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リカバリープランの5つのポイント

■リカバリープランとは?
 仕事をしていると、思っていたような結果が出ないということがあります。予定していたスケジュール通りに仕事が進まないですとか、想定していたアウトプットと異なるという場合がこれに当たります。このような場合、事態を改善し、スケジュールを巻きなおす、アウトプットを修正するなどの対応が必要になります。このように、一度予定と違う状態になった後に、事態を改善していくことをリカバリーすると言ったりします。そして、リカバリーのために、目標設定し、具体的なタスクを明確化することをリカバリープランを策定すると言います。今回は、リカバリープランを作り、実際にリカバリーするために必要なポイントについてお話していきたいと思います。

■5つのポイント
①現状を正しく認識する
 リカバリープランを作るための第一歩は現状を正しく認識するということです。 仕事において、問題が発生してしまって対応しなくてはいけない時、やみくもに行動してしまうことがあります。 例えばプロジェクトのスケジュールが遅延している時、その状況を取り返そうとして遅れているタスクを一生懸命進行するというようなことです。しかし、目の前のタスクを進行してもプロジェクト全体の遅れを取り戻すことができない場合があります。このような場合には目の前のタスクを進行するということには、意味がありません。このように現状の把握をせずに闇雲に行動してしまうことによって、ますます傷が深くなってしまうことすらあります。ですから大切なことというのは、まず現状を正しく把握するということです。スケジュールが遅延しているのであれば、その遅延は取り戻すことができるのかできないのかといった判断を冷静にする必要があります。このようにリカバリープランを作るための第一歩は現状を正しく把握するということです。

②目指すべき状態を把握する
 現状把握が終わった後は、どのような状態を目指すのかを明確にするということが大切です。今ある問題を解決し、目指すべきゴールを明らかにするということです。ゴール設定には二つの方法があります。一つは、予定どおりに物事を進めるという方法です。もう一つは現状を踏まえて、新しいゴールを設定するという考え方です。前者の場合には、スケジュールが遅延しているような場合には、遅延を取り戻すべく、スケジュールの見直しや要員追加などの手当が必要になります。 後者の場合には、新しいゴールを設定することになります。スケジュールが遅延している場合には、スケジュールを後ろ倒しする計画をつくり関係者と合意するというようなプロセスが必要なります。このように二つ目のポイントというのは、ゴールを明確にするということです。

③ポイントを明確にする
 三つ目は、 新しいゴールを達成するために必要となるポイントを明確にするということです。ゴール達成するために欠かすことのできないキーとなる要素を明らかにするということです。例えば、スケジュールが遅れている中で、ゴール時点では予定通り終わらせることを目指す場合のポイントは、スケジュールの見直し、要員の追加、プロジェクト管理体制の強化というようなイメージです。

④具体的なタスクを明確にする
 四つ目のポイントは、具体的なタスクを明らかにするということです。 スケジュール遅延に対するポイントとして、 ケジュールの見直し、要員の追加、プロジェクト管理体制が挙げられていたとします。具体的なタスクとは、スケジュールの見直しは誰といつまでに実施する必要があるのかということを明らかにすることです。また要員の追加についても、どのようなスキルセットの人がいつまでに何人必要なのかということを明らかにすることが必要です。要員の追加にかかるコストの承認を得ることも必要です。プロジェクトの管理体制を強化する場合には、方法論や担当者を明らかにしていくことが求められます。そして新しい管理体制で進めることの承認を得るということも必要となるかもしれません。このように具体的なタスクを明らかにする際には、新しいゴールを達成するためのポイントをクリアするために必要となるタスクは何かという観点で洗い出していくことが効果的です。

⑤淡々と実行する
 最後のポイントは淡々と実行するということです。問題が発生してしまってスケジュールが遅延してしまうことや、アウトプットの品質が悪いという状況というのは決して気持ちが良いものではありません。時には、厳しい指摘を受けることもあるかもしれません。その時に感情的に落ち込んでしまうと、 心身にストレスがかかります。 やってしまったことというのは取り返しがつきませんので、あまりくよくよ考えずに、具体的に何をすべきかが見えてきたら後は淡々とそのすべきことをやっていくという姿勢が重要だと思います。その繰り返しが、ゴール達成への道になると思いますし、自分自身のスキルも上がっていくというふうに思います。

 以上が、リカバリープランを作成するための5つのポイントです。仕事やプロジェクトで問題が発生しお困りの時は、ぜひ参考としてください。

(第32回 2021/11/2)

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