【イベントレポート】高専キャリアONLINE BizDev-weekend 東工大お役に立てればプロジェクト連動ビジネスプランコンテスト
みらい創造機構グループの高専キャリア教育研究所は、7/17-7/19の三日間、東京工業大学の「お役に立てればプロジェクト」で公開された特許を活用したオンラインのビジネスプランコンテストを開催しました!
東工大「お役に立てればプロジェクト」はCOVID-19により深刻な影響を受けた社会の再起動を支援を目的として、保有する特許131件を一定期間、無償で開放するものです。
今回のビジネスプランコンテストでは、全国の高専生や編入生が、特許の内容を読み解きながら、ビジネスへの応用に挑戦しました!
参加者:10名(釧路高専生~九州大学編入生まで全国から参加してくれました)
チーム:3チーム
<スケジュール>
1日目
開会式(チェックイン、お役に立てればプロジェクト紹介、ビジネスプランコンテスト概要説明、特許の紐解き方説明)
2日目
チームでビジネスプラン検討
※ 高専キャリアが随時オンライン(slack、zoom)でメンタリング
3日目
ビジネスプラン発表/講評、閉会式
売り方の特許だけで世界を変えられる
開会式では、お役に立てればプロジェクトTFリーダー(研究・産学連携本部 OI機構 統括CM)大嶋 洋一さまより激励の言葉を頂きました。
「コロナ禍の中で、アカデミアの私たちが何ができるのかと悩み、なんらか「お役に立てれば」と思い特許解放を行いました。今回の”特許を読み解く”ビジコンについて3つ伝えたいことがあります。
1つは、特許公報は難しくないこと。自分の関わる技術分野であれば、読める部分は読めるものです。2つ目は、どういった点に着眼すると発明できるのかを考えながら、特許を読むことで、自ら研究を行う場合も、特許を出せるアイデアに気づくことができるようになります。3つ目は、今回のコンテストで特許を取るアイデアが出る可能性があることです。
Amazonはシステムの特許(1clickで買い物)だけで他のECと差別化しました。この特許は単体では簡単なものに思えますが、その売り方だけで世界の購買行動を変えました。発明をするには、一つのことを真面目に考えて突き詰めていくことが大切です。若い柔らかい頭で試行錯誤して出てくるアイデアに期待しています。」
今回テーマとした特許は
感情極性抽出装置、感情極性抽出方法、感情極性抽出プログラム及び感情極性抽出プログラム記録媒体
主催者である高専キャリア教育研究所の菅野CEOから、「ビジコンで勝つために示すべきこと」や「ビジネスに応用するための特許の読み解き方」についてレクチャーの後、チームに分かれ、ワクワクの(試練の!?)週末がはじまりました!
感情極性抽出技術→SNSの誹謗中傷、炎上防止サービス
1.5日間の死闘の末、3チームのビジネスプランが出来上がりました。
① Twitter感情分析「TweetEmotional」
② エモサーチ
③ AgitateSaferでSNSの煽り問題を解決
3チームとも、個人向けのSNSの誹謗中傷・炎上防止サービスでしたが、ネガ/ポジ判定から弁護士連携、エゴサーチ対応、煽りやヘイトスピーチを建設的な対話にもっていく機能など、イシューの設定やソリューションの異なるサービスとなりました。
(鬼の)講評・解説
各チームからのプレゼン後、高専キャリア教育研究所 菅野CEOから、講評がありました。
「いずれもマーケットとイシューがずれていたり、ソリューションがずれていたり、うまくつながっていません。ビジネス構築という点では評価できないし、スキルが足りていないと思います。しかし、誹謗中傷・炎上防止のニーズはあり、目を付けたところは間違いではありません。サービス内容を様々考えてもらいましたが、すでにある大企業向けサービスを個人向けに振り向けるだけでイノベーションだったと思います。価格を下げるためにどうするのか、という点で特許が活かされたはずです。」
さらに、菅野CEOからは今回のビジネスコンテストにおける考え方の解説やビジネスプランの例示がありました。
ビジネスプロトコルを学んでやりたいことを実現し楽しくなろう
辛口の講評の後、菅野CEOから熱いメッセージが贈られました。
「どんなにいいプレゼン、トークをしても、マーケットがだめなら全部だめです。僕はいつも社会を理解、深堀することを意識して生きていますが、課題に感じたことについて、社会の構造的課題なのか、マーケットがあるのか、ということを意識できるといいです。
みんながいつも学んでいる微積など工学的な勉強より、ビジネスプロトコルを覚えることは難しくありません。ビジネスは相手と価値の交換をすることです。価値の交換はなんでも当てはまって、好きな異性を口説きたい、留学に行きたいから親を説得したい、なんて場合にもプロトコルに則って論理的に説明ができるとうまくいきやすいです。社会の成り立ちである、価値と価値を交換してお互いにメリットを出すためのプロトコルを覚えれば、生きやすくなり、やりたいことをやりやすくなり、楽しくなれます。ぜひビジネスを覚えてほしいので、今後も引き続き学んでいってください。」
参加者の感想:
・他のビジコンも並行して参加しており忙しかったが、みんなで協力してとてもいい週末を過ごせた。
・初参戦でマーケットリサーチなど慣れていなくて難しかった。
・最近ビジネスに興味があり、毎週火曜の高専キャリアのBiz Dev Academyにも参加しているが、まだまだ勉強が必要。
・知らないカタカナ言葉も多く、理解することが多くて大変だった。
参加者のみなさんからは「大変だった」というコメントがありつつ、週末をやりきったさわやかさが見えました。今回は東工大の特許を活用し、発明とビジネスプロトコルやビジネスを学ぶ意義について学ぶイベントとなりました。
高専キャリア教育研究所では、高専生 / 編入生のためのオンライン完結ビジネスアカデミーBusiness design labや、高専生 / 編入生のためオンラインビジネスプランコンテストBizDev-weekendなどを開催しています。
ビジネスを学びたい、楽しく生きたい高専生 / 編入生はぜひ参加してみてください!
また、みらい創造機構では、隔週金曜日に東工大生向けのキャリア教育アカデミーである「みらい創造アカデミー」を開催しています。
・ 大企業/スタートアップ/若手研究者を招待した講演会
・ 進学/就職に活かせるキャリア教育コンテンツ
・ 人文社会系学生との交流支援
などを中心に、東工大生が社会に羽ばたくための「あったらいいな」を提供しています。東工大生はこちらもぜひご参加ください!
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