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私を支えているもの

大学生活の2年半。
ほとんどいつもゼミの教授と一緒にいた。

『先生授業ないー?ひまー?研究室行っていいー?』
『先生お弁当一緒に食べよー?友達も連れてくねー』

ゼミ選びの時

何人もの生徒が断られてた。
わたしも当然断られた。

「あなたの居場所はここじゃない」
「僕はもうゼミ生はとらない」
「あなたの成績で何故ここにくるの?」
「他を当たって下さい」
「分野が違う」
「明確な研究テーマがないと無理」

とにかくめちゃくちゃ断られた。
それでも

『先生、わたしここの棚からここの棚の本全部暗記します』
『小学校5年生の教科書から勉強しなおします』
『歴史の教科書ください、全部覚えてきます』

そしたら、先生

「じゃあこれ貸すよ、これ全部覚えたら全国トップだよ」

って、歴史の教科書をわたしに貸してくれた。

先生がとってくれたゼミ生は、わたし1人だけだった。

誰にも邪魔されずに好きな事やれるなって思った。

マンツーマンのゼミは、基本ほぼお喋りで終わってた。
それがとっても楽しかった。
私がなにを言っても否定しない、疑問に思った事は教えてくれる。

「色んな生徒見てきたけどあなたは特殊だよ」

って言われたのが嬉しかった。

今までテストの点数とか誰にも言えなかった。でも、先生には言えた。

『見てみてー!また100点とったんだよー!わたしって天才でしょー!褒めていーよー!!』

「え!すごいじゃん」

『うん。簡単だった、本当にどこが難しいのか分からない』
「そっか。そうだなあ。分からないって人にその知識を上手く伝えることが出来たらそれは本物だよ」

『そうなの?じゃあまだ見ぬ後輩のためにレポートとか残しておく!
あ!聞いて!わたしレポート友達に貸す用と、提出用作ってるの!
多分理解できないよなって思って、貸す用は簡単にしてる!』

「あなたばかなのwwww」

気を使わない会話がとてつもなく楽しかった。

「将来なにになりたいの?」
『えー!探偵とか?なんか楽しそう!あと絶対飲み会とかない会社。あーゆーのマジ無理』
「ははは、社会不適合だなあ~^^」
『ほんとはね、大学院行きたいの。でもお金ないから無理!平凡に暮らせたらそれでいいかな!』

周りの友達から「娘と孫」って言われてた。

教授だけど、なんか敬語とかほとんど使えないし
すごい立場のある人だって知ってるけど

「先生!聞いて!今すごいギャグ思いついた。これほんと面白い」
『なに』
「この論文、引用していんよー!」
『かえれwwwww』

ギャグとか変な事めっちゃ言ってた。
就活の時も

「先生!コネないの!コネ!1つくらいコネあるでしょ!!」
『いやね、あったらすぐ言ってるから、これは本当』

って、コネないの!ってめっちゃ言ってたけど全然怒らなかった。

めちゃくちゃ尊敬してたし、友達と一緒にいる楽しさとは別の楽しさがすごくて
研究室に入り浸った。

卒論も楽しかった。先生と相談しながら一緒に論文書いて、調べものして。

「卒論の域を超える、超えてしまう」

って言われたのが、すごく嬉しかった。

みんなと違うって感じてたから
私が本当に好きなことに打ち込んだらどうなるのか知りたかったから、

「卒論の域を超える」

は、すごく刺さった。
今でもずっと、大切にしてる。

本当に尊敬してる教授に、本当に光栄な一言を貰った。

卒論発表会は、恥ずかしくなるくらい先生はわたしを褒めた。

「孫かよww」「孫じゃんww」

って友達、笑ってた。

発表会終わった後のパーティ、僕はそういうのは出ない。って言ってたから、

『はい!焼きそば持ってきてあげたよ!感謝して!!!食べていいよ!!』

って持ってった。

「お腹すいてたんだよー!頂きます」

って食べてた。
忘れられない2年半だった。

わたしのやった事は「卒論の域を超える」この一言が、人生の自信になってる。

後輩に聞かれた。

「何が1番大変でしたか?」

大変な事?そんなの何も無かったよ。
全部楽しかった。

だから、本当に自分の好きな事やって下さい

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