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やりたいことをやる前に、まず自分の“できる”を増やす

 将来やりたいことや将来の目標が漠然としている人は少なくないだろう。そのためには、まず自分の『できる』ことを増やしていくことが重要ではないだろうか。

就職活動に悩む3人の大学生が株式会社ワコール ホールディングス ダイバーシティ・グループ人事支援室の室長として勤めながら、現在、京都造形大学で勉強している鳥屋尾優子さんに対してインタビューを行った。

彼女は、入社後、経理・財務部門に配属。その後、宣伝企画部長の課長を経て、ワコールがオープンする「ワコールスタディーホール」の館長に就任。そして、現在は、ダイバーシティ・グループ人事支援室長を勤めていらっしゃる。

インタビューを通して我々が学んだことは、自分がやりたいこと、会社のためにやらなければならないことをこなすためには、まず自分が「できる」ことを増やしていくことである。

「やりたいことを仕事にしてる人が人生において成功者で、やりたいことが仕事にできなくって、作業として仕事をやってるみたいな、そんな人生は不幸せな人生みたいな、なんかそういう雰囲気が嫌なのね。」と、彼女は語る。

やりたいことを仕事にしている人間は、あまりいないと改めて実感した。そして、彼女は入社して気づいたことがあるという、それは、人間には、「できること」と「やらなければならないこと」と「やりたいこと」の三つである。この三つがあった時、その三つが重なる部分ができたら一番幸せなのではないか。会社から必要だと感じられ、自分の能力も発揮できて、かつ自分がやりたいことができるということ。

まず自分の「できる」をどんどんどんどん増やすこと。そうするとそれが大きくなっていく。次に見るのは、やらなければならない仕事っていうのに何があるかっていうのを見ていく。それは自分の会社をよく知ること。

自分の会社を知って、会社では何をやらなければいけないのかを見ていくことで自分のできることと会社に対してやらなければならないことの接点が見えてくる。それをどんどん増やしていって、自分のできることを増やして、会社でやらなければならないことが見えてくることで、「やりたいこと」がまた別の形で見えてくるという。

彼女が「できる」を増やしていこうと思ったきっかけは、スクールの館長を任せられたときであるという。スクールをやろうとしているのに、ワークショップをデザインするっていう知見を持っている人は多分いないだろう。そして、京都の美しさとか京都の歴史、芸術みたいなものを体系立てて勉強して、スクールカリキュラムを体系立てて作れる人はいないだろう。そう考え、彼女は「京都造形芸術大学」に入学した。芸術を体系立てて勉強するっていうことをしておくっていう人がひとりでもいないと、多分このビジネスはうまくいかないと考えたそうだ。
彼女のその勇気に感銘を受け、ビジネスを成功させたいという熱意が伝わった。

そして、現在の彼女の目標は、まず大学を卒業すること、そして個人的な活動を開始しようと考えているそうだ。

今回のテーマをもとに調査した結果、現在では「副業を解禁すること」が行われている企業もあるそうだ。この会社は、成長を「できることを増やすこと」と考えており、できることを増やすためには、時間の創出と、機会の提供が大事と考えた。つまり、副業を解禁することで、個人の成長に繋がると考えたのだ。メリットとして、副業をしたいと思う人材はスキルも能力もあるし、時間創出もできている。そして、そういう人材は副業をすることでさらにモチベーションが上がり、さらに良い仕事環境を生み出しているということだ。デメリットとして、本業がおろそかになることや、ノウハウの流出があるが、メリットの方が大きいと考えたのだ。実際に、その会社では、副業を解禁して、狙ったとおり、時間の創出が成長=機会の提供になったという。

今回のインタビューで学んだことは、自分の「できる」を増やしていくことで、会社に対してやらなければいけないことに繋げ、そうして見えてくる自分のやりたいことに自分の培った能力を発揮させる。

我々は、現在、将来のやりたいことが見えずに悩んでいる。そんな悩みを抱えた人はたくさんいるだろう。やりたいことを考える前に、自分が「できる」ことを増やしていくこと。これが一番大切なのではないだろうか。

18の未来予測のテーマから選んだものは、「知識よりも経験を語ることが重要になる」である。「学問なき経験は経験なき学問に勝る」ということわざがある。意味は、経験に勝るものはないという意味である。確かに、「できる」を増やしていくにはまず経験が必要なのではないだろうか。経験して知識を増やしていくことで、「できる」がどんどん増えていくのではないだろうか。知識ばかりを積むのではなく、まず経験から始めることが大切だと考える。

文: Mayuko.Y

参考文献
1 https://www.pr-table.com/basicinc/stories/860 
「PR Table」 basic 「成長、つまりできることを増やすこと」のために、僕らは時間と機会を創出する


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