この記事掲載の経緯
これは別件資料を探している時に偶然出会った米軍の資料です。取り立てて騒ぐ様なことでは在りませんが、この様に普通に女性を集め「売春宿経営」をしていた実例でもあり、米軍の捕虜調査では、この辺りを日本叩きの材料とする意図で聴取し、調書に載ることになったものと推察します。
軍事情報の聴き込み目的でしょう。船舶の航跡と護衛の有無等を細かく記録している。
尚、この記事はまだ符合が充分とは言えず、未完成である。逐次加筆訂正して行く予定です。
米軍記録の捕虜調書の画像
文字化した英文
※注釈
【生地の特定】HOKAIDO:道名と思われる「黄海道」と推定中、HOZANGUN:は郡名と思われ「鳳山郡」と推定中、KIEMEN:面名と思われ「亀淵面」と推定、但し最後の「SHININRI」だけは、今回推定出来る資料符合は無かった。
【運輸事業会社統合】MARUTSU:これは丸に運のマークを付けた日本通運のことをそう読んだものと推定し考える。「MARUBOSHI」は調査出来なかった。
【新聞販売代理店】OSAKA MAINICHI:これは大阪毎日新聞の販売代理店と推定。
【満州国の英名】MANCHUKUO
【満州内の滞在地】TUNGSANMALU: 不詳(ペンディング状態)
【満州国の首都】HSINKING: 新京
【満州国の牡丹江】MUTANCHIANG: 牡丹江
「釜山港」FUSAN: 釜山
「白山丸」HAKUSAN MARU、(後述船歴で照合する)
JALUIT(ジャルート環礁、現マーシャル諸島共和国)
【捕虜の名前と人数】名前が2名分記載とも思えるが、創氏改名で日本式の氏名を取得。従来の姓の両方を名乗った為と推定される。調査側は目的として朝鮮人であることを重視し先に朝鮮名、後に日本名として記述。姓は金、氏は金山、名は「Hyengam」と「Masao」の綴りから漢字が符合するものと推定するしかない。ここでは取り敢えず、DeepL機械翻訳が選択した「昌男」を当面は暫定使用しておく。自分の現在の韓国語発音の認識力ゼロ状態では、候補の漢字が「Hyengam」に相当し日本読みが「まさお」に成るものは見い出せていない。「まさお」の名前候補をGoogle翻訳でハングル読みさせて「Hyengam」に近いものを探したが無かった。「享」の字なら発音は近いが、日本語名で「まさ」とは読まない。一般的でないな読みの漢字を当てたとは思えない。「兄」と言う字も近いが、金家のの系譜を継ぐ長男の意味で、名の代わりに「兄男」と自称した可能性もとかも考えるが、無いでしょうね(笑)。後は、学歴から名簿を辿れば名前の確定は可能だと思う。今は、保留としておくことにする。
JALUIT(ジャルート環礁、現マーシャル諸島共和国)
該当箇所の和訳は次の通り。
売春宿経営は、親が反対していたくらいなので決して風聞は好ましく無かったのだろう。(但し裏読みすると、勝手に始めたが官憲の取締で他所へ活路を求めた、或いは、始めから女性を集め他所で売り飛ばすつもりの所業であった可能性もある[2022-02-21に追記分])。満州に女性を連れて行っている。但し、この事業が、許可を得た正式のものであったかは判らない。抱え主としての営業許可と女性の移動の手続が、この様な形で出来たのかは多少疑わしいと、法令視点から今の自分には思えてしまう。単に女性を周旋業者として売飛ばに行っただけであった可能性もある。
彼はこの高収益の事業を短期で辞めている。多少眉唾の盛り話とも視えるが、高収入な優秀な人材だと主張しています。
父親の会社の閉鎖は、日本通運株式会社への業務統合の影響だったのでしょか。
この日本通運株式会社の動きが半島にも及んだとしたら、1941年の父親の会社が失くなったと符合可能性は在る。でも名前は「日通」だ。
突込み処は、沢山あるが、取り敢えず全文の和訳と原文を以下に添付シておくことにする。
証言の時空系列検証
年表部分他の時空系列の検証をして試ようと思う。符合出来たものを以下に掲載して行こうと思う。掲載順は資料抜粋を先に載せ、結論を付記させて頂く。随時加筆して行く。
白山丸の船歴
この朝鮮人捕虜は1943年3月23日〜4月19日に白山丸に乗船している。それを資料「白山丸 - 特設艦船」と符合して試た。下はその抜粋引用である。
抜粋した白山丸船歴にある通り、何れも2つの資料のみの符合です。
この時期に白山丸は、石炭のある「三池港」から「釜山港」の航路を執っている。三池港出向は21日。
証言通りならば、この捕虜は便乗者1,205名乗船の一人と推定され、且つ、23日には白石丸への乗船が開始されていたことになる。この捕虜はこの乗船時を出向日として証言したものと推定される。
白山丸船歴によると、出港は翌24日、証言の正確性を信じるならば、未明の釜山港からの出港だったのかもしれない。
「護衛無しの出航」とされたのも、沖にて第8326A船団編成と~03.27 館山沖にて船団解列で、符合。
「3月26日 - 白山丸、横須賀に入港」の証言記録とあるが、船歴では「~03.27横須賀」と在り、食い違う。※記録時の米国時間と日本時間の解釈差によるのかもしれない。
事実確定には、それぞれの記述の付帯資料や他の一次資料との符合が必要である。この辺りの曖昧さが、中華圏に属する3ヶ国系の学者には目立つので、ここはハッキリと明言しておきます。
符合が多ければ、確からしさの推定は強いものには成る。でも必ずしも事実とは限りません。単純に学術研究上の尺度として、評価ポイントになり、そうでない意見を論破出来るだけのことです。その辺りは、脳裏に踏まえて読んで頂きたい。最悪「神のお告げ」的意見が史実のことも在り、どれだけ一次資料と符合が出来ていて異論が無くとも史実ではないとも在り得ます。
個人的には、「心地良さ」を基準にした意見は「神のお告げ」的意見にも該当しないものとして原則除外します。そして、異論無き一次資料の裏付けの在るものを「現時点での史実」(通説)とする立場です。
変更履歴
誤謬校正
2022-02-21 my mistake of type
変更前: NAVY NUMBER 128 (ONE-TWO-DIGHT)
変更後: NAVY NUMBER 128 (ONE-TWO-EIGHT)
翻訳修正
2022-02-21 同一人物の名称なので、それを明確にする為の変更
変更前: 名前:キム・ヒョンガン(韓国人名)、金山 昌男(日本人名)
変更後: 名前:キム・ヒョンガン(韓国名)、金山 昌男(日本名)
加筆
2022-02-21 次頁があることが、画像の写りから判明、検索したが見付からず。暫定で、反転画像からの読取りを開始。
飛行機2機等、米軍側の興味を持った聴き取りが続いていることが理解った。残念ながら内容解釈には及ばない。
2022-02-21 満州へ女性を連れて行った件、裏読み解釈の可能性を追記。