ROOM’s Circle by M Vol.2「高嶋大介さん/株式会社 INTO THE FABRIC 代表取締役 」
ミラツクのメンバーシップ「ROOM」で展開する「ROOM’s Circle」。コミュニティ内外から素敵なゲストをお招きし、緩やかにお話を伺うオンラインの場です。テーマではなく人にフォーカスし、ゲストの魅力を通じてネットワークや繋がりを創造してきました。
ROOMメンバー主導で始まった新しい取り組みROOM’s Circle "by M"、第二回ゲストは株式会社 INTO THE FABRIC 代表取締役の高嶋大介さんです。
高嶋大介(株式会社 INTO THE FABRIC 代表取締役 ・けもの道クリエーター・ 100人カイギ founder ・見届け人)
自律的に働く人が増える社会をつくりたいと考え、INTO THE FABRICを設立する。「けもの道をつくりながら企業の可能性を探す」事を得意とし、組織/戦略デザイン、コミュニティデザイン、イベント/マーケティングを行う。ゆるい繋がりがこれからの社会を変えると信じ「100人カイギ」をはじめ、広義な人をつなぐ場をつくる活動を行う。サウナと散歩好き。
▼「100人カイギ」ホームページ:https://100ninkaigi.com/
ROOM’s Circle by M Vol.2本編
『地域コミュニティの可能性』がテーマの第二回。ゲストの高嶋大介さんが「100人カイギ」の取り組みについてお話してくださいました。
高嶋さん
こんにちは。INTO THE FABRICという会社で、イベント・マーケティング・企業研修を通じて働く人が生き生きと自律的に働ける環境を作っています。会社の事業の一つとして「100人カイギ」というコミュニティプラットフォームづくりも行っています。横浜在住ですが、外出の機会が減ってジムとの往復の日々です。最近、改めてマーケティングを学びたいと大学院に通い始めました。
Q:「100人カイギ」とは?
高嶋さん
地域で働く100人からお話を聞くイベントです。毎回地域で働く5名の方をゲストに迎えて2時間仕事と想いを聞き、ゲストが通算100人集まったら会議を解散します。解散するのは特徴的ですよね。長く続ける事を目標にされる方もいるので、よくユニークだと言ってもらえます。
高山:私も千代田区の100人カイギに携わっています。
高嶋さん
ゲストはよく知られている方ではなく、地域に普通にいる人をお呼びしています。また、自薦の方はお呼びしていません。参加者の「自分にもできるかも」を大切にしているからです。今は57地域で参加者が約25000人になりました。積極的にプロモーションしているのではなく、新しい地域での取り組みは過去の会議の参加者が始める事が多いです。
Q:「100人カイギ」を始めたきっかけは?
高嶋さん
2016年港区での会議が皮切りです。港区は働く人口は多くても暮らしている人の数は少ない。そして、企業で働く多くの人は外の人を知らないという問題意識がありました。僕自身は人見知りで、知らない人に話しかけに行くのはしんどいと感じるタイプです。電車の中で人が倒れても無視してスマホをいじっているような時代。知っていれば助けるのに。このような現状を変えていきたい。地域の人と知り合える、人見知りでも居心地のいい場所を作りたいと思いました。
Q:なぜ「100人カイギ」は最後には解散するのでしょうか?
高嶋さん
すでに始まっている計画って初見には入りづらい雰囲気がありますよね。新参でも入りやすいようにしたかった。場を壊す人が現れても対応しやすく、回を追うごとにモチベーションと熱量が終わりに向けて高まっていくというメリットもあります。また、場がなくなるだけで、一度生まれた人の繋がりまでなくなるわけではないです。
初回の港区での会議も実際にやってみると司会進行をしなくてもいいくらいの熱量が生まれて、ゲストの方が話すだけで皆さん喜んで聞いてくださいました。カリスマ的な方が中心にいるようなカイギじゃなくて、このフォーマットでだれでもやれる場なのではないか、もしかすると他所でも再現できるかもしれないと思い、再現性を検証すべく社会実験する事にしました。運営者を募って渋谷区100人カイギを立ち上げ、その後別の地域にも広まって行きました。60地域それぞれに運営者がいて、繋がりを作れる場になってきたように思います。毎年11月の100人カイギサミットでは各地の運営者が選んだ全国の面白い人たちが登壇してくださいます。
高山:ありがとうございます。私自身も千代田区でこれから頑張って100人カイギをやっていきます。ところで、コロナ禍でオンラインカイギをやるようになりましたが、オンラインならではのイノベーションは起きていますか?
