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2019年予報⑤:Realtime-Economy 経済と病理を生む0秒

待つなんて、できません、秒で返して。
すぐ手に入る事が最優先価値に。

なかなか表示されないサイト、返事がすぐに返ってこないお問い合わせにイライラ…。年々我慢できない事が増えていく気がします。数日待てた事が1日に、1時間に、1分に、ついには0秒即レスではない事に憤りさえ感じる。空白の時間が怖いのか、未読、既読スルーも、待てない気持ちの一端が現れた言葉でしょう。
質問するとすぐチャットボットが返してくれたり、お支払いも電子マネーで即払いできたり、聞きたい音楽・見たい番組はサブスク型プラットフォームですぐ
視聴。こういう”即”、”すぐ”、”ワンクリック”である事自体に、さらに価値が出てくるでしょう。一方で、芸事・思考など一朝一夕には体得出来ないものや、誰かを失った悲しみを癒すといった時間が解決してくれるものなど、長時間をかけたものの希少性や価値が際立って高くなるでしょう。ローマは1日にして成らず、の視点も忘れたくないですね。
2019年は、関連付帯情報がすぐ見れるARメガネや、空白を全て埋めてくれるスケジュールアプリなどが流行するかもしれません。

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2019年にあらわれる<かもしれない> もの

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人工知能によってレスポンスのスピードはより早くなっていますが、2019年は0秒に近ければ近いほど価値が高くなるリアルタイムエコノミーが萌芽するでしょう。
これはチャットボットだけの話だけではありません。スマートスピーカーやARなど、0秒で情報を提供するのに最適な技術やデバイスをユーザーは待ち望んでいます。
その一方で熟練の技など“0秒では手に入れる事ができない価値”の評価もより高くなっていくかもしれません。
たとえば、
・来店前にオーダーして待ち時間ゼロで食べるサービス
・5G到来に向けた新しい形のARデバイスの登場
・サマリーを読んだ後に理解を深められる学習サービス
・空きスケジュールに焦りを感じる空白恐怖症という社会病
などが起こるかもしれません。
SXSW2017でもConversational Economy(会話型経済圏)というワードが流行しましたが、会話という形式にとどまらず、0秒の価値をどうビジネスにするか。0秒=その場!で盛り上がる人々の熱狂を複合的にどう作っていくか。その体験を作れた時こそこの経済圏が拡大するでしょう。


<2019年予報全てのダウンロードはこちらから>


ちなみに本予報の振り返り記事はこちらです:


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