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Space #6 フィッティングルーム

(ジェジュンのエッセイ「Space Seoul」を勉強がてら訳してみました)

スペース1:レコーディングルーム、スペース:7舞台、スペース5:練習室、スペース4:MV撮影、スペース3:車の中と進んで、次はスペース6:フィッティングルームですな…。これが終われば@1章!


꾸며야 할 될 때와 그럴 필요가 없을 때를
구분할 줄 알게 된 것이기도 하고,
무엇보다 옷을 고르고 입는 태도가
확연히 달라진 것 같다.


飾り立てなければいけないときと、そういう必要がないときを
見分けることがわかったということもあり、
何より服を選んで着る姿勢が
確実に変わったようだ。

写真に添えられた言葉

옷은 작품을 설명하는 좋은 수단이다.
모든 아티스트가 그 전략을 따라가는 당연한 일이다.
노래와 함께 전달하고자 하는 이미지고 이야기다.


衣装は作品を語る良い手段だ。
すべてのアーティストがその戦略を追うのも当然のことなのだ。
歌と共に伝えたいイメージの物語だ。

写真に添えられた言葉

Intro
蒸し暑い天気なのでTシャツとショーツを着て出た。毎日繰り返している録音スケジュールで心が干上がり、ジャケット写真撮影をする日だが、現場にメイクやヘア、衣装まで待機しているので、服装に気を使う必要を感じなかったようだ。撮影現場にかなり遅く来た事務所の先輩が私の上下をちらっと見て何気なく言った。「最近は着てくるものにぜんぜん気を使ってないようだね」。私の身なりを見れば言い逃れはできない…。ああ、なぜ熱が出るんだろう。

Part.1
いつからか、Tシャツやニットにジーパンを一番よく着ている。20代初めの頃は家の前に出るときでも、鋲だらけでずっしり重い皮のジャケットで、持っているアイテムをフル装備していたことを考えると、少なからず変わったのは事実だ。飾り立てなければいけないときと、そういう必要がないときを見分けることがわかったということもあり、何より服を選んで着る姿勢が確実に変わったようだ。

言うまでもなく仕事は「表現」することだ。歌でも演技でも、何かを見せる時、裸で立っているのでなければ、スタイリングは常に側にある。そしてすべてのスタイリングには明確な理由と目的がある。ビートルズの暑苦しいひげや花模様のプリントのシャツ*1、プリンスのビキニやハイヒール*2、X JAPANの濃い化粧と色とりどりに染められた髪*3、カート・コバーンの破れたジーンズと長くなったシャツ*4は、単に彼らの好みではなく、メッセージがこめられたイメージだということは誰もがよく知っている。ビートルズは当時、ベトナム戦争という状況で反戦という旗印の下、既成の世代が作り享受していた文化とは正反対へ行くということを見せたかったのだし、プリンスは性に対する定型化した観念を混乱させかき回す自信のエロティックなサウンドを刻印したかったのだ。青や緑に染められたX JAPANのヘアスタイルは自分たちはこの世界の存在とは違うと表明したかったのだし、カート・コバーンの破れたジーンズは、皮パンと共にステレオタイプになってしまった先輩たちの音楽に対する反感と嘲笑だったのだ。人々の解釈が全部間違うこともありえるが、それでも変わらぬことは、彼らの衣装が彼らの作品を語る良い手段である点だ。そしてすべてのアーティストがその戦略を追うのも当然のことなのだ。私がジャンルを変えた後、チーム活動をしていた時期と多くの部分でスタイリングが変わったことも同様の理由だ。今の私の音楽には、地球を侵略する宇宙人に遭遇し闘うために即、出動するような衣装は似合わない。

新しいアルバムのために進められているジャケット撮影なので、私のスタイリングを以前と変えなければならず、奔放でありながら同時にクールなトーンでなければならない。もっとも軽やかに落ちるフィットで生地は絢爛でも、パターン自体はベーシックな方がいい。全体的にやり過ぎに見えないことも重要だ。そのかわり、アクセサリーでディテールの面白さを出すようにする。結局、これが私の新しいアルバム<BORN GENE>が持つ性格だし、私が歌と共に伝えたいメッセージだ。私にとっては、着飾ることくらい重要度が高い仕事だ。だからどうでもいいときに半パンTシャツを着て出ることができるのじゃないかな。

