タスク設計の5つのポイント
■タスク設計とは?
指示をされたにもかかわらず、その仕事を遂行せずに上司などから注意を受けたというような経験はありますか?また、重要な仕事の期日を守れずに仕事の進捗に重大な問題を引き起こしてしまったことや、指示待ちになってしまい、上司から注意されたことはありますか?このような事が起こってしまう原因はタスク設計が出来ていないことに起因します。タスク設計というのは、いつまでに何をすべきかを明確にして、自分自身やチームが把握することです。
タスク設計が上手くできていれば、タスク設計に則って粛々とタスクを進めていくことが可能です。また、仕事を問題なく進めることができる人は、タスク設計を無意識レベルで行って、やるべきことが明確になっていることが多いように思います。一方で、指示されたことを遂行できないとか、期日を守れない人はタスク設計を適切に行うことが出来ません。ですから、ムダな仕事に労力をかけてしまい、結果として成果が上がらずに問題が発生するというような事態になってしまいます。ここからは、タスク設計を適切に行うためのポイントについてお話をしていきたいと思います。
■タスク設計の5つのポイント
タスク設計のポイントは5つあります。一つ一つ順番に説明をしますが、順番通りに検討していく必要はありません。順番にはこだわらずに、5つのポイントを意識すると、タスク設計を適切に行うことできるようになります。
①全体感の把握
タスク設計をするうえで最も大切なことは、仕事の全体感を把握することです。目の前の仕事に追われるのではなく、目の前の仕事は何のためにやっているのかを把握することといっても良いかもしれません。全体感を把握しないと、場当たり的な仕事になりがちで、事細かに指示を受けないと仕事が出来ないような状態になりがちです。ですから、仕事の全体感を把握するということは非常に大切です。プロジェクトの仕事であれば、プロジェクトの目的とゴール、ゴールに達成するためにいつまでに何をやるのかという大枠の取り組みを把握することが大切です。
②センターピンを明らかにする
また、センターピンを明らかにすることも重要です。センターピンとは、ボーリングの中心のピンのことで、センターピンを倒すことで、他のピンも効率的に倒すことが可能になります。つまり、センターピンとは、目的を達成するために、今やらなくてはならないことです。今この瞬間にやるべきことに、正しく取り組むことが成果をあげるためには、極めて重要です。今やるべきことを明らかにするためには、優先順位を正しく立てていくことが欠かせません。突発的に起こる出来事を踏まえて、動的に優先順位をつくり続けることが、センターピンを見抜くために必要です。
③スケジューリング
そして、タスク設計に欠かせないポイントの一つがスケジュールを立てることです。タスクを洗い出して、そのタスクをいつまでにやらなくてはいけないのかを明らかにすることがスケジュールを立てることです。スケジュールを正しく立てることで、センターピンを正しく見抜くこともできるようにもなります。
④QCDコントロール
次は、QCDのコントロールをするということです。QCDとは、品質・コスト・納期の事ですが、特に品質と納期のバランスを考えることは非常に重要です。品質がいくら高くても、納期割れしてしまっては、成果をあげたことになりません。ですから、納期が間近に迫っているときには、ある程度品質を下げても間に合わせなくてはならい局面もありえます。このようにタスク設計をする時には、納期と品質のバランスをはかることが求められます。
⑤アウトプットのイメージ
そして、タスク設計の最後のポイントはアウトプットのイメージを明らかにすることです。アウトプットのイメージが明らかになっていないと、そのタスクがどれくらい時間がかかるのかを正確に見積もることが出来ません。そのため、スケジュールを作ることもできませんし、センターピンとして今取り組むべきタスクが何かも見えてきませんし、品質と納期のバランスもとることが出来ません。ですから、アウトプットのイメージを明確にするということはタスク設計において極めて重要となります。
以上がタスク設計の5つのポイントです。指示待ちになりがちで、言われたことを適切に遂行できていないときには、タスク設計のポイントを押さえているか検討してみると改善のヒントが見つかるかもしれません。
(第36回 2021/11/30)
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