なんで病むのか構造主義で考えてみた『寝ながら学べる構造主義』より

突然ですが、皆さん病むことありますよね?
私は家で一人の時間が長いとき、なんで私って独りなんだ?
つまんないな寂しいなと暗い気持ちになるなんてことはざらにあります。
さあ何故ぼっちなのでしょうか?
この問いですが、実に構造主義らしいものだと思ったわけです。

私は、最近内田 樹氏の『寝ながら学べる構造主義』という本を読んでいました。
この書籍の最初の方に「マルクスの人生観」なるものがあります。

「人間は生産=労働を通じて、何かを作り出します。そうして制作された物を媒介にして、いわば事後的に、人間は自分が何者であるかを知ることになります。」
「人間は行動を通じて何かを作り出し、その創作物が、その作り手自信が何者であるかを規定し返す。生産関係の中で『作り出したもの』を媒介にして、人間は己の本質を見て取る。」

『寝ながら学べる構造主義』p28,29より引用

つまり、私たちの行動を振り返った結果、私はこういう人なんだと知ることができるのです。
だから最初の私の例なんかは一人でいる時間が長かった結果、私はひとりぼっちで話す人がいない。辛いいって病んでるのです。
一方で、今月初頭の私は展示をしていました。
この時の私は来場者の方々の満足そうな表情を見て、私や仲間の作品をじっくり見てもらえて大変うれしかったですし来場者様を楽しませた良いことしたんだと思っていました。
なので、私は大変善い行いをしたクリエイターなんだと思い込みました。

ついでに病んでる人の陥りがちなお悩みと言えば、
「生きてる意味が分からない。」
「何のために生まれたかわからない。私なんて価値のない人間だ。」
このようなところではないでしょうか。
私も高校生だったか同じような感情を持っていましたが、今から論破します。
「ヘーゲルの人間理解」を引用させていただきます。

「『存在すること』とは、与えられた状況の中でじっと静止しており、自然的、事物的な存在者という立場に甘んじることです。静止していることは『堕落すること、禽獣となることである』という考え方、これをマルクスはヘーゲルから受け継ぎました。たいせつなのは『自分のありのままにある』に満足することではなく、『命がけの跳躍』を試みて、『自分がそうありたいと願うものになること』である。」
「『普遍的人間性』というようなものはない。仮にあったとしても、それは現実の社会関係においては、『現状肯定』ー『存在すること、行動しないこと』を正当化するイデオロギーとしてしか機能しない。」

『寝ながら学べる構造主義』p28より

「自己同一性を確定した主体がまずあって、それが次々とほかの人々と関係しつつ「自己実現する」のではありません。…『作り出した』意味や価値によって、己が誰であるかを回顧的に知る。主体性の起源は、主体の『存在』にではなく、主体の『行動』のうちにある。」

『寝ながら学べる構造主義』p32より

この部分なかなか面白いと思いませんか?
上の引用欄の一部分なんて存在すること自体を正当化するなんてナンセンスだとも聞こえてきます。
要するに誰にとっても必要とされるような存在する意味やこうあっていなければならないといった人間性は存在しない。
この人間性があったとしても主体的に動くことによって何かを実現達成するのではなく、ある行動をした結果できた意味や価値から私はその行動をする人なんだと感じ取る。
こういったところではないでしょうか?

つまり、「僕は君と出会うに生まれてきたんだよ。」なんてことはあり得ないのです。
こうではなく、「君に告白した結果、僕は君の彼氏になれたんだよ。」ということです。
あくまでも行動の結果から自分が何者であるかを逆算するのです!

したがって、生まれた意味なんて考えるのは時間の無駄だって思うことを正当化できます。
最初の私ボッチの例であれば、「友達と話した」という行動があれば私友達いっぱいという解釈になるはずですよね?
でも私なんてコミュ障だから人と話すのなんて無理といって行動しないのは、堕落しているだけなのかもしれません。

とは言いつつ、現状肯定も生きる上では大切なことだと思うので忘れないようにしましょう。
でも、この構造主義的な考え方いろんな場面で役立つと思いませんか。
タイトルの問いの答えはこうです。
病むことにつながる過去の行いがあったのだから、今あなたは病んでいると認識している。

以上で終わります。
素人感覚で、なんか参考になったなー程度にメモ書きしたないようなのでそこまで真に受けないようにお願いします。
まだ1回しか読んでないですし、別の気になる箇所もあるので続編も出すかもしれません。お楽しみに!

作品にして伝えたいかもね、、こういった本は図書館で借りた後自分で購入しちゃいたいものだよ。おわりり

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