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Hero Makersは教師の自己肯定感が高まる場所 / 埼玉県立不動岡高校 田原佑介

こんにちは、Hero Makers公式です。Hero Makersとは、経済産業省の「未来の教室」実証実験に採択された、学校や教育を変えたいという熱意を持った教員向けの、超実践型ヒーロー養成プログラムです。先生たちがアントレプレナーシップとグローバルリーダーとしての視点を獲得することをめざした本プログラムは、2018年10月から約半年の実施期間を経て、2019年の2月に終了しました。

プログラムのはじまりについてはこちらの記事をぜひお読みください。

さて今回は、Hero Makers 1期生の田原佑介さんに、プログラムの半年間を振り返っていただきました。Hero Makers1期生の中でも特に、別人かと思うくらいヒーローとして成長した田原さん。

Hero Makers参加のきっかけから、Hero Makersを経験したからこそ発信できる、教師としてのアツい想いを語っていただきました。ぜひ最後までお読みください。

Hero Makersに参加したきっかけ

一番最初の3日間のブートキャンプで、1分間ピッチをするというのがありました。自分の教育への想いを英語で発信しようというものです。その時に私は「自己肯定感の高い教師にしか、自己肯定感の高い生徒は育てられない」という内容の発表をしました。これが私がHero Makersに参加した理由です。

教師であれば、自分の生徒たちに対して「自分は、このビジョンに向けて頑張っていて、すごく楽しい。だから、あなたも頑張れ!」と、胸を張って伝えたい。しかし、自分に誇れるものがあるのか。この乱世の時代に、生徒たちに胸を張って誇れるものがあるのか。その時の私にはありませんでした。

今までも何もしてなかった訳ではなくて、セミナーに出てみたり、本を読んだり、外部の人に合ったり、教員サークルで模擬授業のブラッシュアップをし合ったり。もちろん自身の英語を磨き続ける努力も継続してやり続けていました。そして授業はそれなりにうまくいっている。しかし、何か違和感がありました。

そんな時、今回のHero Makersの主催者であった白川寧々さんからFacebookで案内を受けました。

「教員こそが、日本を牽引するグローバルリーダーに」

この言葉に強烈に惹かれました。白川さんにメッセージを送ると、会ったことのない私に対して長文で、丁寧に対応をしてくださいました。

そして、『公教育の役割は、全員に、元々の意識がない子に対しては特に、「英語はこんなに使える」「英語はこんなに役立つ」というマインドを植え付け、機会の不平等を是正することだと思っています。』という白川さんの言葉に、「これが自分のやりたいことだ!」とさらに納得しました。

すぐに、参加することを決めました。

教師が「できる」と信じていれば、生徒も自分自身を信じるように

実際に参加しての感想は、大大大大大満足...!です。週末にHero Makersのセッションに参加し、成果物やプロトタイプをつくり、学校で実践する。そしてその結果をHero Makersに持ち帰り、ヒントやフィードバックをもらう。このサイクルを繰り返し、「学校は変えられる」と何度も思いました。そして、実際に変わりました。

例えば生徒。週2時間か3時間の授業での関わりしかない、担任でもない、それでも自分の想いと構想を伝え、協力してくれるよう声をかけたら17人もの生徒が集まりました。うち12人が、理想の授業の実現に向けて、プロジェクトチームとして継続的に活動に参加してくれています。

なぜか。それは、私自身が「学校は変わる」と本気で思い、変えるために全力で動き、そしてそれを楽しいと感じているからに他ならないのではないかと思います。「最初からそうだったのではないか」と思われるかもしれませんが、この変化には自分がいちばん驚いています。以前の私が必死に声をかけても、ついてくる生徒などいませんでした。

私の自己肯定感が高まった分、生徒の自己肯定感を高めることができる。教師が「できる」と信じていればいるほど、生徒も自分自身を信じるようになる。それを経験できて、本当に良かったです。まだまだ道半ばではありますが、自分自身も、周りも、本当にいろいろなことが変わりました。

常に新しい学びをめざして、挑戦を

Hero Makersのような研修はこれからの教育において、非常に重要で必要なものだと思います。教師の役割が変化してきているからです。

これまでの学校での問題は、学級崩壊でした。研修で求められてきたのは、教師の授業力の向上や生徒指導のノウハウです。授業が上手で、子どもへの対応が上手ければ、学級は荒れない。教師の授業技量自体はこれからも変わらず必要だと思います。40人の一斉授業ができない教師がアクティブラーニングなんてできません。活動あって、学びなしです。

しかし、授業のノウハウがかなり蓄積されつつあるのも事実です。体系化されたそれらの知識を学んでいけば、わかりやすい授業を誰でもできるようになってきています。

では、これからの教師の役割は何か。PBLにおけるファシリテーターか、それはまだよくわからないというのが正直なところですが、確実なのは、わかりやすい授業をするだけではだめだということです。

教師こそが、常に新しい学びをめざして、挑戦を続けていかなければいけないのだと思います。この先、何が起こるかわからない。どんな教育が必要かもわからない。とするならば、必要なのは、どんな授業スキルを持っているか、ではありません。

必要なのは、教師が常に新しいゴールに向かって走り、キラキラしている、その「姿勢」そのものではないでしょうか。そうすれば、子どもは勝手に学んでいく。これが「未来の教室」そして「未来の先生」なのではないかという答えに至りました。

そしてそんな中でHero Makersは、教師自身に火をつけ、自信を持たせる場所でした。教師が変わって、そして子どもが変わる。

これからも学び続け、挑戦を続けていきます。

田原 佑介(埼玉県立不動岡高校)
山口県出身。埼玉大学を卒業後、2013年度埼玉県教員として採用。1000人以上の生徒に、授業を通して英語の楽しさを教える。2017年度不動岡高校着任後、楽しく、熱中でき、力がつく授業の実現を目指す。2018年10月よりHero Makersに参加。埼玉県の高校生からチェンジメーカーを育成するプロジェクトpassion finderを立ち上げる。

田原さんの最終ピッチ

プロジェクト名:passion finder
埼玉県の高校生に英語とアントレプレナーシップを身につける機会を提供し、21世紀を牽引する新しいリーダー「チェンジメーカー」の育成を目的としたプロジェクト。最終的には、埼玉県から全国へ活動を広めていくことをめざす。




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