見出し画像

AIの未来の在り方



1、AIが描いた絵画「Edmond De Belamy」が当初落札価格は1万ドル程度と予想されていたが、実際はその40倍以上となる43万2500ドル(約4900万円)で落札された。このニュースは当時の私を驚愕させた。歴史に名を残した芸術家が命を削って作り上げてきた作品と同じ値段で取引されている絵画は、AIが数分で自動的に作り上げたものだ。10年前の私は、AIがこれほど世界中に広がり、そして人間の作業や芸術作品に代替可能になっているとは予想もしていなかっただろう。そして、現在私もAIの恩恵を受けている。それは、AIによる楽曲の自動MIXである。MIXとは楽曲のバランスを整える作業であり、本来はプロの音楽エンジニアが行うが3万円程度払うだけで、プロと全く同じクオリティーに仕上げてくれるソフトが手に入る。MIXには専用の知識が必要なので、時間短縮や音質の訂正のとても役立っている。気づけば私も無意識の内にAIを利用していた。

画像1


 2、そこで今回は、あらゆる職業の現場でAIが利用されているという現状を踏まえつつ、明石にあるふくやま病院にインタビューに行き、AIがどのように利用されているか、今後AIはどのように利用されていくのか聞いてきた。ふくやま病院に訪れると私は病院にいるという感覚ではなく、近代的で自由なスペースにいる感覚がした。その理由を譜久山さんは教えてくれた。譜久山さんは、地元の人が何気なく立ち寄れる、自由な空間を目指して作っていた。それは、デザインにも顕著に表れていた、堅苦しく怖い雰囲気の病院ではなく、自由に使える図書館や、待合人のための和室、津波対策で高くしている一階の天井さえ近代的に思えた。私は、譜久山さんに本題である未来のAIの在り方と、この病院ではAIはどのように利用されているのか、そして、どう感じているのかを質問してみた。「どんどんアシストしてもらおうと思っている」譜久山さんはAIの導入に肯定的だった。ふくやま病院ではMRIやCTにAIをすでに導入しているようで、とても助けられていると言う。そして、AIの今後の可能性についても語ってくれた。それは自動車のAIによる自動運転だ、もしこれが今より普及すると、事故は減少するだろうし車は家と職場または家と学校を繋ぐ一つの「空間」として捉える時代が来てもいいと言う。ただ、譜久山さんはAIについて懸念している点もある。それはAIの信頼性である。例えば、自動運転なら酔っぱらった人が乗るとどうなるのか、事故を本当に未然に防げるのかなどが考えられると言う。そこで始めは高速道路で試行するなど、あらゆるAIにはまだ実験が必要な物もあると言う。そして、最後に譜久山さんはAIと共存する社会が来ればいいと言う。例えば病院なら、AIが精密に検査できるかもしれないが、患者さんとの空気感や話しやすい場の雰囲気は人間にしか作れないので、AIと人間がお互いの長所を生かせる社会を目指していると言う。また、高齢の方でも分かりやすいスマートフォンの普及により、自動運転・コミュニケーションのためだけではなく高齢者の血圧を自動で測定したり、健康状態を表示してくれたりと、すでに浸透しつつある身近なAIが今後来るであろう超高齢化社会で活躍してくれることを願っていると言う。

画像2


 3、イギリスのオックスフォード大学は、近い将来に現在ある仕事の90%は機械(AI)に置き換えられると公表した。具体的な職業で言えば、資料整理、文字入力、機械操作類などが挙げられる。しかし、AIにはできないとされている職業も多く存在する。グラフィックデザイナー、ケアマネージャー、経営コンサルタントなどだ。もちろんこの他にも多く存在する。今後は、選ばれるのではなく自ら職業を選択し、働くか働かないかを選択する時代になるのかも知れない。私は、趣味で音楽を作っている。そして、今はAIの技術がなければ完成度は上がらないし、AIがあることによりプロの音質に近づいていると思う。しかし、それは私のメロディーのアイデアが無ければ始まれないことだ。AIは1を100にしてくれるが、0から1にはできない。つまり、AIにできなくて人間にできることが確実にある。そして、それが今後この世界を生き抜いていくための大きな答えになると思う。(18の未来予想のテーマのロボットによる自動化する社会)。さらに、AIの登場により新たに生まれる職業もある。最高信用責任者(CTO)、サイバー都市アナリスト、人間と機械の協働責任者などである。AIの登場で、仕事がなくなるというネガティブな意見が多いが、私はプラスにとらえている。AIによる作業の効率化のおかげで、営業マンをしながらグラフィックデザイナーをしたり、介護施設でヘルパーをやりながら音楽活動をするなど優秀な人材がさらに活躍できる時代がくると思う。AIに乗っ取られるのではなく、大事なのはあくまでもAIによって代替「可能」ということである。AIと人間が共存するためには自分は何ができるかを深く考え、人間にしかできないことを伸ばしていくことが、明るい未来の在り方だと思う。

※画像引用サイトhttps://www.bigdata-navi.com/aidrops/681/ AIが仕事を奪うとは?なくなる仕事・残る仕事とAI時代の職業選択のポイント


(堤智洋)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?