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研修動画の作り方

■研修動画とは?
 研修動画とは、通常リアルタイムで行う研修を動画にして、動画を見ることでスキルやノウハウを習得することを目的としています。研修動画を提供するプラットフォームもあり、企業においても研修動画を活用するのは一般的になりつつあります。研修動画のメリットは、一度、研修動画を作ってしまうと、受講生が時間や場所に拘束されずに、研修を受けることが可能になるということです。また、都度、講師に依頼する必要がなくなるので、研修を提供する側の負担も大きく削減できます。
 他方、研修動画のデメリットは、動画作成にかかるイニシャルの負担が大きいということです。通常の研修の場合には、講師を選定して、教材をつくって、場所を用意すれば研修を提供できます。一方、研修動画の場合には、更に動画の撮影や編集などが必要になります。また、リアルタイムの研修のように、質疑応答などや受講生同士の横の繋がりなども醸成しにくいこともデメリットして考えられます。
 これらのデメリットも考慮しても、研修が受けやすいということや、一度作ってしまえば、何度でも使えるというメリットを踏まえると、研修動画は、今後も拡大していくものと思われます。今回は、研修動画を作る際の5つのステップについてご紹介します。
 
■研修動画の作り方5ステップ
①目的の明確化
 まず、研修動画を作る目的を明確にすることが重要です。どのような情報を伝えたいのか、どのような視聴者が対象なのか、どのような効果を期待するのかを考えることが必要です。研修動画を作成するうえで、ここが一番重要だと言っても過言ではありません。ただ、目的を明確にするということは、リアルタイムの講座と変わりません。しかし、研修動画の場合には、一定の期間(数年くらい)繰り返し使われるテーマであることが求められます。1度しか、開催しないような研修を動画化することは費用対効果の面でもあまり意味がないからです。
 
②カリキュラムの作成
 次に、カリキュラムを作成します。カリキュラムは、研修動画の内容や構成を示す資料です。カリキュラムを作成することで、研修動画の全体像を把握することができます。カリキュラムを作成する際には、エクセルやスプレッドシートを用いて、章立てを明確にしていきます。大項目、小項目くらいのレベル感が妥当です。小項目は5分くらいの長さを想定して、何を伝えるのかの要点を明確にしていきます。併せて、パワポ+講師の動画+音声とするのか、パワポと音声のみとするのかなどを決めて、置くことも必要です。
 
③資料の準備
 研修動画に必要な資料を用意します。例えば、画像、ビデオ、テキスト、音声などがあります。また、使用するソフトウェアやハードウェアなどの準備も必要です。最低限必要と思わるものは、パワーポイントによる研修資料、音声を録音するマイク、動画を使う場合にはビデオカメラやグリーンバック、編集ソフト等があげられます。
 
④スクリプトの作成
 スクリプトを作成します。スクリプトは、研修動画で使用する音声やテキストを記述した資料です。パワーポイントで作った研修資料を読み上げる場合には、スクリプトは必要ではないかもしれません。しかし、研修資料にないことを話すときには、スクリプトを用意した方が良い場合があります。スクリプトは、箇条書きレベルで良い人もいれば、一言一句書いていないとダメな人もいるので、好みに応じて作成していけばよいと思います。
 
⑤動画の制作・公開
 動画の制作を開始します。研修動画を制作するためには、カメラ、マイク、映像編集ソフト、音声編集ソフトなどを使用して行います。撮影前に、カメラやマイクのテストをすることが極めて重要です。動画の撮影が終盤になってから、画質や音声の不備に気が付くと、大変な手戻りになるからです。音声や動画を撮影した後は、編集をしていきます。カリキュラムで想定した長さと大幅にずれないように、調整も必要です。
 制作が完了したら、動画を公開します。動画共有サイトやオンライン学習プラットフォーム、企業内の教育プラットフォームなどにアップロードします。
 
 以上が、研修動画の作り方の一般的な手順です。研修動画はこれから企業研修において主流になっていくと思われます。制作に必要なソフトウェアやハードウェア、制作時間や制作費用は、研修動画の目的や制作方法によっても異なります。外部のパートナーの活用もしつつ効率的に作成を進めていくようにしましょう。
 
(第94回 2023/2/21)

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