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猫に学ぶ生き方のヒント10

■猫に学ぶ
 政治哲学者のジョン・グレイ氏の「猫に学ぶ いかに良く生きるか」という著書にある「良く生きる10のヒント」についてご紹介します。仕事をしていると、効率を追い求めて生きることになりがちです。しかし、人間も動物ですので、効率を追い求めるとどうしても無理がでてきて疲弊してしまいます。そのような状況に陥っているときには、無理にあくせくしない生き方を猫から学べるのかもしれません。メンタルを健康に保つために猫から学ぶ10のヒントが参考になると思います。また、同書には10のヒント以外にも参考になる内容がたくさんありますので、猫好きの方はお勧めです。
 
■生き方の10のヒント
①人に理性的になれと説教しない
 意見が違う人や仕事が出来ない人を見ると、あれやこれやと指摘をしたくなってしまいます。しかし、人間は理性的な生き物ではありません。そもそも、世界の全てを正しく認識できる人はこの世にいません。そのような中、他の人が変な発言をすることや、おかしな行動をすることに対して説教をしても得るものはありません。それは、「猫に対して肉食を止めろ」というようなものとのことです。
 
②時間が足りないとなげくのは馬鹿
 時間が足りないと嘆くのは、時間の過ごし方を知らないからだそうです。目的に役に立ちそうなことや、そもそも、それ自体が楽しいことをやるようにしましょう。
 
③苦しみに意味を見出すな
 不幸な状況にいる時、そこに意味を見出そうとすると、苦しみにしがみついてしまうことになりかねません。不幸な状況もやがて流れ去っていくものです。苦しみに意味を見出すことや、苦しみにしがみつく人は避けるようにしましょう。
 
④愛するよりも無関心でいる
 他者を愛するというのは、一種の執着です。他者を愛したとしても見返りが得られることなどないですし、普遍の愛を提供することなど人間にはできません。であれば、愛するよりも無関心でいる方が、自然な事なのかもしれません。それが親切に変わる時もあるかもしれません。
 
⑤幸福を求めない
 人は何をすれば幸福なのかを正確には知りえません。だから、幸福を追い求めても幸福に達することができないです。逆に幸福になるなんてことを考えずに、興味のあることを追求する方が良いです。それが幸福に変わるかもしれません。
 
⑥人生は物語ではない
 人生が物語だと考えると最後まで書きたくなります。しかし、人生はいつどのように終わるかは分かりません。物語などとは思わずに、台本を捨てて生きた方が価値ある人生を過ごせるかもしれません。
 
⑦闇を恐れない
 人は子供の時から「行動する前に良く考えなさい」と助言を受けます。この助言は多くの場合、正しいです。しかし、時には闇の中にあるかすかな暗示に従うことも必要かもしれません。それがどういう結果になるかは誰にも分からないにしてもです。
 
⑧眠る喜びのために眠る
 猫は寝たいときに寝て、遊びたいときに遊んで、と自由に生きています。人のように明日の朝は早いの早く寝なくてはなどとは考えません。時には寝る楽しみのために、寝てみたいものです。
 
⑨幸福にしてあげると言う人は危険
 「幸福にしてあげるという人」は、あなたよりも少しだけ幸福な人だそうです。そのような人はあなたの苦しみが必要です。あなたの苦しみが減ってしまうとその人達の生きる意味が少し減ってしまいます。「幸福にしてあげるという人」には気をつけましょう。
 
⑩これらが出来なくも気にせず生きる
 以上の9つのヒントが実行できなくても気にすることはないと著者は言っています。できないのであれば、日常に戻ればいいそうです。そうすれば、少なくとも気晴らしにはことかかない刺激を得られます。
 
 いかがでしたでしょうか?成果や効率を求められる日常に生きていると疲れることもあります。そのようなときに猫がくれるヒントは肩の力を抜いて生きることを教えてくれるのかもしれません。
 
(第75回 2022/8/27)
 
<参考文献>
ジョン・グレイ. (2021).猫に学ぶ いかに良く生きるか. みすず書房.

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