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2021年予報⑤遠キョリ関係/ Unconscious Distance

*****2020年末に公開した11個の2021年予報をnoteにて公開します。2022年予報にもご期待ください*****


ソーシャルバブルは弾けるどころか硬化し、やがて社会を分断する

身体の移動が制限されると微妙に意識もずれてくる。並行世界を生きる時代に。

親や友達と何年会えないのだろうか。
2020年は海外どころか一時は県をまたぐ事も出来ず、大きく移動が制限された年でした。緊急事態宣言解除後も、感染者数の増加すると、自粛という形で移動しないという選択をするようになりました。感染拡大を防ぐ目的で、家族や友人となど一定人数のグループで過ごす「バブル、ポッド」という言葉が広がりました。また、オンラインツールが充実し、仕事上のミーティングやイベント参加などは非対面が普通になりました。便利にはなりましたが、対面で共有できる空気など感覚的なものはオンラインツールでは補えないと感じています。

さらに、国ごとによる衛生観念の違いや、都市と地方での感染症への恐怖心の差など、住む地域によって意識が違ってきているように思います。大袈裟な言葉で言うと意識の分断です。もしかしたら、都市で暮らす人は田舎に帰省するよりも、同規模の海外の都市への旅行の方が先に行きやすくなるかもしれません。逆に地方では、都市部からの来訪者を歓迎せず、閉じたコミュニティにする鎖国的な面もあるでしょう。このように同じ国内であっても住む地域によって、いつの間にか物事の考え方や感じ方に大きな違いが生まれ、家族であっても遠い存在になってしまう可能性があります。他者を思いやる際にも、相手の居住地に合わせる意識や配慮が欠かせなくなるでしょう。

2021年予報 by VISIONGRAPH

2021年にあらわれる<かもしれない>もの

それぞれの価値観で暮らしをアップデートしていく動きが加速するかもしれません。

・若者だけで国交正常化
・地元のお客さん限定の安心レストラン
・海外からの入国者を隔離後受け入れる「観光経済特区」
・駐車場付きで車通勤を推奨する会社
・正月は実家とZoom繋ぎっぱなしでエア帰省
・顔だけ見に行くドライブスルー帰省

無意識の偏見から生まれる不平等をどう防止するか...それはここ数年間の米国の先進ビジネスの大きなテーマの一つです。日本でも履歴書から性別を無くす企業が出てきたのと同じように、顔写真や名前等も隠してスキルのみでマッチングするアプリなどが未来予報データベースの中ではよくピックアップされる事例の一つです。他にも人工知能を活用して差別表現やジェンダー軽視の文章を添削してくれるサービス、自分の気づかない偏見を気づかせてくれるアートインスタレーション等もあります。分断が強くなってもお互いに歩み寄れるようなテクノロジーやアートは、2021年には更に必要とされると思います。


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