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仕事多すぎ・・・体制強化に必要なこと

■仕事が多すぎる状態とは
 「仕事が多すぎて困っている」ということで相談を受けることがあります。自分やチームの仕事が多すぎる場合、解決策は 二つの方向性があります。一つは、今いる人的な体制を変えずに仕事のやり方や仕事のプロセスを効率化していくということです。これには、業務効率化やITツールを導入するといった対策が考えられます。もう一つは、人的な体制を強化するということです。端的に言うと人を追加するということです。
 しかし、後者の人を追加するというのは難しい場合が多いです。なぜかと言うと、マネジメント側は今いる体制で業務運営ができているのであれば、あえて体制を強化しようという発想にはなりません。しかし、突発的なプロジェクトなどが発生して人的な体制が逼迫してくると、現場のメンバーは残業が多くなったり、 オーバーワークとなってミスを誘発したり、疲弊したりということになる懸念もあります。このような状況になると、人員を増員するという対策を講じる必要が出てきます。しかし、現場の体制で業務が回っている場合には、なぜ人が足らないのかということを説明するのが難しいという実情があります。そのため本来であれば人を追加した方が良い状態にあるにも関わらず、増員できないということが起こります。今回はそのような時に、業務をいかにして可視化、定量化して、人員を追加するという意思決定に結び付けるのかということについて考えたいと思います。

■仕事の可視化と定量化
 仕事の可視化と定量化には、タスク一覧を作成することがお勧めです。まずはタスク一覧上で、自分やチームの仕事というのを洗い出してきます。業務やタスクを洗い出す時には、タスクを構造化することが有効です。大項目、中項目、小項目ですとか、大項目、小項目と言ったレイヤーを設けて仕事を構造化していくことで抜け漏れなくタスクを洗い出すことが可能になります。 このようにしてタスクを一覧化していくということがタスクを可視化するということです。タスクを可視化することによってはじめて、自分やチームの仕事というのを客観的に把握することができます。 そして客観的に自分たちのタスクを把握できれば、どのような打ち手を打てば良いのかということも見えてきます。

 仕事が可視化されたあとのステップとして、仕事を定量化するということが必要となります。仕事を定量化することによって、自分やチームの仕事がどれくらいあって現在の体制で適当なのかを判断できるからです。業務を定量化していくには、タスク一覧を用います。タスク一覧の一つ一つのタスクがどれくらいの業務量があるのかというのを算出していきます。その時に、1回あたりの処理時間×処理件数を用います。下記の表のように一つ一つのタスクで1回あたりの処理時間がどれくらいあるのか、 処理件数がどれくらいあるのかということを見積もって行きます。そうすることで自動的に一つ一つのタスクの業務量というものを算出できます。一つ一つのタスクの業務量が算出できれば、自分が抱えているタスクの全体、あるいはチームが抱えているタスクの全体の業務量というものが算出できます。そうすると、例えば、月に800時間業務が発生している時には、160時間で割ると、おおよそ5名の体制で業務を担うことが妥当だということわかります。この時に仮に、 3名で業務を担っているというような場合には、明らかに一人当たりの業務負荷が高いということになりますので、業務の平準化や人員を追加するというような検討が必要になってきます。

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 また、マネジメントの側も、ただ仕事が忙しい人を追加してほしいと言われても、どの程度忙しいのかが定量化されていないと意思決定が難しいです。このような時に、業務を可視化して定量化することで、どれくらい仕事が忙しいのか、どれくらい人が足らないのか、ということが把握できます。これによって実際に 人を追加するかどうかという検討・判断がしやすくなるということです。また、可視化されて定量化された業務を見渡すことで、業務の入れ替えや業務の削減など他の施策の検討も可能になります。ですから、自分の仕事や自分のチームの仕事が多すぎて困っているという場合にはまず業務を可視化して定量化するということを試してみてください。

(第21回 2021/8/11)


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