×FACTORY900「Roy Col.499」

レンズは、下北沢の纏オプティカルさんで入れてもらいました。
フレームは、いつか度付きのレンズを入れようと思っていたVioRou×FACTORY900のRoyです。

なぜこのフレームにしたかというと、強度近視でもきれいに仕上がるデザインだから。というのも、私の度数は右がS-7.75 C-2.00、左がS-6.50 C-2.00なのですが、トライガードの屈折率は今現在1.60しか展開がありません。
1.60ではしばらく作ったことがなかったので、仕上がりがどうなることかと少々心配だったのですが・・・。

こちら右目の度数はS-7.75 C-2.00。

とってもきれいに仕上がりました! さすが強度近視の味方!!

気になるレンズの色付きは?

そして、この写真を見てわかるように、レンズカラーはほんのり感じる程度です。着画で見てみると・・・

鏡越しなのでちょっとわかりにくいですかね(汗)

どうでしょう? 私はどちらかというと色白なほうなので、多少目元が茶色っぽくくすんで見えるかな・・・? とはいえ、‟色付き眼鏡を掛けている”というほどの印象にはならないと思います。

太陽光のもとで撮影。ネオコントラスト(上)と比べると、こんな感じです。

そして肝心の見え方は・・・!

(ここから語る見え方についての感想は完全に私個人のものであり、見え方には個人差があります)
・・・という前置きをしつつ、私はコントラストアップ効果をかなり実感することができました。お店で掛けてみた瞬間、カウンターに置いてあったPOPの小さな文字の輪郭がパキっと見えたのがとても印象的で。

そして約1か月間使ってみて感じるのが、PCモニターのコントラストアップ効果です。というのも、40代半ばに近づいたこともあり、最近モニターの文字がボヤっとするようになってきていたんです。度数は問題ないと思うのだけど、なんだか文字がはっきりしないため、気がつくとモニターを一生懸命見ていることが少なくなかったんですね。

コントラストが向上するとは、こういうことです。(画像は公式サイトより)

でも、このトライガードを掛けると文字が濃く、パキっと見える。頑張らなくても、ハッキリ見えるというのは本当に目がラクなのだなぁと。
そして、明るくクリアなのに、モニターの不快な眩しさはそこまで感じない。いやはや、これが何だか不思議な感覚なのです。もう最近では、疲れているときにはこの眼鏡に手が伸びるようになりました。

ちなみにこのトライガードには、コーティングによりさらなる機能を付加することができます。私は、レンズ裏面に反射する紫外線をカットできる「トランジェUVプラス」というコーティングを選びました。
眩しさを軽減させコントラストを高める「ネッツペック」を選ぶこともできたのですが、これにするとトライガードのみのコントラストアップ効果がわからなくなってしまうと思ったので、今回は見送りで。ネッツペックにしたら、さらにどれだけコントラストが高まるのかは気になるところです。

私にとっては、なくてはならないものに

というわけで長くなってしまいましたが、私自身は本当に作って良かったと思っています。字の小さい文庫本を読むとき、夜のリビングで子どもと折り紙をするとき、爪を切るとき、細かな説明書を読むとき、などなど。「なんか見えにくい」というシーンにおいて、パキっと見える心地よさったら。例えるなら、”普通のスニーカーでも走れていたけど、ジョギンク用のスニーカーを履いたら快適にサポートされてもっと走りやすかった!”、みたいな感じでしょうか。それゆえ、メインの度付き眼鏡と併用しながら、ここぞというときに掛け替えて使っています。

※コントラストアップの感じ方は人それぞれ

さて、私はこのコントラストアップ効果に感動しているわけですが、そもそもこの効果が必要でないと感じる人もいるでしょう。

正直なところ、10年前の私には必要のない機能だったかもしれません。そう、むしろ私はこれまでコントラストが向上するレンズを避けていました。なんというか、文字がパキっと見え過ぎることで逆に疲れてしまうことがあったんですね。スーパーに買い物へ行くと、もうすべてのパッケージがくっきりはっきり見え過ぎてしまって。怖いぐらいに。

それが今では心地よいということは、私も年を重ねてコントラスト感度が下がってきたということなのでしょう・・・。必要なレンズは、年齢やシチュエーションによって変わってくるのだなということを改めて実感しました。

また、すべての人がこの効果を感じられるわけではないようです。トライガードで検索したところ、「とくに視界の変化を感じなかった」という眼鏡店さんの意見も目にしました。それゆえ、必ずお店にあるテストレンズで確認をしてから作ることをおすすめします!


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