高嶋さん
始まった当初からオンラインという地域もありますね。みなさん参加者が入りやすい仕組みづくりを工夫されています。季節を意識して浴衣を着てイベントをしたり。横浜では横浜駅を通る6路線鉄道会社をゲストに呼んだり、地域ごとの特徴を出して盛り上がっていました。
僕自身はどのような繋がりが生まれたかをあまり細かく追っていません。繋がりを作る場を提供する事とその後のコミュニティマネージャーを務める事を両輪でやろうとすると、非常に高度な設計が必要になってしまいます。参加者同士が「ランチした」「一緒にプロジェクトを興した」「会社にジョインした」「結婚した」などという話は聞きました。
とても大きなイノベーションが生まれているというよりは小さな繋がりがたくさん増えているようで、運営者自身がどんどん外に出ていくきっかけにもなったと聞きました。
●収録参加者からの質問
Q:100人カイギの第一回の下準備は大変でしたか?初回ゲストを呼ぶ際など工夫された点はありますか?
高嶋さん
最初のゲストは身近な知り合いです。初回の参加者が面白そうだったらお声かけして、登壇者からも紹介していただけるようになってさらに繋がりが広がりました。毎回手探りなので、名刺交換すると名前より先に住所から見ちゃうようになったり(笑)。また、必ずグループを作ってから始めることをお勧めします。一人で始めるのは大変すぎますし、4人いればその分人脈も広がります。
Q:毎回コンセプトを設定して登壇者を集めていますか?
高嶋さん
テーマは設定していません!勉強会ではなくて、登壇者の自己紹介をみんなで聞く場としてのイメージを大切にしています。オフライン開催で40名、オンラインだと20名くらいの参加者です。
Q:京都では会のグラフィックレコーディングもされてて、記念になりとても良かったですが、会場ごとの独自性にどれくらいの幅がありますか?(京都カイギ登壇者からの質問)
高嶋さん
「100人カイギ」では極力ルールを減らしたくて2時間での開催と5名のゲスト招致くらいしか定めていません。面白い取り組みをやっていたとしても基本的には私は関与していません。川原や酒蔵、旧校舎での開催など面白い会場もありましたね。
ーー交流の場があり、盛り上がってすごく楽しかったです。
高嶋さん
交流の場はあえて短くしています。当日盛り上がるのではなく、後日盛り上がる繋がっていく事を狙っているためです。
Q:目的を決めずに開催するという点が良かったです。固定させないというアイデアはどこから生まれた?
高嶋さん
テーマを決めなかったのは、5名の方の話を聞く事が大事で、それ自体がテーマだからです。そもそも5名ゲストを呼ぶ事自体が大変でテーマを決める暇がありませんが。それでも開催してみると一つのテーマが見えるような気になるからすごいです。また、テーマを決めると勉強会のようになってしまうのでそれは避けたかった。テーマを設定するとその人の話じゃなくてもいいようになってしまいますので。
Q:なぜ5名のゲストなのでしょう?
高嶋さん
素人の方が話すので30分だと長くて10分だとちょうどいいという感覚があり、また、専門家によると100人に聞けばその街の事がわかるらしいので、そう定めました。
参加者からの感想
・参加しやすいプラットフォームだと感じました。自薦の方を呼ばないというのがすごい設計だと思った。
・コミュニティでの活動に苦戦していたので目から鱗でした!
・5人と100人、コンセプトを変えるだけでこんなに面白いものが生まれるのがすごい!
・京都で参加した。そろそろリアルでやりたいなあという雰囲気を感じているので他の拠点もそうなのかな。これからいろんな地域の企画を楽しみにしています。
・高嶋さんに母親的なあり方を感じた。
高嶋さん、ありがとうございました!
(聞き手:高山道亘、文章:草刈麻衣)
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