Part.2

歌手活動をしながらいろいろな人たちと会って発見した興味深いことのひとつは、服について、人によって本当に多様な考えを持っているという事実だった。そして流行に全然気を使わない人が、思ったよりはるかに多いことがわかった。服を選び着るとき、トレンドとは無関係に自分だけの基準を持ち、一生に一つか二つのスタイリングを固守する友人たちにも多く出会った。どの友人も驚いたことに30年たっても同じスタイリングで通っている。だいたいクローゼットには着る服がひとつもなく、わずか1年前の写真でもださいと感じる私にとっては理解しがたい。さらに興味深いことは、このように流行に無関心な人たち同士が互いに眺め合う視線だ。ウェスタンブーツにタイトなパンツ、太いバックルなら私たちの基準では「オールドだね」と言う人が多いようだが、彼らは違う。「あの人はああやって着こなすんだ」などと思っているように見えた。最初は単に無関心なのかと思っていた。

多様な人たちに揉まれながら過ごした時間が長くなるにつれ、ぼんやりと彼らの考えを理解するようになった。まず、私が誤解していたことから話してみよう。彼らの態度は、何気なさというより寛大さに近い。個人的な経験と感想を安易に一般化することはできないが、私が会って話をした人たちは大体そうだった。みんな自分の望むように着ているという事実だけ判断するのだ。ださいとか、洗練されたという風な価値判断をしなかったのだ。

さらに踏み込めば、彼らにとって服はアイデンティティを現す自然なやり方で、コミュニケーションの基礎的な手段となっているのだ。最初に会った時、名前の話題から相手と会話を始めるのに似ている。着ている服を通じて相手に対し基礎的な情報を与えているのだ。流行という理由で選んで着た服ではないので可能なのだ。服を通じ相手の性格を類推することもでき、職業までも当てることができることもある。服は自分の好みを現すだけではなく、ライフスタイルを現し、時には人生の目的や方向までさらけ出すものなのだ。単に似合う、似合わない、高価だ、などとは関係ない話だ。

このような硬いで自身をさらけ出すことが基本的な礼儀だとまで考える人も結構いるようだ。自分が誰なのか服を通じて知らしめる必要がある状況では、着る服を通じアーティストがアイデンティティーを先に見せるのがマナーなら、相手を尊重する心からそのマナーを守るために努力する。これほど、状況や場所、目的やコミュニケーションまで考慮して服の着方に気を使っているんだから、時々は半パンTシャツを着て出ることができてもいいんじゃないか。

Outro *5

ちょっともっと楽な服を選ぶ方に行ってみても、体の管理が必ず必要だという冷酷な事実と向き合う。望みの服を望むフィットで着こなすためには運動を必ずしなければならない。もちろん健康のためという理由が最優先だが、結局、きれいな服をきれいに着るために、たゆまず運動している訳だ。普段、裸になっているわけじゃないから。

151004 지상군페스티벌 프린지 오후 - 김재중 2.떼창연습+하늘을 달리다 - YouTube

一人で映画撮影に行ったような キムジェジュンの軍人ビジュアル - YouTube

軍隊生活をしながら運動にどっぷりはまり、筋肉がついてかなり逞しくなったことがあった。国防バルクアップ*6が頂点になったとき、つまり除隊直後の姿を好んでくれた人たちも結構多かったことを覚えているが、除隊後、わずか1カ月で9kg落とした。家にある服を見て好きな服のサイズに体をまた合わせたのだ。

運動と共に食事量の調節も必要だ。問題は、私が服も好きだが美味しいものも好きだということだ。「美味しい(マシッタ)」と「かっこいい(モシッタ)」の内的闘争だ。食べることよりも着ることに力を注ぎ、食欲を抑える意思を発揮するため不断の努力をしている。着こなすということはこれほど大変なことなのだ。好きなもののために日頃これほどまでに頑張っているのだから、たまに半パンTシャツを着て出てもいいじゃないか。


*1
「ザ・ビートルズ:Get Back」|特別映像|Disney+ (ディズニープラス)Get Back メイキング - YouTube

*2 
When You Were Mine - YouTube

フランク・オーシャン ジェンダーの壁を打ち破ったプリンスに捧げた投稿

*3
X Japan - Sadistic Desire Tokyo Dome LIVE (1993.12.30) 60fps - YouTube

*4
KURT COBAIN PERUANO - " WHERE DID YOU SLEEP LAST NIGHT " en YO SOY (PERU). 30 MAYO 2012 - YouTube

カートコバーンが生み出した10のファッショントレンド | MINARI.(ミナリ)

*5
アウトロ(英: Outro)は、音楽用語であり、楽曲の終わりの部分を指す略式の表現である。

*6

バルクアップとは単に体重を増やすことではなく、筋肉を発達させて体を大きくしていくこと

本物のバルクアップを目指そう! | POWER PRODUCTION MAGAZINE(パワープロダクションマガジン)


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