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2019年予報⑨:Invisible Divided 第三の世界、哀しい分断

人類は城壁づくりがお好き。 
領土・領海・領空の次は、領電網ですか。

世界を覆い誰でもアクセスできるインターネットの独 立性や自由な精神はもうなくなってしまったのでしょ うか。LANが国境や境界線で分断され、ローカルの ルールで規制される状態、これをスプリンターネット (Splinternet)と言います。中国の独自のインターネッ ト規制は万里の長城2.0と呼ばれるほど。
古代から戦争には決まって高い城壁をつくるという歴史がありますが、ファイアーウォールが現代のそれに当たりますね。
厳しい検閲をかけたり情報監視したりインターネットの世界が年々狭くなっているのを感じます。個人データは次の石油と言われているほど未来の資源だと考えられています。外に繋がる事も厳しくするし、個人データという資産を外に出さないというのが狙いでしょう。
世界に広がった自由なインターネットは、たくさんの幸せを人々に与えし、多くの不幸な事件をうみました。インターネットが、というより人間が幸・不幸どちらもつくったのですが。しかし、その自由の範囲すら小さくなっていくのは哀しいものです。

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2019年にあらわれる <かもしれない> もの

2018年も#metooムーブメントをはじめ数多くの国を越えて広 がったインターネットミームがありました。このように場所関 係なく人々がつながることができると言われていたインター ネットですが、悲しいことにどんどん鎖国的な状況へと進んで います。2019年はこの分断がより強調され、もともとの WWW構想“世界中に広がるクモの巣”というインターネットの イメージから人々の印象が少しずつ変わってくる1年になるで しょう。それは即ちネットワーク(繋がり方)について、人々 がもっと敏感になってくる兆しと言えるかもしれません。
例えば、
• 自分のタイムラインにあえて出てこない思想の持ち主のツ
イートを表示してくれるサービス
• プライベートネットワークやP2Pなど、情報が繋がり方を気
にする人のためのサービス
などが考えられるでしょう。
SXSWはオープンな議論を大切にするために参加者に自らのコ ンフォートゾーンから出る事を推奨しています。2017年には プログラムディレクターが参加者のフィルターバブルを破るた めのSXSWガイドをブログに書いてその信念を見せました。


<2019年予報のダウンロードはこちら>

ちなみに本予報の振り返り記事はこちらです:



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